ひねくれマイロード
十八
先程吹き飛ばされた際に、蛇腹剣は吹き飛んで武闘場の床に突き刺さってしまった。
その事を知り、悲鳴をあげている体を無理矢理動かし、取りに行こうとする。
だが、その行動は当然許されなく、トートが武器を先に拾ってしまう。
「さて、武器もなくなった。そのボロボロの体では呪術も使えない。…降参するんだ。」
「断る。まだ、負けてはいない。」
「…だとしたら、僕は君を更に攻撃することになるよ?」
「その前に勝つ。それだけだ。」
(正直、次、攻撃を食らえば、そのまま倒れる自身がある。
正直、ここから巻き返せる気はしない。
だが、なんだ?腹の痛みがどんどん引いていく。思考も、いつもと同じ。精神はパニックにもなってない…これは!)
『SKILL:健康体
身体及び精神に異常状態が起らない。』
『SKILL:健康体、掌握しました。』
まだ聞き慣れない脳内アナウンスがクリアーな思考にパズルのピースを一欠片付け足す。
『SKILL一覧及び称号一覧の掌握完了。これより、未開放のSKILLを把握できます。
この世界のシステムの掌握完了。これより、武芸者と健康体の合成に入ります。
…SKILL合成成功、原初武神へ昇華。
続いて、トッコウを受けたことにより制限解除、トッコウの使用が可能となりました。
称号:現人神、覚醒者を手に入れました。同時に掌握。』
全てのアナウンスが瞬き程の時間で流れ、しかしコウメイにとっては数十分に感じられた。
「うっ…」
突如として脳に流れ込んだ多大な情報に流石のコウメイも苦悶の表情を浮かべるが、すぐに治る。
その瞬間。トートが一気に迫り攻撃を仕掛けてきた。
だが…
「あまり、舐めるなよ…」
濃密な殺気を、呪力と共に発する。
その瞬間、一瞬で後ろに跳んでしまったトートを、
「縮地」
追い越すかと思えるスピードで間合いを詰め、
「六掌」
六掌:掌底、裏拳、手刀、正拳、指突、発勁。
すべてを腹に容赦なく打ち込む。それは、貫かれているコウメイの腹の痛みを与えているように。
「ごはぁ!」
唾液が飛び散り、吹き飛び数回地面を転がり、ようやく止まる。
「「「うおおを!」」」
観衆の雄叫びが武闘場を揺らす。急展開に驚き口を開けてポカンとしているクラスメイトが目に映る。その中では、マオが微笑んでくれている。
(そうだな、マオのお陰だ。)
「なぁ、トート。」
「くぅ…」
苦しそうに腹を抑えながら、コウメイを顔を上げて見るトートに。
「お前の奥の手から伝わったよ。お前の勝利への執念。」
「ぅう?」
(だから俺は。)
「降参しろ。でないと、トラウマになるぞ。」
冷ややかな目線を向け、宣言する。
これから起こる事は、残虐で無慈悲なものだと。
「やだね。」
不敵に笑って、だが断る、と。
「そうか。」
目を閉じ、冥福を祈るように唱える。
『マーヤー』
その事を知り、悲鳴をあげている体を無理矢理動かし、取りに行こうとする。
だが、その行動は当然許されなく、トートが武器を先に拾ってしまう。
「さて、武器もなくなった。そのボロボロの体では呪術も使えない。…降参するんだ。」
「断る。まだ、負けてはいない。」
「…だとしたら、僕は君を更に攻撃することになるよ?」
「その前に勝つ。それだけだ。」
(正直、次、攻撃を食らえば、そのまま倒れる自身がある。
正直、ここから巻き返せる気はしない。
だが、なんだ?腹の痛みがどんどん引いていく。思考も、いつもと同じ。精神はパニックにもなってない…これは!)
『SKILL:健康体
身体及び精神に異常状態が起らない。』
『SKILL:健康体、掌握しました。』
まだ聞き慣れない脳内アナウンスがクリアーな思考にパズルのピースを一欠片付け足す。
『SKILL一覧及び称号一覧の掌握完了。これより、未開放のSKILLを把握できます。
この世界のシステムの掌握完了。これより、武芸者と健康体の合成に入ります。
…SKILL合成成功、原初武神へ昇華。
続いて、トッコウを受けたことにより制限解除、トッコウの使用が可能となりました。
称号:現人神、覚醒者を手に入れました。同時に掌握。』
全てのアナウンスが瞬き程の時間で流れ、しかしコウメイにとっては数十分に感じられた。
「うっ…」
突如として脳に流れ込んだ多大な情報に流石のコウメイも苦悶の表情を浮かべるが、すぐに治る。
その瞬間。トートが一気に迫り攻撃を仕掛けてきた。
だが…
「あまり、舐めるなよ…」
濃密な殺気を、呪力と共に発する。
その瞬間、一瞬で後ろに跳んでしまったトートを、
「縮地」
追い越すかと思えるスピードで間合いを詰め、
「六掌」
六掌:掌底、裏拳、手刀、正拳、指突、発勁。
すべてを腹に容赦なく打ち込む。それは、貫かれているコウメイの腹の痛みを与えているように。
「ごはぁ!」
唾液が飛び散り、吹き飛び数回地面を転がり、ようやく止まる。
「「「うおおを!」」」
観衆の雄叫びが武闘場を揺らす。急展開に驚き口を開けてポカンとしているクラスメイトが目に映る。その中では、マオが微笑んでくれている。
(そうだな、マオのお陰だ。)
「なぁ、トート。」
「くぅ…」
苦しそうに腹を抑えながら、コウメイを顔を上げて見るトートに。
「お前の奥の手から伝わったよ。お前の勝利への執念。」
「ぅう?」
(だから俺は。)
「降参しろ。でないと、トラウマになるぞ。」
冷ややかな目線を向け、宣言する。
これから起こる事は、残虐で無慈悲なものだと。
「やだね。」
不敵に笑って、だが断る、と。
「そうか。」
目を閉じ、冥福を祈るように唱える。
『マーヤー』
コメント