学生騎士と恋物語《パンドラボックス》
第18話 契約魔獣
審判の声と同時に蛍は跳びだ出す。
一歩目がデカイ。間に合うか?亜紀斗は蛍が近づくギリギリのラインで刀を構える。鞘から抜かずに。
『おっ〜と月影選手、鞘から刀を抜かないぞー!?』
「鞘から抜けよ!」
「舐めてんのか!?」
周りから罵声が飛んで来る。
♪
「すごい言われようだな」
「そう?これが普通の反応じゃ無いの?」
周りから罵声が飛ぶ中、現生徒会長東元瞳(とうげんひとみ)とシンは笑いながら亜紀斗の構えに指をさしす。
「中々面白い構えだし、やり方もいいと思うよ。昔の会長と同じで」
「まぁね。でも、こんな面白いやり方をするのは学園でもあの子だけよ?」
「それが良いんじゃない?誰もしない事をやりのけてしまう」
「そうね。今年は面白い子がいて良かった」
「だね」
会話が終わると二人は試合を観戦する。ただの生徒として。
♪
こいつの意図が全く読めない!!
亜紀斗がしてる行為は明らかに挑発行為。この先…何か仕掛けがある。
蛍はそう確信し、二歩目は一歩目より小さく踏み込む。
が、踏み込んだ瞬間蛍は目を疑う光景を目にする。
それは、二歩目を踏み込んだ時に亜紀斗が蛍の間合いまで詰めてきたのだ。
蛍は急いで踏み込んだ足にブレーキをかける。
ブレーキをかけた時には亜紀斗は鞘から刀を抜き斬りかかる。刃は蛍の顔まで迫って来る。
身体をずらし、攻撃を避けるが二撃目が来る。
蛍は太刀で受け止め流そうとするが、思った以上に力が強く流せない。
「くっ…流せない」
「だろうな。攻撃ばかり極めて受け流しなんかロクにしてないだろ?」
「…」
亜紀斗からそんな事を言われ、蛍は黙り込む。
やはりな。月野流は攻撃に力を入れ過ぎて受け流しおろか守りもロクに練習すらしていない。それが月野流の弱点。それにこの勝負はもう貰った。
「それにしても…受けたな俺の攻撃」
亜紀斗は薄っすらと笑う。
蛍も何かに気づき横を見ようとするが、その前に腹に強い衝撃が走る。
十数メートル吹き飛ばされ、急いで立ち上がろうとするが身体が言うことを聞かない。
「良くやったリリー。作戦通りだ」
「成功して良かったなカゲっ子。正直成功するとは思ってもいなかったぞ」
蛍の目の前には頭に角を生やし、背中には小さな羽根。そして可愛い見た目と裏腹にデカくてゴッツイ尻尾。まるで怪獣並みの尻尾だ。
「魔獣…やられた!」
握り拳を作り、地面を叩く。
「そうだ。こいつの名はリリス。階級はモンスタークラスだ」
リリの頭をわしゃわしゃしながら説明すると、リリは亜紀斗の手を振りほどく。
「人の頭をわしゃわしゃするな!せっかくのセットが台無しになる」
「悪い」
リリはもう。と怒ると櫛で髪を梳かす。
「さてと。で、どうする?多分リリのことだから力任せにやったと思うから肋の二、三本は折れてるだろう」
モンスタークラスはノーマルクラスよりも強い。その中でもリリの力はモンスタークラスの中でも一番だ。が、ちょっとだけお馬鹿だから言われた事を直ぐに忘れてしまうし、言う事をロクに聞かない。けど今日は運が良かったみたいだ。
「そう…肋ねけど貴方は何も分かっていない」
「何がだ?」
フフフと笑うと蛍はゆっくりと立ち上がる。
リリのパンチをマトモに食らって立ち上がるのか。案外タフな身体だな。
「見せてあげる、私の固有スキル。スキル発動終わらない道」
一歩目がデカイ。間に合うか?亜紀斗は蛍が近づくギリギリのラインで刀を構える。鞘から抜かずに。
『おっ〜と月影選手、鞘から刀を抜かないぞー!?』
「鞘から抜けよ!」
「舐めてんのか!?」
周りから罵声が飛んで来る。
♪
「すごい言われようだな」
「そう?これが普通の反応じゃ無いの?」
周りから罵声が飛ぶ中、現生徒会長東元瞳(とうげんひとみ)とシンは笑いながら亜紀斗の構えに指をさしす。
「中々面白い構えだし、やり方もいいと思うよ。昔の会長と同じで」
「まぁね。でも、こんな面白いやり方をするのは学園でもあの子だけよ?」
「それが良いんじゃない?誰もしない事をやりのけてしまう」
「そうね。今年は面白い子がいて良かった」
「だね」
会話が終わると二人は試合を観戦する。ただの生徒として。
♪
こいつの意図が全く読めない!!
亜紀斗がしてる行為は明らかに挑発行為。この先…何か仕掛けがある。
蛍はそう確信し、二歩目は一歩目より小さく踏み込む。
が、踏み込んだ瞬間蛍は目を疑う光景を目にする。
それは、二歩目を踏み込んだ時に亜紀斗が蛍の間合いまで詰めてきたのだ。
蛍は急いで踏み込んだ足にブレーキをかける。
ブレーキをかけた時には亜紀斗は鞘から刀を抜き斬りかかる。刃は蛍の顔まで迫って来る。
身体をずらし、攻撃を避けるが二撃目が来る。
蛍は太刀で受け止め流そうとするが、思った以上に力が強く流せない。
「くっ…流せない」
「だろうな。攻撃ばかり極めて受け流しなんかロクにしてないだろ?」
「…」
亜紀斗からそんな事を言われ、蛍は黙り込む。
やはりな。月野流は攻撃に力を入れ過ぎて受け流しおろか守りもロクに練習すらしていない。それが月野流の弱点。それにこの勝負はもう貰った。
「それにしても…受けたな俺の攻撃」
亜紀斗は薄っすらと笑う。
蛍も何かに気づき横を見ようとするが、その前に腹に強い衝撃が走る。
十数メートル吹き飛ばされ、急いで立ち上がろうとするが身体が言うことを聞かない。
「良くやったリリー。作戦通りだ」
「成功して良かったなカゲっ子。正直成功するとは思ってもいなかったぞ」
蛍の目の前には頭に角を生やし、背中には小さな羽根。そして可愛い見た目と裏腹にデカくてゴッツイ尻尾。まるで怪獣並みの尻尾だ。
「魔獣…やられた!」
握り拳を作り、地面を叩く。
「そうだ。こいつの名はリリス。階級はモンスタークラスだ」
リリの頭をわしゃわしゃしながら説明すると、リリは亜紀斗の手を振りほどく。
「人の頭をわしゃわしゃするな!せっかくのセットが台無しになる」
「悪い」
リリはもう。と怒ると櫛で髪を梳かす。
「さてと。で、どうする?多分リリのことだから力任せにやったと思うから肋の二、三本は折れてるだろう」
モンスタークラスはノーマルクラスよりも強い。その中でもリリの力はモンスタークラスの中でも一番だ。が、ちょっとだけお馬鹿だから言われた事を直ぐに忘れてしまうし、言う事をロクに聞かない。けど今日は運が良かったみたいだ。
「そう…肋ねけど貴方は何も分かっていない」
「何がだ?」
フフフと笑うと蛍はゆっくりと立ち上がる。
リリのパンチをマトモに食らって立ち上がるのか。案外タフな身体だな。
「見せてあげる、私の固有スキル。スキル発動終わらない道」
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