こんな俺でも恋をする

白葉南瓜

【復讐編:Numbers】第3話

 風が止むのと同時に信と俊の戦いは始まった。その戦いは常人では到底目では追えず刀などがぶつかり合う音だけが聞こえてくる。
 両者使ってるの力は鬼のもの。全てを討ち滅ぼし、全てを無に還すほどの力が正面から衝突し合えばそこには…その力を使えない人間が入れば粉々になる。だが、その二人は相手の力を躱しながら戦っていた。

「ここまで強くなるとはな、信!」

「……」

信は、その言葉に何も返さなかった。
 その理由は、信、自身がよく分かっていた。
(こいつ、まだ余裕がある…俺が、この力を使い始める前からの威圧は変わってない…だとしたら必ずさらに上がある)
信は、思考を止めずに警戒しながらも、油断を見せる一瞬を探っていた。
 刀と刀がぶつかり合う金属音が鳴り響くだけで、その一瞬は訪れていない。それどころか、さらに刀の重みが増し、信が押され始めていった。このままでは埒が明かないと思った信は、紅雷を足から腕に回し、二刀で俊の刀を弾き飛ばした。
 弾き飛んだ刀は、俊の後ろ2m辺りのところで突き刺さり俊は武器がない状態になった。だが、その状態でも焦った様子はなく、逆に笑った。
 その笑みは、人間のモノとは思えない程に不気味で気味が悪いものだ。
 笑みに少し、身を引いた信だったが、二刀を胴体にむけて薙ぎ払った。

『……』

信の振った刀は確かに俊の胴体を捉えていた。だが、その二刀はその場で静止していた。
 カチカチと音を立てながら、何かに阻まれ止まっていた。
 危険を感じた信は、その場から逃げようと後ろへ大きく飛んだが大きな手のようなもので足を掴まれ地面に叩きつけられた。
 信は顔を上げると、その掴まれた何かの正体を知った。
 それは、俊の背中から生えている、灰色の鱗に包まれた腕のようなものだった。

「いいよねー、やっぱり。その表情…そそるわ〜。ホントに快感」

 砂煙の中から喋っているのは、俊そのもの声なのだが、雰囲気、威圧、喋り方がまるっと他の人のものになっている。
 煙がはれ、その中から出てきたのは、全身が灰色の鱗に覆われ額からは一本の角が生えていた。

「全く、俊くんも甘々だわ〜。まだ、人の情がある…ここからが本気だからね?紅蓮が認めたその力、見して頂戴な!」

「望むところだ…どっちみちお前らを殺さなきゃ、俺は死ぬ。それと、守ろうとしていたものも全て消える!」

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