ひねくれマイロード
三
「SKILL、確認するから、ちょっと待ってくれるか?」
「うん。」
参加料を払う前に、自身のSKILLを確認する。
コウメイ:人間
SKILL:言語習得
特典、必ず貰える。全ての言語習得。
武芸者
ありとあらゆる武術を修められる。
並列思考
同時に違う観点へと考えられる。しかし、自身の元々の能力を上回る事は出来ない。
掌握
様々な物事を掌握出来る。物事の種類に制限はない。
探索術
自身の探し求める物事が何処にあるのかを知覚出来る。
(なかなか癖のある、しかしながら使い勝手のいいSKILLばかりだ。決め手に欠けるのが残念ではあるが、これからも増やせるし、まあいいか。)
『SKILL表の確認により、SKILLを全て掌握』
突如として脳内に流れ込むアナウンス。この声を聞き、新たに、SKILLには条件を満たさないと発動しないものがあることに気づく。
「よし、3000円だ。」
なお、お金はマオから借りている。
お金を受け取り、受付の男が了承の意で頷く。
「あいよ、リングに入んな。」
『さぁ、続いての挑戦者は、コウメイだあ〜!!』
対する相手は、体格が二回り以上大きく、鍛え上げられた筋肉が激しく自己主張している男、いや漢である。
「さぁ、かかってきなボウズ。」
「お言葉に甘えてまずは準備運動かな…」
脳内でスイッチが入る。視界がより鮮明になる。トクンと脈打つ心の臓器が、血を通わせ熱を身体に送るのを感じる。
切り替えをすばやく済ませ、挨拶代わりの右ストレート。
みぞおちを狙って放たれた拳を、驚きながらも膝で蹴り返そうと男は動く。
その筋肉と視線の僅かな動きの隙間、そこを縫って拳を引き下げ、膝を躱して足を踏み出す。
1歩遅れて相手の膝が胸先まで届いた後、踏み込んだその足を軸に、相手の軸脚をローキック。
これをもろに受け、倒れ込む男は、その拳に体重を乗せて殴り込む。
が、その拳を巻き付いて締め付ける様に、腕をヘビの様に動かし、関節を破壊する。
受け身が取れないまま男が意識を失って倒れ込む。
「あ、ああ、」
「さて、判定を頼むよ。」
「!」
一瞬の間をおいて、審判は目を見開きながら。
「勝者、コウメイ!」
(なんだか、拍子抜けな強さだったな…)
空が盛り上がる歓声の様に色づいていく。マオと、屋敷へ向かう最中、今まで気づかなかったある事に気が付く。
「なあマオ、入学するのに試験はいらないのか?」
「入学金を払えば、後は誰でも入れるし、いつでも辞められるんだ。ただ、辞めたら二度入学する事は出来なくて、お金だけでいいのは、冒険者システムが大陸会によって運営されているから、それで稼げばいいって話。貴族ならあらかじめ教育は受けているし、一般人だとしても、冒険者で入学金程度は稼げないと、ということ。」
「うん?貴族なら、ということは…」
「ああ、お金は先に払っといたよ。でも、さっきコウメイが、あんなにいい物件手に入れたから、返さなくていいよ!むしろボクが得してるから!」
「そうか、ありがとな。」
「いやいやぁ、いいんだよ〜?もっと褒めてくれてもさぁ?」
最後のセリフをさらりと受け流し、そのまま進んでいく。
「あ、スルーしないでくれ、って、待ってよー!」
見慣れない黒髪の少年を、ブロンドショートカットの女の子が走って追いかけるその背中を、不思議そうに見る町の人々だった。
コウメイ
体重 65キロ
身長 171センチ
備考 冷静沈着・女好き
マオ
体重 秘密
身長 158センチ
備考 ボーイッシュ・素直・抜け目ない
「うん。」
参加料を払う前に、自身のSKILLを確認する。
コウメイ:人間
SKILL:言語習得
特典、必ず貰える。全ての言語習得。
武芸者
ありとあらゆる武術を修められる。
並列思考
同時に違う観点へと考えられる。しかし、自身の元々の能力を上回る事は出来ない。
掌握
様々な物事を掌握出来る。物事の種類に制限はない。
探索術
自身の探し求める物事が何処にあるのかを知覚出来る。
(なかなか癖のある、しかしながら使い勝手のいいSKILLばかりだ。決め手に欠けるのが残念ではあるが、これからも増やせるし、まあいいか。)
『SKILL表の確認により、SKILLを全て掌握』
突如として脳内に流れ込むアナウンス。この声を聞き、新たに、SKILLには条件を満たさないと発動しないものがあることに気づく。
「よし、3000円だ。」
なお、お金はマオから借りている。
お金を受け取り、受付の男が了承の意で頷く。
「あいよ、リングに入んな。」
『さぁ、続いての挑戦者は、コウメイだあ〜!!』
対する相手は、体格が二回り以上大きく、鍛え上げられた筋肉が激しく自己主張している男、いや漢である。
「さぁ、かかってきなボウズ。」
「お言葉に甘えてまずは準備運動かな…」
脳内でスイッチが入る。視界がより鮮明になる。トクンと脈打つ心の臓器が、血を通わせ熱を身体に送るのを感じる。
切り替えをすばやく済ませ、挨拶代わりの右ストレート。
みぞおちを狙って放たれた拳を、驚きながらも膝で蹴り返そうと男は動く。
その筋肉と視線の僅かな動きの隙間、そこを縫って拳を引き下げ、膝を躱して足を踏み出す。
1歩遅れて相手の膝が胸先まで届いた後、踏み込んだその足を軸に、相手の軸脚をローキック。
これをもろに受け、倒れ込む男は、その拳に体重を乗せて殴り込む。
が、その拳を巻き付いて締め付ける様に、腕をヘビの様に動かし、関節を破壊する。
受け身が取れないまま男が意識を失って倒れ込む。
「あ、ああ、」
「さて、判定を頼むよ。」
「!」
一瞬の間をおいて、審判は目を見開きながら。
「勝者、コウメイ!」
(なんだか、拍子抜けな強さだったな…)
空が盛り上がる歓声の様に色づいていく。マオと、屋敷へ向かう最中、今まで気づかなかったある事に気が付く。
「なあマオ、入学するのに試験はいらないのか?」
「入学金を払えば、後は誰でも入れるし、いつでも辞められるんだ。ただ、辞めたら二度入学する事は出来なくて、お金だけでいいのは、冒険者システムが大陸会によって運営されているから、それで稼げばいいって話。貴族ならあらかじめ教育は受けているし、一般人だとしても、冒険者で入学金程度は稼げないと、ということ。」
「うん?貴族なら、ということは…」
「ああ、お金は先に払っといたよ。でも、さっきコウメイが、あんなにいい物件手に入れたから、返さなくていいよ!むしろボクが得してるから!」
「そうか、ありがとな。」
「いやいやぁ、いいんだよ〜?もっと褒めてくれてもさぁ?」
最後のセリフをさらりと受け流し、そのまま進んでいく。
「あ、スルーしないでくれ、って、待ってよー!」
見慣れない黒髪の少年を、ブロンドショートカットの女の子が走って追いかけるその背中を、不思議そうに見る町の人々だった。
コウメイ
体重 65キロ
身長 171センチ
備考 冷静沈着・女好き
マオ
体重 秘密
身長 158センチ
備考 ボーイッシュ・素直・抜け目ない
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