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女嫌いと男嫌いの勘違い青春

あさにゃん

24.変化

ーーー帰りのHR

キーンコーンカーンコーン〜

熊野
「え〜ではこれで終了する。気おつけて帰れよ」

花蓮
「起立!気おつけ!ありがとうございました!」

「「「ありがとうございました」」」

雄也
(ついに来た…この時が!)

これから遊びに行く者、部活に精を出す者、家に帰り趣味に没頭する者など、放課後に入ったクラスは騒々しくなった。

その中に一人、握りこぶしを作り闘志に燃えている者がいた。

雄也
(魔王理事長を撃破し、静かな学園生活を守るんだ!)


「お〜い雄也〜。帰ろ〜ぜ〜。」

雄也は真の事を横目で睨みつけた。


「う、嘘だよ。覚えてる!覚えてる!これから理事長室にいくんだろ?覚えてるって!」

雄也
「…そうだ!絶対に勝つ!」

敵意を剥き出しに意気込んでいる雄也に意外な人物が冷水をぶっかける。


「でもさ、そんなに嫌なことかな?」

雄也
「は?」

雄也は真の言っている意味が分からなかった。

雄也は真を信頼している。それは間違いない。逆もまたしかり。真も雄也を信頼している。

だから本気で雄也を傷つける発言はしないと信じてる。信用しているが、それでも「裏切られた」と、どうしてもとらえてしまう。

雄也は不機嫌MAXの声で返した。

雄也
「は?何言ってんだ?…それはどういう意味だ!?」


「おいおい、そう怒鳴るなって。悪い言い方が悪かったな。つまりだ…柊花蓮を利用したらどうだ?ってことよ」

分からない。

真の言っていることが全く分からなかった。

それは雄也の表情にしっかり出ていたのだろう、真は直に種明かしをした。


「雄也ってモテるだろ?」

雄也
「まぁ、そうだな。それで?」


「チッ。羨ましい……。ん!んん!」

一瞬真から負のオーラが漂った。


「今も昔もメチャ女の子に言い寄られてただろ?」

雄也
「あ、ああ。なんか棘のある言い方だな」


「なんで女の子がよってくると思う?…………それは雄也と仲良く、さらに言えば恋人になりたいからだ」

雄也
「だろうな」


「そしてそれが雄也はたまらなく嫌だ。悪く言えばウザいと思っている訳だ。…………………なんて羨ましい………」

雄也
「!そうか!なるほどな!」


「やっと分かったか!そうだ!幸いにも雄也も柊も顔が広い。この二人が恋人…まぁ、今の場合婚約者か…。そして、この噂が広まれば!」

雄也
「俺にちょっかいかけてくるやつも静かになると」


「そうだ!そのと〜り!」

雄也
「でも、仮に、もしも、かろうじて、柊花蓮と婚約したら本末転倒じゃないか?」


「まぁー、確かにそうかもしれないが。あくまで婚約。結婚するわけじゃないし。この高校時代だけでも盾になってもらって、高校終わったら、さよならすればいい」

雄也
「お、お前…。最低だな」

この真の発言はかなり黒い発言だっただろう。

いつものおちゃらけている雰囲気からのギャップが相まって余計そう感じる。

だが、この真の発言はかなりいい線を言っていると思うから自分自身も相当黒いなと自覚した。

要はリスクとリターンの問題だ。

婚約したらそりゃ二人で遊びに行ったり、家の挨拶もあるだろうが、有象無象の女の子の相手をするよりはかなりいいだろう。

そして、社会に出たら今よりは(学園生活)女と関わる事は少ない。

それまでの盾にしろ。



この真の出した妙案には心揺さぶられる…

揺さぶられるのだが…



雄也
「…やっぱりそれはいいわ」

力なく笑いながらキッパリと否定の意を示す。

ここまでハッキリとした否定が返ってくると思っていなかった真は狼狽する。


「え!?ああ、そうか、流石に最低過ぎたな…」

雄也
「いやいいよ。俺のために考えてくれたんだもんな、そこには感謝してるよ」


「あ、ああ。別に親友なら当たり前だろ」

雄也
「そうか。ありがと。俺もう行くよ」

背を向けて歩き出す雄也。

その背中は段々小さくなって行き。


「…頑張ってこいよ」

か細い声がクラスに響いた。

真はしばらくその場に立って、誰もいないクラスで、陽が沈んで行くのをただたんに見ているだけだった。



雄也
「なんで、なんでだろうな…」

理事長室に行く廊下の途中雄也は声に上げて物思いにフケていた。

考えるのは真のさっきの発言。

正確にはその発言に対して雄也が答えた言葉。

雄也
「なんでなんなに否定したのか…」

分からない。自分の心なのに分からない。

雄也は勉強もスポーツも分からないことなどなかった。

なんでも人一倍にはできる。

そんな雄也が本気で考えていた。

雄也
(あの時…)

雄也は胸を抑えた。

ある手帳• • • •が入っている胸ポケットを抑えた。

柊花蓮の手帳。そしてその内容。

雄也
(真の妙案を聞いて確かにあのときはそれが最善だと思った。あの案は草彅家の体面にもいい案に思えた。…だが…それでは……)

もう一度胸を抑える。今度は自分の心臓部分を。

雄也
(分からない…この感情が分からない…。この胸からこみ上げてくる感情が………。寒い寒いよ…)

雄也
「…寒いよ。従姉おねーちゃん




             次に続く

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