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女嫌いと男嫌いの勘違い青春

あさにゃん

34.代償

???
「なにやってるの?お兄ちゃん?」

それは天使、女神だった。
髪型はハーフアップ。
目は雄也と同じで青みがかった黒。
程よく焼けた肌には汗の玉が流れ落ちる。
スレンダーという単語がバッチリ合う少女がいた。

雄也
「鈴乃か!?」

今日の朝別れたばかりの妹との再会にもろ手をあげて喜ぼうとする雄也。

そう、あくまで『喜ぼうとする』だ。

鈴乃
「なにやってるの?お兄ちゃん?」

その理由がコレ。鈴乃だ。

さっきと同じ質問。しかし、そこに込められた『念』が違った。

それは誰もが即座に膝を折り平服する。そんな迫力があった。

至極簡単に表すと『キレている』のだ。

その理由は言うまでもない。

花蓮
「こんにちは。私は柊花蓮です」

こいつだ。

そう、キレている理由は隣にいる柊花蓮が理由だ。

鈴乃
「貴方があの…」

マズイ!

鈴乃から漏れだした殺気を瞬時に感じとった雄也は慌ててフォローに入る。

雄也
「そ!それより奇遇だな?今日はどうした?」

この天使鈴乃は例え祖父でも怒れば足蹴するような苛烈さをもっている。

柊花蓮を庇うわけではないが、もし何かあったらあのババア文子になにを言われるか分かったもんじゃない。

そう判断したのだ。

鈴乃
「部活が休みだから自主練してたの。それよりお兄ちゃん?そこをどい………」

雄也を退けようとする鈴乃だが必死に注目を集める。

雄也
「そ、それは偉いな!」

鈴乃
「そんなの普通…いいからそこを…」

雄也
「でも、昨日もあんなことあったんだ、せめて友達と一緒にしなさい」

ここは素直に心配するとこである。昨日の今日で一人で出歩くとは、「お兄ちゃん許しませんよ!」。

鈴乃
「うっ。それは…」

雄也
「だから今度お兄ちゃんも一緒に練習しよう!それならいいな?」

鈴乃
「え?お兄ちゃんデートしてくれるの?」

ん?なにか違うがいいか!俺も鈴乃とデートしたいし!

雄也
「ああ!いいぞ!」

鈴乃
「本当に本当?やっぱ無しは駄目だよ?」

可愛い…

雄也
「もちろんだ。普段から部活やら勉強やら頑張ってる鈴乃にご褒美だ」

鈴乃
「そ、そうかな?/////こんなの普通だし/////」

雄也
「いやいや!休みの日にまで練習することはなかなかできないぞ!そんながんばり屋な所、お兄ちゃんは好きだぞ!」

鈴乃
「/////」

今だ!

このチャンスを逃す雄也ではない。

雄也
「それじゃ…がんばり屋で照れてる姿も可愛い鈴乃よ。俺は行くけど夜遅くならないうちに帰れよ」

本当は鈴乃とこのまま一緒にいたいが今日は色々面倒になるので我慢だ。

鈴乃
「うん/////」

鈴乃は熱を帯びた瞳であさっての方を向いている。

雄也
「いくぞ!柊花蓮」コソコソ





花蓮
「貴方シスコンだったのね…」

その後わざわざ気を使って助けてやった奴から、冷たい眼差しを受けてイライラしたのは鈴乃は知らない。


鈴乃
「えへへへー」
「もう、仕方ないわねー」
「や、そんな所…」
「嬉しい…お兄ちゃん」

雄也達が立ち去ってから数十分の間、だらしなく顔を歪ませていた鈴乃。

妄想に夢を膨らませ、通行人から怪しい目で見られていた事を雄也は知らない。



          次に続く

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