こんな俺でも恋をする

白葉南瓜

【復讐編:悪夢の再開】第3話

鳥の鳴き声と、昨日設定しておいたタイマーに起こされ、体を起こした。

「...まだ眠い」

今日は、平日なので学校があるが行く気がまったくといってわかない。それもそうだ、色々とあって最近は休み気味になっていて、行く気にならない。

「今日も休もうかなー」

そう独り言を言い、毛布に顔をうずめるとインターホンがなった。
取りに行くのが面倒だと思い、二度寝をしようとしたら剛島さんが今日は遅めだったこともありそのインターホンを取った。

『はいー、どちら様でしょうか?...え、信?いるけど?友達か何かかい?彼女...彼女!?』

そう言う話し声がリビングから聞えてきて、その「彼女」という反応で家に来たのが誰かわかってしまった。
(マジかよ。よりによって何で、鈴が。家教えたっけ?)
そう考えながら、布団から出て自室のドアを開けるとそこには、仁王立ちした鈴がいた。

「お、おはよう」

「おはよう。携帯の充電きれてるの?何回か電話したけど」

そう言われ、信は携帯を確認すると、鈴からの着信が二件入っていた。
(睡魔のせいで気付かなかった。これは、怒られる?)

「怒らないけどさ、もうそろそろ遅刻の時間だよ?」

「え?」

時計を確認すると、今の時刻が7時20分、学校までに必要な時間1時間、出席確認8時半。
そのこと焦りを感じ、自室に戻り、すぐさま制服に着替えバックをもちトーストを咥えてから家を出て行った。
そう準備をしてる間に、いつの間にか持ってきた父、母、兄の仏壇に手を合わせて、「お前らの息子と弟はこんな良い彼女を持ったぞ」と泣き目になりながら言っていた。
(剛島さん、キャラが崩れてるよ...)

そんな事を思いながら、家を出てすぐさま駐輪場に向かった。
駐輪場につくと、一番近くに駐車しておいた、中型二輪のバイクに鍵をさして外に持っていった。
椿さんから貰った、アメリカンなバイクは返して、他の物を買ってもらった。それはスポーツタイプで二人乗りが出来るやつだ。

「ほれ乗れー、置いてくぞ」

「やだー、ていうか、何時の間にこんなバイク買ってたの?」

「日本に帰ってきてから椿さんにバイクを返して、他のがいいって言ったら買ってくれた」

バイクを発進させながらインカムで話しているが調子が悪いのか、途切れ途切れになっている。
鈴とは、高校は違うが、その高校の前を通るルートで通学したほうが早いことに気付いたので、たまにこうしてニケツして登校している。今日は、鈴が家まできたが何時もは、鈴の家と俺の家の中間地点にあるカフェで待ち合わせしている。




鈴の学校もとい前まで信も通っていた学校の前に止まった。信は、鈴を降ろすと手を上げてそそくさと、自分の学校に向かっていった。
鈴を降ろしてから、ヘルメットを受け取る事を忘れていたことに気付いたが、気付くのが遅く、もう学校前だった。

「まぁ、帰りにも乗っけるからいいか...」

そう言いながら、駐輪場にバイクを止めると、その事に気付いた友達が駆け寄ってきた。

「おうー、久々だな。信」

そう言いながら近づいてきたこいつは、同じクラスで得意能力は硬化が得意ならしい、「秋崎 彰」
前の学校では人間関係を作らなかったが、鈴に色々と言われて信もしぶしぶ友人を作ると案外、話があい意気投合している。

「今日、学年で模擬戦とか言ってるけどそれって本当なの?」

「今来たやつにそれ訊くかー?お、丁度良く、担当の先生いるじゃん、訊いて来いよ」

そう促すと、彰は早歩きで先生の下に行き、話していた。
話し終わると、嫌な表情をしてこちらを振り返った。

「予想はあたりなのか?」

「当たったけど、外れた所もあるな...」

その事に信は息を呑んで、次の言葉を待った。

「女子との合同模擬戦だって、緊張するー」

そんなことで、良かったと、一人胸を撫で下ろしていると後ろから足音が近づいてきている事に気付き振り向くとそこには、美紀がいてキラキラさした目で立っていた。

「その子とは本当なの?本当だったらリベンジが出来る!」

その顔は、無邪気に笑っていたが目だけは勝利を望み、天辺を目指している目だった。

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