少女と異世界。
22.夜の散歩へ
一体どれだけ眠っていたのか。周りは前に起きた時のような騒がしさはなく、ただ静寂だけがあった。
目を開けると、部屋は暗く、窓からは月明かりがさしこんでいる。
「なるほど、夜だったのか」
どうりで静かなわけだ。
まだ日が昇るには時間があるみたいだな。
「さて、何しようかな…暇だな。」
そうだ、そうえばこの建物の中は歩いてなかったな。体はもう回復してるみたいだし、ちょっと探索でもして時間潰すかな。
そう思ってベッドから立ち上がると、僕は病室を出た。
病室の外はやはり暗く、電気などは無いみたいだった。
「こんな暗くしてて大丈夫なのか?ライトとか付けないのかな……」
壁伝いに廊下を進んでいくと、階段が見えた。
2階から1階に降りると、そこは受付がある程度で、特に何もない。
「外に散歩でもするか」
生まれてこのかた病院というところはちょっと苦手なんだよな……。
「はぁ、にしても、邪神の使いか……あんな奴らがいるなんてな」
そう、千夏のフルアボイドの力を使ってもギリギリの戦いだったのだ。
「あれ、マリスからはどう見えてたんだろうな」
そこであることに気づいた。
「ちょっと待てよ…?フルアボイド発動中に僕の感覚だけが超加速して周りがスローに見えるのは分かるけど…何で普通に動けるんだ?」
そう、おかしいのだ。感覚だけが加速しているのならば、千夏の動きも遅くなるはずなのだ。
「フィーユは回避するだけの能力とか言ってたはずなのに……おかしい」
「おい、そこの見かけないやつ。そんなところウロウロして、何やってんだ?」
おっと、考えながら歩いていたら前に人が来ていることに気づかなかった。
「えーと、夜の散歩ってやつかな」
とりあえず返答しておく。
この町に来た時に最初に見た門番と同じ格好をしている。ということは警備兵のようなものなのかな?
「ほぅ?夜の散歩ねぇ?ま、詳しいことはこっちで聞くから、来い。」
そう言って僕の腕を掴むとぐいぐいと引っ張られる。
「ちょ!?何で連れてこうとするんですか!?本当にただ散歩してるだけですって!」
「あぁん?何だお前、俺に逆らおうってか?」
すごい怖い。この夜の暗さも相まってめっちゃ怖い。
「あ、いや、その、はい。付いて行きます。」
そう僕が言うと、警備兵らしき男はフンっと鼻を鳴らして再び歩き始めた。ガッチリと僕の腕を掴みながら。
そして僕が連れられてきたのはやはり尋問部屋のような個室だった。
そこの椅子に座って待ってろと言われてかれこれ15分は経ってる気がする。
すると勢いよく扉が開かれたと同時に、そこからさっきの男と仲間達?が一気になだれ込んできた。
「おいお前、こいつに見覚えはねぇか?」
そして、似顔絵を一枚机に叩きつけてきた。
な……!?この顔は!?
「こいつはなぁ、いろんなとこの冒険者から金銭奪って逃亡中の奴なんだが、なんか知ってることあったら教えてくれよ」
こ、この顔は……マリスに似ているように見える…。
「い、いや、知らないな。僕、この町には来たばっかりで…」
「ふん、あくまでシラを切るつもりか」
すると一斉に囲んで来ていた男達が腰の武器に手を掛けた。
まずいな、めっちゃ怪しまれてる…。確かにマリスに似ている似顔絵だけど、あいつはそんなことするような奴じゃ無いはず……いや、自信ないけど。
さらに男達は武器を構え始めた。
しかし僕は沈黙を守る。
「はん、そもそもこの夜中に出歩く時点でおかしいよなぁ?もしかして逃げようとしてたんじゃないのかぁ?」
イラつくなぁ…この挑発してくるような感じ。
「ふん。ま、この状況でも平静保ってられてるだけ褒めてやるよ。大抵の奴はこれで吐くんだがな」
ま、僕も本当は楽になりたい所なんだけど、てか、剣先こっちに向けないでくれ…怖いから!
「ふん、まぁいい。今度怪しい行動してたら問答無用でとっちめて独房送りにしてやるからな!もう帰れ!」
そうして1時間程でやっと外に出れた…。
「はぁ、酷い目にあった……。病室に戻るか…」
クタクタになって病室に戻り、ベットにダイブ。
「あーもう、なんかさっき起きたばっかなのに……疲れた…。」
うん、もう絶対夜の散歩なんてしない。
何か自分のスキルについて考えて歩いてた気がしたんだけど……ダメだ、忘れてしまった。
もう一眠りしよ。
目を開けると、部屋は暗く、窓からは月明かりがさしこんでいる。
「なるほど、夜だったのか」
どうりで静かなわけだ。
まだ日が昇るには時間があるみたいだな。
「さて、何しようかな…暇だな。」
そうだ、そうえばこの建物の中は歩いてなかったな。体はもう回復してるみたいだし、ちょっと探索でもして時間潰すかな。
そう思ってベッドから立ち上がると、僕は病室を出た。
病室の外はやはり暗く、電気などは無いみたいだった。
「こんな暗くしてて大丈夫なのか?ライトとか付けないのかな……」
壁伝いに廊下を進んでいくと、階段が見えた。
2階から1階に降りると、そこは受付がある程度で、特に何もない。
「外に散歩でもするか」
生まれてこのかた病院というところはちょっと苦手なんだよな……。
「はぁ、にしても、邪神の使いか……あんな奴らがいるなんてな」
そう、千夏のフルアボイドの力を使ってもギリギリの戦いだったのだ。
「あれ、マリスからはどう見えてたんだろうな」
そこであることに気づいた。
「ちょっと待てよ…?フルアボイド発動中に僕の感覚だけが超加速して周りがスローに見えるのは分かるけど…何で普通に動けるんだ?」
そう、おかしいのだ。感覚だけが加速しているのならば、千夏の動きも遅くなるはずなのだ。
「フィーユは回避するだけの能力とか言ってたはずなのに……おかしい」
「おい、そこの見かけないやつ。そんなところウロウロして、何やってんだ?」
おっと、考えながら歩いていたら前に人が来ていることに気づかなかった。
「えーと、夜の散歩ってやつかな」
とりあえず返答しておく。
この町に来た時に最初に見た門番と同じ格好をしている。ということは警備兵のようなものなのかな?
「ほぅ?夜の散歩ねぇ?ま、詳しいことはこっちで聞くから、来い。」
そう言って僕の腕を掴むとぐいぐいと引っ張られる。
「ちょ!?何で連れてこうとするんですか!?本当にただ散歩してるだけですって!」
「あぁん?何だお前、俺に逆らおうってか?」
すごい怖い。この夜の暗さも相まってめっちゃ怖い。
「あ、いや、その、はい。付いて行きます。」
そう僕が言うと、警備兵らしき男はフンっと鼻を鳴らして再び歩き始めた。ガッチリと僕の腕を掴みながら。
そして僕が連れられてきたのはやはり尋問部屋のような個室だった。
そこの椅子に座って待ってろと言われてかれこれ15分は経ってる気がする。
すると勢いよく扉が開かれたと同時に、そこからさっきの男と仲間達?が一気になだれ込んできた。
「おいお前、こいつに見覚えはねぇか?」
そして、似顔絵を一枚机に叩きつけてきた。
な……!?この顔は!?
「こいつはなぁ、いろんなとこの冒険者から金銭奪って逃亡中の奴なんだが、なんか知ってることあったら教えてくれよ」
こ、この顔は……マリスに似ているように見える…。
「い、いや、知らないな。僕、この町には来たばっかりで…」
「ふん、あくまでシラを切るつもりか」
すると一斉に囲んで来ていた男達が腰の武器に手を掛けた。
まずいな、めっちゃ怪しまれてる…。確かにマリスに似ている似顔絵だけど、あいつはそんなことするような奴じゃ無いはず……いや、自信ないけど。
さらに男達は武器を構え始めた。
しかし僕は沈黙を守る。
「はん、そもそもこの夜中に出歩く時点でおかしいよなぁ?もしかして逃げようとしてたんじゃないのかぁ?」
イラつくなぁ…この挑発してくるような感じ。
「ふん。ま、この状況でも平静保ってられてるだけ褒めてやるよ。大抵の奴はこれで吐くんだがな」
ま、僕も本当は楽になりたい所なんだけど、てか、剣先こっちに向けないでくれ…怖いから!
「ふん、まぁいい。今度怪しい行動してたら問答無用でとっちめて独房送りにしてやるからな!もう帰れ!」
そうして1時間程でやっと外に出れた…。
「はぁ、酷い目にあった……。病室に戻るか…」
クタクタになって病室に戻り、ベットにダイブ。
「あーもう、なんかさっき起きたばっかなのに……疲れた…。」
うん、もう絶対夜の散歩なんてしない。
何か自分のスキルについて考えて歩いてた気がしたんだけど……ダメだ、忘れてしまった。
もう一眠りしよ。
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