のっとぱーふぇくと!!〜異世界転生の特典は呪いでした〜

琉凛猿

一章 四話 死神の孫

「お主、早くも死んだのう。」

目覚めるとそこには、老人の顔がある。

「そんな展開は望んでいません。」

なぜか膝枕をされていた。気づいた瞬間、飛び起きた。なぜ美少女ではなく、老人なのか。正反対である。

「老人の親切を小馬鹿にしおって。ばちが当たるぞ。」

「小馬鹿にしてるわけじゃない。流石に同性で膝枕はきついだろ。ビジュアル的に。」

「まあ、ばちは当たったか。お前、誰に殺されたんじゃ?お前を殺したあいつ、心臓を根こそぎ持って行きおったぞ。」

「そうだ。あの時の…。」

自分の胸を見る。なんともなってない。

「お前は死なないのじゃ。そう言ったろう。だが、心臓を取られるというのは予想外だった。心臓の復元はかなり難しいのじゃ。」

あ、そっか。俺、死なないんだもんな。良かったぁ、痛かったけど。

「それ、どういうこと?」

「心臓はあの呪いの核といったところか。呪いごと取られたと考えれば良いじゃろう。」

「え、俺、死ぬの?」

「いや、大丈夫じゃよ。新しく、心臓を作るのじゃ。初めてなのじゃが、わしの孫の魔力を核として心臓を作ろうと思う。他の魔力が体内に入るから、何か副作用があるかも知れん。それでも良いか?」

孫なんていたんだ。なんかハデスに申し訳ないな。でもそれで生き返られるのなら。

「お願い、していいか?」

「別に良いのじゃ。孫も、下界へ行って見たいと言っていたし。よろしくたのむの。」

ハデスが俺の胸に手を当てる。胸に暖かみを感じ、意識が朦朧とする。何かが入り込んでくる感じがし、意識が途切れた。

「シオン、シオン!おきて!」

うるさいなあ。

「ん……、誰…?」

目の前に女の子がいた。銀髪のショートカット。パチリと開いている大きい目は青色で、全てを飲み込んでしまうようだった。ロリ好きにはたまらないだろうその顔は、今まさに、俺の顔とごっつんこしそうである。

「やっと目覚ました。私、リィ。あなたの命の恩人で、ハデスお爺様の、孫だよ!」

こんな可愛い子が、ハデスの孫!?っと少々驚いたが、そういえばハデスも、銀髪だった。それにしても顔が近い。ロリコンではないが、それにしてもこの可愛さなので、胸の動機がすごい。心を落ち着かせ、リィの顔を退けて起き上がる。

「まず、助けてくれてありがとう。リィがいなければ死んでいたよ。」

自分の胸をチラリと見ながら言う。服は破け、そこにあったであろう傷は見事に塞がっているが、床は血だらけで、どんだけ血が出たのかわかった。リィは青色の瞳でこちらを見ながら、説明をしてくれた。

「リィの魔力が、シオンの心臓の核の役割を果たしてるの!それで、リィの魔力は半分くらい使われてるの!だから、肉体は外にいられるんだけど、あんまり本気で魔法を使ったりはできないの!」

聞きたかったことをほとんど説明してくれた。本当に、リィには感謝しかない。その後、アストレアにバレないよう、床を拭いておいた。その間ずっと、俺を殺そうとしたあいつが誰なのか考えて見たのだが、心当たりがなかった。だが引っかかる点はあった。あいつが俺に言った言葉である。

「僕が作った世界」
「君は壊しかねない」

この言葉から連想されるのは、この世界の創造主、つまるところ、神の類だ。なんてやばい奴に目をつけられてしまったんだろう、と思い、心の中でため息をつく。血を拭き終わると、

「シオン、リィ、眠い。」

と、リィが言うのだが、ベッドが一つしかないので、しょうがなく一緒に寝転がった。

「今日はありがとう。リィ。おやすみ。」

「うん。おやすみ。」

その後リィはすぐ寝たのだが、俺は起きた出来事についての考え事と、もう一つの原因のせいで、全く寝付けなかった。







新キャラ登場!
1日1話更新結構きつい。
クオリティ下がっちゃうので、納得できたら、投稿すると言うスタイルでいきます。







コメント

  • ノベルバユーザー183886

    内容がしっかりしていて面白かったです!
    これからも頑張ってください!

    3
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