嘘は異世界を救うのか、滅ぼすのか

ノベルバユーザー183896

第18話 閑話休題

がめじーとの話が終わり村を出て行こうと考えたが


「流石に配下見殺しにして王が先に行くような真似できんわ!ヤマタケお前に死なれたら!俺は、俺はぁぁぁぁぁあ!」


「うるさいですよシンドウさん。私は何で膝枕をさせながら、ヤマタケ君でしたか。回復させてるんですかね。」


この村で女神ユイと別れてから3日ほどで目が覚めた電話を受け取っていたのだが、あまりユイには見せたくない姿だったため、頃合いをみてこちらにくるように指示を出していた。あ~ユイの膝は最高だ成仏しそう。


「まーた先輩達の夫婦漫才が見れるとは思わなかったよ。ホントなにも変わらないというのはある意味一番羨ましいね。」


マカベは遠い昔を思い出すかのように口ずさんでいた。まだ26歳だろ!達観するには早すぎだ。


「そちらがシンドウさんでいいんですよね。話していた将来を約束した相手ですか?シンドウさんには勿体ないほどの美人さんですね。薬、洗脳での使用したんですか?」


あ~ユイの顔が照れてる。マジでかわいいな。その顔見れただけでもう思い残すことはないかな俺
そしてミッシーそういうことを言ってはいけません!誰が教えたのやら。


「シ・ン・ド・ウ・さ・ん!どういうことですかね将来を約束した相手というのは!私15歳ですよ。早いですよそういうことは!コホン..(いずれはまぁその結婚したいですけど)」


小声で何か言ってるな、読唇術で大体わかったけど。そしてやばい鼻血でそう。昇天しそうだよ。


「惚気がうざいです!わかりましたよ!相思相愛おめでとうございます!ダメだこの2人セットだともう太刀打ちできる気がしませんね。」


「ハハハっいや~良くわかってるじゃんミッシーちゃんでいいのかな、この夫婦には何をいっても無駄さ。バカップルぶりを学園時代いやというほど見てきたからね。本当は私がユイ先輩を手に入れる予定だったのに。ユイ先輩マジリスペクトしてます!もう家畜のようにこきつかってくださいよ..はぁ..はぁ。」


「何この人!キャラ濃いよ!気持ち悪いよ!お兄ちゃん早く起きて私のこと助けて!掻き回して!」


おい!最後なんて言ったこいつ!ブラコンすぎるだろ!いやもうその域ですらない!マカベも相変わらずだな。


「お前らキャラ濃すぎんだろ、俺ついていけんわ~」


「「「シンドウ(さん)には言われたくないよ(です)!」」」


おいおいミッシー、マカベからそうツッコミが来たぞ。え?俺そんなにキャラ濃くないだろ、濃くないよな?


「お主らやかましいわい!人の家で馬鹿騒ぎするでないわい!騒ぐなら出てけ!」


「ごめんなさいジロキチさん、これお気に召していただけると嬉しいのですが北東の方でとれる羊羹と茶葉です。ぜひ受け取ってください。」


「...騒ぐならユイちゃん以外は出て行け分かったな。ユイちゃんお茶の用意をしておくぞい。」


「はい、ありがとうございます。」
「おい!ジジイィ俺のユイに気易く声..アダっ」
「五月蠅いですよシンドウさん。黙っててください」


ユイに頭をぶたれた。ぶっていいのは..いやユイにならぶたれてもいいからいいか


「あいかわらず尻に敷かれているね~」「そうですね、もうツッコミませんよ」


二人して何か会話してるぶたれた感触を忘れないようにするために必死で聞こえなかった。


「あれ、僕死んだはずじゃ...」


おっ起きたか流石ユイの回復魔術と言いたいが、さすがにドスでさされ、あれだけの致命傷なら普通死ぬ。刺さる寸前に空間魔術でドスを回収し、錬成魔術でドスの刃を3分の1ほどにカットした状態で生成して入れ替えた。俺は確かに魔術士として出来損ないだし、体術も良くて中堅の上だ。しかしこれらを組み合わせ、観る目として相手の分析を行えばトップクラスに遜色ない実力を持っている。ドスの状態がばれないように細工する必要はあったがな。


「ひひひっよぉ起きたかよ!ヤマタケよ~これで本題に入れるぜ。」


「ここは地獄なんですね。やっぱり僕死んだのか、詩歌もう一度会いたかった、そして誤りたかった。」


「お、お兄ちゃん良かった目が覚めたんだ..」


「五月蠅いぞミッシー、正直兄妹の回想とかいらんからな興味すらない。結果が全てだ本題入るから黙れ!」


「酷い!お兄ちゃんに抱きつけるチャンスだったのに!シンドウさん勘違いしないでください、秘密は秘密としておくことが大切なんです。私達の過去なんか話しませんよ。せっかくの二人だけの秘密..ふひひい」


相変わらずキモいなミッシー。悪いな俺ヤマタケから吐かせたから知ってんだわ、だから言う必要がないと伝えようと思ったのだが...黙っておくか。


「ヤマタケお前にはこの村から消えて貰う。約束通りミッシーには生きていく上で十分なお金と安心して暮らせる環境を用意してやる。」


「はいわかりました。その変わり約束違えないでくださいよ。」


「ど、どういうことですか!何の話をしているんですか!」


「話していいな。ヤマタケはあの時わざと刺されたんだよミッシーに、それは計画していたんだ。この村を救うには大きな代償が必要だと思っていた。トップすら黙らせられるほどのパンチがな。正直ヤマタケが救えたのも運が必要だった。だから良かったなミッシーが長い刃物を使わなくて、使っていたら見捨てざるおえんかったぞ。助けた方法は話せんがな。その代償となるのだから、願いの一つでも聞き届けなければいけないじゃないか。そして回答はミッシーの幸せだとよ、良かったな。」


俺はことの顛末をざっくり話した。まぁ終わったことだ。例え何が起きていたとしてもこの結末にはしたのだから。


「何も良くないですよ!私の幸せってなんですか!お兄ちゃんは本当にもうそういうとこがムカつくのよ!私のためなんでもしようとする!キモいのよシスコンがぁ!もう~」


頭を抱え唸っている。だが悪いが俺の観る目で見えているぞ。ものすごい桃色のオーラ見える。桃色は欲情であり相手を想う気持ちだ。ユイ達が見る魔とは魔力の大きさだ。俺は魔と気なる物が見える。気は相手の感情、気持ちを見て取れる物だ。色として。


「ミッシーには悪いがヤマタケとは今後会えんだろう。今のうちに別れのあいさつでもしろ。俺はユイといちゃいちゃしながら見守ってやるよ。」


「さっきから重要なことポロポロ話してますが、膝枕されてる状態って緊張感0なのですが!そして非情すぎます!しかも別れる相手に対して見せつけなんですか!」


ミッシーが声を荒げている。兄妹そろって短気なのか?カルシウム不足してんじゃないかな?


「悪いが決定事項だ覆すことはできん。早くしろ!」
「シンドウさんもうちょっと優しく言いましょうよ。かわいそうですよ愛し合う二人が別れるところなんですよ。穏便に優しく説得しましょうよ。」


「..ユイ、俺の頭なでながら言ってくれるのは死ぬほどうれしいが、あいかわらず天然ドSだよユイは。」
「なにを言ってるんですか?変なこというから顔引きずってますよお二人とも」


「なんですかもう!キャラが濃すぎる人達しかいないんですけども!お兄ちゃん助けて~」
「しょうが..」


「もう挨拶は済んだな!行くぞ!」


いい加減面倒になってきた。もういいだろ時間が惜しい


「待ってください!私も兄のとこへ行きます。金も安心な環境もいりません。むしろ二人で暮らしたいです..はぁ..はぁ」「し、詩歌なに言っているんだい!」


言うと思ったよ。しかしダメだ。約束した以上覆す気はないし、何よりこいつら二人くっつけるのは嫌だな。


「だめだ。いきなりこの村からミッシーが消えたら変だろうが、わがまま言うな。」


「じゃあ、ユイお姉ちゃんにへばりついいてでも一緒に着いていきます。」
「お、おねぇちゃんか、えへへ」


「嬉しそうにするんじゃない!ユイ!..やめろそんな悲しそうな顔するなよ。冗談だよ冗談。」


くそっユイを利用しやがって!


「それにシンドウさん言いましたよね。ゲームに負けたら私の人生を奪うって。それなら着いていくしかないですよね。」


「シ・ン・ド・ウ・さ・んどういうことですか。それは」


目が怖いよ!くそっ!こいつやっぱりできるな。


「人生をつぶすぞと言っただけだ!誰も奪うなんちぇ...痛い痛いぞユイ!頬を引っ張るな!」
「詩歌ちゃんは連れていきます!いいですねシンドウさん!」


はぁ~もう仕方ないな。ユイがそういうなら仕方ない。


「ミッシーを俺の部下にする。だがヤマタケとは行動をともにはできない、ヤマタケには配下として別に動いて貰うことがあるからな。だが約束する会う機会は必ず設けてやる。これ以上は妥協できん。嫌ならこの話はこれっきりだ。」


二人で行わせるとろくでもないことになりそうだしな。何よりヤマタケは本当は一人であればもっと能力を発揮できるタイプだ。ミッシーも本来そうだろう。お互いを甘やかしても成果は得られない。


「そうですか..まぁそれでいいです。その条件で付いていきます。」
「わかった。ヤマタケはそれでいいのか。これだとミッシー安心できる環境というのは難しいぞ。」
「心配ではありますが、その条件でいいです。僕死んでませんしね。ところで部下と配下ってなんですか?」


「言ってなかったな。任せる任務や命令の重要度が変わるだけだ。部下にはその人物に特化した能力でしかなしえない任務があれば優先的させる。配下は基本スペックがあれば誰でも行えるような任務を与える。それだけだ。まぁ配下は捨て駒みたいなもんだ。替えがきくやつを当たらせる。だから自己研鑽を怠るなよ。死にたくなかったらな。」


「はいわかりました。僕なりにできることはやってみせます。」
「いい返事だ」


「私は部下なんですよね、私お兄ちゃんより能力劣るまであると思うんですけど?」


やはり気づいていないか、人の行動や心情を読み動かすことに長けている。でなければあの短期間で100枚も署名集めるなんて無理だというのに。


「気づいてないなら教えん。それも自己研鑽すべきとこだからな」
「え~なんでですか!教えてくださいよ!」



「さて..どうなっていくのか楽しみだね。」
愛華紅姫はさわいでる年下の子達遠くで見ながら、今後の物語に思いを馳せていく。

          

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