ひねくれマイロード
十三
「やぁ、諸君。まずは入学おめでとう。先程のあいさつは驚いたと思われる。なにせ、毎年の恒例行事で、止める者がいないものでな。」
そこで、一旦口を閉じ、先程までの柔和な笑顔が消える。
「この学園の生徒会は、いわば象徴。ときには軍の一個中隊程の働きを任される事もあるのだが、その生徒会に入るにはもちろん条件がある。それはこの学園の中で、長所と呼べる物。それがトップクラスであること。実力を決めるのは私達、生徒会だ。そして、それ以外にも強制的に生徒会に入ってもらう事もある。この場合拒否権は無い。なぜならこの学園の為に、この生徒会に入ってもらうのだから、拒否権は無いのが当然。」
一拍。
「以上で生徒会についての話は終わりだ。ちなみに、後で私に呼ばれた者は、生徒会室に放課後来る事。早速任務だ。ついでに、この入学式を閉会する。」
かくして入学式は終わった。
コウメイの教室は1ー3。同じクラスになった仲間はいない(科目や難易度が違うので)。
そのクラスのメンバーは約十名。そして、その中に早速、コウメイは親友を見つける事ができた。
「ゲント、久しいな!」
転生する前の一年前に会ったのが最後。にも関わらず、ゆっくりと歩いて、しかし楽しげな足取りで近づく。
一瞬、学園の校長と目があったのは、気のせいだったのか。いや、そんな筈は無い。
先程、生徒会長がこちらを見て任務、と言ったのと関係があるんだろう。おそらく校長が指名したんだ。
ああ、また騒動に巻き込まれていくのか〜、と。椅子に深く座り込んだその直後、昨日助けたエルフのラミが話し掛けてくる。
「ねえ、ゲント。生徒会に入ってみようよ!楽しそうじゃない?」
「う〜ん、どうしようかなぁ。」
その直後だった。久しく聞く声に涙は出ないが、感嘆の声は出る。やはり居たかと。自身の予想を必ず裏切らず。
「ゲント、久しいな!」
「その声、コウメイだな?」
コウメイと同じ黒髪、そして百八十はある身長。
コウメイよりも整ったその顔。瞳は茶色。
筋肉質だが痩せている、いわゆる細マッチョ。
名はゲント。コウメイの唯一無二にして最高の親友。心優しく、しかし勝負事を好む貪欲な性格をしている。
「いや〜、お前が居なかったらどうしようかな〜って、考えていた所でさぁ。やっぱ、この学園しか無いよな?」
「嘘付け。どうせゲントの事だ。偶然この学園に来やがったな!それより、またトラブル、いやこの場合はテンプレに巻き込まれたな。これで賭けは俺の勝ちだな。」
「くぅ、またコウメイに負けるとは。やっぱそんなに俺、頭良くねぇなあ。」
「残念。俺の頭脳に勝てると思うなよ?」
二人は大きく笑った。転生する前と変わらないように話し、変わらない様に笑う。そんな日常が、また味わえる事にコウメイは喜びを。ゲントは嬉しみを感じていたところで。
「コウメイって言ったっけ。あんた、何なの?」
ラミが話に割り込んでくる。
そこで、一旦口を閉じ、先程までの柔和な笑顔が消える。
「この学園の生徒会は、いわば象徴。ときには軍の一個中隊程の働きを任される事もあるのだが、その生徒会に入るにはもちろん条件がある。それはこの学園の中で、長所と呼べる物。それがトップクラスであること。実力を決めるのは私達、生徒会だ。そして、それ以外にも強制的に生徒会に入ってもらう事もある。この場合拒否権は無い。なぜならこの学園の為に、この生徒会に入ってもらうのだから、拒否権は無いのが当然。」
一拍。
「以上で生徒会についての話は終わりだ。ちなみに、後で私に呼ばれた者は、生徒会室に放課後来る事。早速任務だ。ついでに、この入学式を閉会する。」
かくして入学式は終わった。
コウメイの教室は1ー3。同じクラスになった仲間はいない(科目や難易度が違うので)。
そのクラスのメンバーは約十名。そして、その中に早速、コウメイは親友を見つける事ができた。
「ゲント、久しいな!」
転生する前の一年前に会ったのが最後。にも関わらず、ゆっくりと歩いて、しかし楽しげな足取りで近づく。
一瞬、学園の校長と目があったのは、気のせいだったのか。いや、そんな筈は無い。
先程、生徒会長がこちらを見て任務、と言ったのと関係があるんだろう。おそらく校長が指名したんだ。
ああ、また騒動に巻き込まれていくのか〜、と。椅子に深く座り込んだその直後、昨日助けたエルフのラミが話し掛けてくる。
「ねえ、ゲント。生徒会に入ってみようよ!楽しそうじゃない?」
「う〜ん、どうしようかなぁ。」
その直後だった。久しく聞く声に涙は出ないが、感嘆の声は出る。やはり居たかと。自身の予想を必ず裏切らず。
「ゲント、久しいな!」
「その声、コウメイだな?」
コウメイと同じ黒髪、そして百八十はある身長。
コウメイよりも整ったその顔。瞳は茶色。
筋肉質だが痩せている、いわゆる細マッチョ。
名はゲント。コウメイの唯一無二にして最高の親友。心優しく、しかし勝負事を好む貪欲な性格をしている。
「いや〜、お前が居なかったらどうしようかな〜って、考えていた所でさぁ。やっぱ、この学園しか無いよな?」
「嘘付け。どうせゲントの事だ。偶然この学園に来やがったな!それより、またトラブル、いやこの場合はテンプレに巻き込まれたな。これで賭けは俺の勝ちだな。」
「くぅ、またコウメイに負けるとは。やっぱそんなに俺、頭良くねぇなあ。」
「残念。俺の頭脳に勝てると思うなよ?」
二人は大きく笑った。転生する前と変わらないように話し、変わらない様に笑う。そんな日常が、また味わえる事にコウメイは喜びを。ゲントは嬉しみを感じていたところで。
「コウメイって言ったっけ。あんた、何なの?」
ラミが話に割り込んでくる。
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