話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

女嫌いと男嫌いの勘違い青春

あさにゃん

29.訳(その裏にあった事)

チクチクチクチク

雄也
「………」

賢一
「………」

チクチクチクチク

時計の針の音だけが部屋に響く。その部屋では向かい合うように座布団に座る男が二人。

一人は雄也。もう人は叔父の賢一だ。

睨みつけるように相手を見ているのは雄也。
そんな視線から逃げるように俯いているのが賢一だ。

かれこれ五分十分はこうしている。

この状態は夕御飯を食べた後、そうする事が当然の様に鈴乃に踏まれていた部屋(賢一の部屋)に戻ってきた。

ちなみに鈴乃はというと、寝かしつけた。鈴乃が起きていると話が進まなそうだからだ。

え?

あんなに暴れていた奴が急に寝るなんておかしい?なんて思った?

じゃー、ヒント。俺のポケットに入ってるのはなーんだ?

そんな訳で鈴乃はいない。

雄也
「それで?言いたいことは?」

賢一
「………!」ビク

雄也の一声で顔を上げる賢一。

賢一
「ぅ、あ……うう…ううう………ぅゎ〜ーーん!」

雄也の顔を見た瞬間号泣し始めた賢一。流石に初っ端から号泣で来ることは予想していなかった雄也は焦る。

雄也
「あ、お、おい!そんなに泣かないでくれよ」

賢一
「………」

涙でぐちゃぐちゃになっていた顔で、雄也を見た賢一は、

賢一
「う、ううう…うゎーーーん!」

更に号泣した。

賢一
「う、ゆ、雄也に!」

雄也
「!」

泣きながら何かを喋りだした賢一。雄也はその嗚咽おえつからしっかり聞き出そうと耳を傾けた。

賢一
「雄也に!…、無断でこんなことを…!儂は!うぅ…儂は!最低じゃ!う、雄也にとって!辛いことを、辛いことをさせてしまった!ううう、こんな!こんな不甲斐ない老いぼれは!生きてる価値がない!」

おいおい……なんか物騒な話になってきたぞ。

雄也
「とにかく落ち着け!……………別にそこまで怒る気はねーよ」

賢一
「!!!ううぅ!雄也の優しさが今は辛い!……こんな、儂を……。あんな事をした儂を!雄也は!雄也はーーーー!」

五分

雄也
「泣きやんだか?」

賢一
「すまん。…もう大丈夫じゃ」

5分間ずっと泣いていた賢一は目を赤く腫らし、少しやつれているように見えた。

雄也
「で?なにか事情があるんだろ?」

賢一
「う、うむ。その前に雄也はどこまで知っておる?」

雄也
「理由以外全部だ。今日理事長様から直々に説明されたよ」フン

賢一
「そーか」

先程よりは落ち着いている賢一。だが、その姿は見るに耐えないモノがあった。

それに雄也も鈴乃だったり、賢一の号泣だったりと毒牙を抜かれて、怒る気にならなかった。

雄也
「で?裏でなにがあったんだ?話してくれ」

賢一
「わかった。………雄也、お前には三年以上前からお見合いの話が出ていただろう?」

雄也は嫌な顔一つすると頷く。

雄也
「ああ、『アイツ』だろ?」

賢一
「そうじゃ『黒井 凛音りおん』じゃ」

雄也
「アイツがどうした?」

ここまで言われたらなんとなく分かるが、一応全部聞こうと思った。

賢一
「三年前からなんやかんやいって、婚約を躱していたが………。あのときはお互い幼かったが、高校に上がるのをきっかけに是非婚約を!と言われてな」

雄也
「そういうことか……。確かに高校というのは一つの節目だ。そこで婚約と言ってきても不思議じゃないな…」

賢一
「しかも、同じ高校にワザワザ来るとは……相手方の本気度も伺える」

雄也
「ああ、入学トップの成績だったらしい」

だがここで今まで突っかかってきた事を聞く。

雄也
「だが、どうして『柊』が出てきたんだ?草彅とも黒井とも縁は無かっただろ?」

そう、草彅や黒井は柊とはか関わりを持っていなかったのに、どうして急に出てきたのかが知りたかった。

賢一
「雄也、お前。昨日の事を覚えてるか?」

雄也
「……放課後のことか?」

賢一
「その通りにじゃ。特に何かボディータッチがあったとかは?」

雄也
「おいおい、あるわけないだろ?俺の体質は俺が一番しってるぜ?ボディータッチなんて、下手したら俺死ぬぜ?」

賢一
「ほんとに、覚えてないか?」

雄也
「くどいぞ爺」

その答えを聞いて安堵する。

思い出すのは昨日の夕方ーーーーーーーー

賢一
「なんじゃ?FAXからなにか…!?」

神社で雑務をこなし、今で休憩しているとFAXが動き出し。なにか、小さな紙が出てくる。

賢一
「これは……!雄也か!?そしてこれは、誰じゃ?女?」

そこに写っているのは部屋に散らばるノートと至近距離で見つめ合う男女。

賢一
「!!!雄也!」

この時は何も考えていなかった。ただ、雄也がもし発作を起こしていたら!?としか、頭になく。部屋を家を急いで出ようとしたときだ。

プルルルルル

一本の電話がかかってきた。

いつもなら大急ぎで雄也の元に駆けつけたいため、電話は無視していくところだが。賢一にはこの写真と電話が無関係なものに感じなかった。

恐る恐る電話をとる。

「もしもし?草彅神社の草彅賢一はいるか?」

賢一
「…儂が草彅賢一じゃが?」

「そうかそうか、ところで写真は見ましたか?」

賢一
「!あれはお前が!?」

「そうです。私は柊文子です」

賢一
「柊家か……。それで!なんのようだ!」

文子
「そう、いきり立たないで下さい」

賢一
「儂は早く雄也の元に行かなければ!じゃないと!」

文子
「まぁ、まぁ、まぁ。彼の体質ですね?それなら問題ないと思いますよ?」

賢一
「な、ぜ!それを!」

雄也の体質は一部の親しい人間しか知らない。それを今日初めて会ったやつなど知るわけもない。

文子
「ただの推測ですよ。あの反応は蕁麻疹。それもかなり強烈なね」

賢一
「………」

文子
「トリガーは女性との接触。これも推測ですが……彼女の子好きじゃないですよね?違いますか?」

賢一
「そうだ…。どちらもあっている。そこまで分かっているなら何故あんな事を!」

文子
「慌てないで下さい。あれは事故です。あの写真も廊下にある監視カメラの映像ですし。それに、草彅のお孫さんは自分の薬を飲んで安静ですよ」

その言葉は賢一を酷く安静させた。先程まで熱を持っていた脳は急激に冷め、思考が巡るようになった。

賢一
「で?なにが望みじゃ?ワザワザこんなものを送りつけて、更に電話までかけてくるんじゃ。なにかあるのだな?」

文子
「やっと冷静になりましたね。………それじゃここからは腹を割って話ましゃう。私のが望むのは……」


現実ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

雄也
「で?」

賢一
「実は方法は分からないがお前の性格があちらにバレてしまったようじゃ」

雄也
「………爺がバラしたんじゃないのか?」

賢一
「確かに結果的には教えてしまったが、あちらも薄々感じていたみたいだ」

賢一
(うまい嘘の付き方その1。半分本当の事を半分嘘の事を交えて言う事)

雄也
「…どうして感じたんだ?」

賢一
「わからん」

賢一
(その2。わからないことはキッパリと『分からない』と答えよう)

雄也
「分かった。もういい。疲れたから寝る」

賢一
「え?ここからが本番だが…」

雄也
「大丈夫。分かってるから。柊の方も男が嫌いだから婚約者としてふりをしろってことだろ?」

賢一
「え……。そうじゃが…」

雄也
「その話はついてるからいい」

賢一
「で?どうなったんじゃ?」

賢一は食いついてくる。

雄也
「取り敢えず学生のうちは我慢。でも、卒業までに破棄ってことになった

これは俺にもメリットがあるから承諾した」

賢一
「おおお。すごいな雄也は。流石儂の自慢の孫じゃな!ハハハハハ!」

雄也が頑張ったことを賢一は感じとり。自分がいいようにして丸め込まれた文子相手に、雄也が撃退したと知り「誇らしい、誇らしい」と破顔して笑い出す。

泣いたり笑ったり忙しいやつだ。

このままでは調子にノルことは分かっているので釘をさす。

雄也
「結果良かったかもしれないけど………。爺のやったことは許してないから」

そういい、立ち上がる。

部屋のドアを開けようとしていると

賢一
「雄也、待って!待ってくれ!!………っ!」

長い間正座していたからだろう。雄也に詫びようと立ち上がった瞬間崩れ落ちる。

「足が〜〜痺れて〜〜」

雄也は最後「無様だな」と言い。部屋から出ていた。



廊下を歩くと、窓から月が見えた。どんよりと輝きが無い月。

立ち止まりそんな、綺麗でも無い月を眺める。

そんな中「ビューー」と冷たい風が吹く。

突然の冷風に身を大きく震わせる。

雄也
「まだ、寒いな…」

寒さに身を縮こませはや歩きで自分の部屋に向かう。



   暑く騒がしい時期はまだ遠そうだ。



           次に続く


こんにちはあさにゃんです!

いつも応援してくださってる読者の皆様に感謝を。
私は考えました。以前もこうして意見なりコメント下さいっていいました。
そこで!私はより深く、みなさんと意見交換したいなと思いましてTwitterを始めました。
いつも周りからはやれば?などと言われていましたが……なにせ、機械オンチなものでして(笑)。
そちらの方も色々教えていただけると嬉しいです。
それでは良ければフォロー等お願いします。



あさにゃん@ノベルバ (@gUDvnuYDhHLfFKQ)さんをチェックしよう https://twitter.com/gUDvnuYDhHLfFKQ?s=09

↑これでいいのかな?

なにか間違っていたらこちらでのコメントお願いします!

「女嫌いと男嫌いの勘違い青春」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「学園」の人気作品

コメント

コメントを書く