女嫌いと男嫌いの勘違い青春
18.草彅賢一
真
「お、戻ってきた戻ってきた!いや〜随分長くかかったにゃ」
真
「どんな話をしてきたんだ〜?」
一、二時間目の中休み時間主に教室移動をしたり次の授業の準備、予習などを行う時間だ。
理事長室から帰ってきた雄也を発見した真は足早に駆け寄ってきて、先程の事の顛末(婚約の話だけ)を聞いた。
真
「それは…大変なことになったにゃ〜」
雄也
「ああ。大変なんてもんじゃない。たく、あのクソ爺もなに勝手に承諾してんだよ」
今の雄也はかなり機嫌が悪い。ただでさえ女が嫌いなのにさらには、自分の知らないところで婚約という話まででてきたのだ。
これで怒らないやつはホモだ。
真
「あーそれそれ。賢一さんがお前の嫌がる事するなんてなー。………想像できない」
真からでた、じいちゃんの名前。それで雄也もおかしな事に気がついた。
雄也
「ああ…。気持ち悪いことに、あの爺…俺ラブだから…基本的に俺の嫌がることはしないんだけどな」
ここで雄也は自分のじいちゃんの事について考えた。
雄也のお爺ちゃんである草彅賢一はその道で知らぬものがいないとまでに言われた伝説的な人なのだ。
草彅家は普段、軍事的政治についての政治職務を真っ当している。と同時に草彅家はこの国最古の神社でもある。
この草彅神社は最古の神社ということもあって夏祭りの時や、正月などには全国各地から参拝者がやってくる。
草彅神社はその祭りの中で藁人形を切ったりその場で刀を振るう、『剣舞』を披露するという伝統がある。
その剣舞の際にみせる精錬された剣技、絶対的存在感によりついた草彅賢一の二つ名は『鬼神』。
しかし、その鬼神とまで言われた草彅賢一にも弱点がある。
そう、それが雄也だ。
なんと草彅賢一は孫にあたる雄也には、これでもかというほどに激甘なのだ。
過去に「おじいちゃんことなんか嫌い」と雄也が言ったときには、仕事そっちのけで自室に籠もり三日間泣いていたという…。
昨日も家に帰ってくるのが遅いというだけで、雄也と親友でもあり顔馴染みである真に電話をかけた。
草彅賢一にとって雄也が絶対であり全てだ。
だからこそ疑問が残る。
そんな男が雄也の嫌なことをするとは思えない。
それも婚約者だなんて雄也にとってこれ以上ないほどの苦痛だ。
無論賢一は雄也の女嫌いも、さらにその理由も知る数少ない理解者だ。
訳があるに違いない。そう二人は考えた。
真
「なんか最近…、昨日とか朝とか変わった様子なかったのかー?」
真に最近の爺の様子を聞かれ、考えてみると…
雄也
「昨日…朝…。そういえば見てないな…」
真
「なにをだ?」
雄也
「いや、だから、爺をだ。昨日家に帰ってきたときには暗かったし…。いつもなら起こしに来てくれて。俺と一緒に飯食べるのに…。今日の朝は見てない」
ちなみに草彅家の飯は雄也が作ってる。
賢一いわく
『朝、夜雄也のご飯を食べないと私の一日は始まらない!終わらない!』らしい…。
真
「…なんで今まで気づかなかったんだよ?」
雄也
「…俺も朝は色々と考え事してたんだよ」
真
「まぁー、確かに朝のお前変だったからなー」
雄也
「まぁー、でもこれで爺も黒だな」
真
「状況から見るになんかあるだろうねー。実際のとこ聞いて見ないとわかんないけ〜ど」
雄也
「まぁー、その確認は家でするとして。今は目先の事を考えよう」
真
「放課後ねー」
雄也
「そうだ」
真
「でも、何か策があるんでしょ?」
真は雄也の方を見つめて「大丈夫なんだろ?」と目で訴えかけてくる。
雄也
「…正解だ。なんで分かった?」
真
「だって口で言う割には焦りとか一切感じないからねー」
どうやらウチの親友は、よく俺の事をわかっているらしい。
雄也
「ふ、真には敵わないな…。ああ、安心しろ。ただではやられねーよ」
そういって自分の胸を叩き細く微笑む雄也。その顔はイタズラを考える子供の様な顔だ。
真
「うわー、雄也のその顔久々に見た。悪い顔してるにゃー」
そういう、真にも自然と笑みが溢れる。
キーンコーンカーンコーンー
と、会話もそこそこに次の授業の為に席に戻る二人。
このとき雄也はあの学園長に婚約を解消させるためのビジョンが見えていた。
しかし、まだ知らない。
相手は自分より一枚も二枚も上手だということを…
次に続く
「お、戻ってきた戻ってきた!いや〜随分長くかかったにゃ」
真
「どんな話をしてきたんだ〜?」
一、二時間目の中休み時間主に教室移動をしたり次の授業の準備、予習などを行う時間だ。
理事長室から帰ってきた雄也を発見した真は足早に駆け寄ってきて、先程の事の顛末(婚約の話だけ)を聞いた。
真
「それは…大変なことになったにゃ〜」
雄也
「ああ。大変なんてもんじゃない。たく、あのクソ爺もなに勝手に承諾してんだよ」
今の雄也はかなり機嫌が悪い。ただでさえ女が嫌いなのにさらには、自分の知らないところで婚約という話まででてきたのだ。
これで怒らないやつはホモだ。
真
「あーそれそれ。賢一さんがお前の嫌がる事するなんてなー。………想像できない」
真からでた、じいちゃんの名前。それで雄也もおかしな事に気がついた。
雄也
「ああ…。気持ち悪いことに、あの爺…俺ラブだから…基本的に俺の嫌がることはしないんだけどな」
ここで雄也は自分のじいちゃんの事について考えた。
雄也のお爺ちゃんである草彅賢一はその道で知らぬものがいないとまでに言われた伝説的な人なのだ。
草彅家は普段、軍事的政治についての政治職務を真っ当している。と同時に草彅家はこの国最古の神社でもある。
この草彅神社は最古の神社ということもあって夏祭りの時や、正月などには全国各地から参拝者がやってくる。
草彅神社はその祭りの中で藁人形を切ったりその場で刀を振るう、『剣舞』を披露するという伝統がある。
その剣舞の際にみせる精錬された剣技、絶対的存在感によりついた草彅賢一の二つ名は『鬼神』。
しかし、その鬼神とまで言われた草彅賢一にも弱点がある。
そう、それが雄也だ。
なんと草彅賢一は孫にあたる雄也には、これでもかというほどに激甘なのだ。
過去に「おじいちゃんことなんか嫌い」と雄也が言ったときには、仕事そっちのけで自室に籠もり三日間泣いていたという…。
昨日も家に帰ってくるのが遅いというだけで、雄也と親友でもあり顔馴染みである真に電話をかけた。
草彅賢一にとって雄也が絶対であり全てだ。
だからこそ疑問が残る。
そんな男が雄也の嫌なことをするとは思えない。
それも婚約者だなんて雄也にとってこれ以上ないほどの苦痛だ。
無論賢一は雄也の女嫌いも、さらにその理由も知る数少ない理解者だ。
訳があるに違いない。そう二人は考えた。
真
「なんか最近…、昨日とか朝とか変わった様子なかったのかー?」
真に最近の爺の様子を聞かれ、考えてみると…
雄也
「昨日…朝…。そういえば見てないな…」
真
「なにをだ?」
雄也
「いや、だから、爺をだ。昨日家に帰ってきたときには暗かったし…。いつもなら起こしに来てくれて。俺と一緒に飯食べるのに…。今日の朝は見てない」
ちなみに草彅家の飯は雄也が作ってる。
賢一いわく
『朝、夜雄也のご飯を食べないと私の一日は始まらない!終わらない!』らしい…。
真
「…なんで今まで気づかなかったんだよ?」
雄也
「…俺も朝は色々と考え事してたんだよ」
真
「まぁー、確かに朝のお前変だったからなー」
雄也
「まぁー、でもこれで爺も黒だな」
真
「状況から見るになんかあるだろうねー。実際のとこ聞いて見ないとわかんないけ〜ど」
雄也
「まぁー、その確認は家でするとして。今は目先の事を考えよう」
真
「放課後ねー」
雄也
「そうだ」
真
「でも、何か策があるんでしょ?」
真は雄也の方を見つめて「大丈夫なんだろ?」と目で訴えかけてくる。
雄也
「…正解だ。なんで分かった?」
真
「だって口で言う割には焦りとか一切感じないからねー」
どうやらウチの親友は、よく俺の事をわかっているらしい。
雄也
「ふ、真には敵わないな…。ああ、安心しろ。ただではやられねーよ」
そういって自分の胸を叩き細く微笑む雄也。その顔はイタズラを考える子供の様な顔だ。
真
「うわー、雄也のその顔久々に見た。悪い顔してるにゃー」
そういう、真にも自然と笑みが溢れる。
キーンコーンカーンコーンー
と、会話もそこそこに次の授業の為に席に戻る二人。
このとき雄也はあの学園長に婚約を解消させるためのビジョンが見えていた。
しかし、まだ知らない。
相手は自分より一枚も二枚も上手だということを…
次に続く
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