異世界を救った俺は今度は家族で同じ異世界へ!?

キネロ

2話

光が収まるとそこは周りが石の壁で囲まれており、ろうそくの火だけで照らされている薄着味悪い部屋だった。だが、俺はここには見覚えがあった。なぜならここは、俺がこの世界に来た時と、地球に戻る為に使用した部屋だったからだ

「ここは、一体どこなの!?」

「落ち着け莉奈、さっきも言ったが俺達が慌ててたら子供たちが心配するだろ」

「お兄・・・ここはどこなんだろう?」

やはり家族全員少しパニック状態になっているみたいだ。だがそれもそうだ。いつも通り家族全員で食事をとっていたら突如、足元に見覚えのない模様が現れ気づいたら見たことないところにいるのだから。だが俺はそれよりも気になることがある

(なぜ俺たちはミストレアに召喚されたんだ?また何か起きようとしているのか?)

「お兄?」

(そもそも、俺だけじゃなくなぜ家族全員なんだ?)

「ちょっとお兄ってば!」

「わ、悪い聖羅、少し考え事してた」

「ちょっと、しっかりしてよ!」

聖羅に呼ばれ考えるのをやめた俺は、父さんと母さんの元へ向かった

「父さん、母さん大丈夫か?」

「玲斗、えぇ私と総吾さんは大丈夫よ」

「それより、お前は大丈夫なのか?随分と冷静だが」

「あぁ、大丈夫だよ、俺が冷静じゃないと聖羅が心配するだろ?」

「しっかりしてるんだな、玲斗は」

父さんはそう言って少し笑った

そんな時、ふと部屋の向こうから誰かが来る気配がし、俺は咄嗟にその方向を向いた

「誰だ!」

「ちょっとお兄!?どうしたの!?」

気配がした方に呼びかけると、そこからは見覚えのある人が出てきた

「すまんなレイト殿、またそなたをこの世界に呼んでしまって、なんと詫びればいいか・・・」

「アルス国王・・・」

そこにはミストレアの国の1つ、グラン王国の国王であるアルス・フォン・グラン国王がいた

「「「・・・・・・・・・誰?」」」

「この方はグラン王国の国王アルス・フォン・グラン国王で俺がお世話になった方でもあるんだ」

「お世話になったって、どういうことだ?玲斗」

「それはまたあとで話すよ、父さん」

俺は家族にこの世界でのことを話していない、話すときっと混乱して心配させると思ったから。でも流石に話さないわけにはいかなくなった、今日の夜でも話すか

「それではレイト殿、それとご家族の方々、ついてきてくれ」

そう言って俺たちはアルス国王について行った



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



俺たちはアルス国王について行って玉座の間にいる

「この度はこのようなことになってしまってすまない。私はこの国、グラン王国の国王でアルス・フォン・グランと言う」

「えぇと、私は神斬 総吾と言います。隣にいるのは私の妻の神斬 莉奈、娘の聖羅、息子の玲斗です」

「レイト殿のことはよく知っている」

「はぁ・・・」

不思議に思ったのか、父さんと母さん、あと聖羅がこっちを見ている。そりゃ俺のことを国王さんがよく知ってるなんておかしいもんな・・・

「それより国王様」

「やめんかその呼び方、以前のようでいい」

「じゃーアルスさん、なんでまた俺を呼んだんだ?」

「ちょっと玲斗!?国王様になんて呼び方してるの!?」

そう言って母さんは俺の頭に拳を振り落とした

「痛っ!ちょっと母さん!そんな強くしなくてもいいだろ!?」

「あなたが国王様をそんな呼び方するからよ!」

「2人ともやめんか!仮にも国王様の前だぞ」

「よい、してレイト殿。何故まだそなたを呼んだかだが魔王が復活しようとしておる」

「なんだと、どういうことだ・・・・・・」

魔王は確かにあの時倒したはずだ。なのに復活しようとしているってどういうことだ

「ちょっとお兄、魔王ってどういうこと?」

「あぁ、そのことに関しては全部夜に話すよ」

「きちんと話してくれるのね」

「あぁ、全部話すよ。それよりアルスさん、魔王が復活しようとしているってどういうことなんだ?」

「最近、ゼルスト魔国の魔物達が活発してきておってな、疑問に思った我が国は調査隊を派遣し、魔物達の活発の原因を調べに向かった。そこで調査隊は見たそうだ」

「一体何を見たんだ」

「そなたと魔王が戦った魔王城が復活しており、そこに多くの魔物達が潜んでいたところを」

「本当なのかそれは・・・」

「本当だ、事実そこには魔人もおり、かつてそなたが倒した四天王もいたそうだ」

「んな馬鹿な・・・」

四天王とは魔王の側近にして最強の部下のことであり、俺もかなり苦戦し、何とか勝てた奴らだ。そいつらが復活しているとすると、魔王が復活しようとしていることは本当なのかもしれないな

「あのすいません、ひとつお聞きしたいことがあるのですがよろしいでしょうか」

今までの話に疑問を抱いたのか、母さんがアルスさんに話しかけた。これはまずい

「なんだリナ殿?」

「.さっきから聞いてれば、玲斗と魔王が戦ったとか玲斗と四天王が戦って玲斗が倒したとか仰ってますが、どういうことなんですか?」

やっぱり聞くよな、そりゃ自分の息子が魔王やら四天王と戦って倒したとか聞けば、嫌でも気になるよな

「なんだ、話しておらんのかレイト殿」

「当たり前だ、話したら家族全員大パニックになるだろうが」

「それもそうじゃがな、リナ殿実はレイト殿はな、この国を魔王の手から救った我が国の勇者なのだよ」

「玲斗「お兄」が勇者ぁぁぁぁーーーー!?」

案の定家族全員大パニックである。そんなところにもうひとつパニックの種が扉を強く開けやってきた

「レイト様!」

「ミレーネ姫!?」

そこには綺麗な金髪を靡かせながら俺の元に駆けてくるグラン王国第1王女ミレーネ・フォン・グランがいた



コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品