死ねば死ぬほど最強に?〜それは死ねってことですか?〜
第92話〜魔神〜
「やはり、彼は依代になるようですね」
「そうですね。大事な命を捧げた甲斐がありました」
「討伐部隊を用意します」
「お願いします。あれを倒せばこの世界を真の平和に導くことができる」
「はい」
司は地面から溢れ出した黒いオーラに包まれていく。
「貴方は誰ですか?」
アイネルは司に質問する。
「え? 俺は俺ですよ。藤井司以外の誰に見えるんですか?」
「本当に?」
「だから、俺は藤井司です」
「全員戦闘体勢! これはもう王ではありません。兵士以外は城に退避するように」
「どうだんでずか? ごんなごどひどぃでず」
司は人間とは思えない不気味な声で言葉すらしっかり話せていない。
「全員攻撃」
それぞれが魔法攻撃を放つが、司の周囲にある黒いオーラに吸収される。黒いオーラが弾けとぶと、そこには異形となった司がいた。全身赤黒く変色し、両目からは血が流れている。
「ヴァンパイア以外は退避して下さい。ここからは人間やサイクロプスでは足手纏いです。城をお願いします」
「分かった」
「分かりました」
オルドとミナの指示で兵が城に移動を開始する。
「あなた方にも避難をお願いしたつもりなんですが。あなた方は人間ではないんですか?」
アイネルの後ろにはクラスメイト六人が残っていた。
「私達も戦います」
「そうです。私達だって役に立てる」
「戦力は多い方がいいように思いますが」
アイネルは嬉しそうに微笑み、魔法を発動する。
「パラライズ」
その電撃は六人を行動不能にする。
「この六人を運んでください」
「分かりました」
六人は最後の兵士達に担がれて運ばれる。
「どう・・・して?」
「これは私達の責任です。王になるように力を与えました。それが全ての元凶だったのです。なので、私達だけで解決します。さようなら。王のお友達。あなた方では無駄死にです」
「さいきますよ。王を取り戻す為に」
「「はい」」
アイネル達も異形のものへと変貌する。殴り合い、潰し合い。お互いに傷を修復する。アイネルの目的は司を弱らせることだった。そうすることにより、元に戻るのではないかと思っていた。
しばらく経つと、司の体が膨らみ始める。体が弾けとぶと、その中に人が現れた。
「やっとか。久々だな。地上は」
アイネル達は恐怖で体が動かない。今までに感じたことのない寒気。この世のものではない異様な空気が戦場に漂い始める。
「俺は魔神。この世界に災いをもたらすものだ」
それはアイネルの目に見ても明らかだった。背中には黒いリングがあり、額に三つ目の瞳がある。世界に伝わる魔神の姿そのものだった。
「さあ、準備運動だ」
一番近かったシアンは魔神の一撃でバラバラに砕けちる。
「ふん。弱いな」
一瞬で数体のヴァンパイアが同様の姿へと変わる。
「だが、そういうわけでもないらしいな。誘い出されたというわけか」
地面が急に暗くなる。アイネルが見上げると無数の何かが降りてきていた。
「ヴァンパイアよ。ここは我等にお任せ下さい」
「貴方達は?」
「我等は天使。神の使いである。魔神を完全に滅ぼす為に舞い降りた」
「そうですね。大事な命を捧げた甲斐がありました」
「討伐部隊を用意します」
「お願いします。あれを倒せばこの世界を真の平和に導くことができる」
「はい」
司は地面から溢れ出した黒いオーラに包まれていく。
「貴方は誰ですか?」
アイネルは司に質問する。
「え? 俺は俺ですよ。藤井司以外の誰に見えるんですか?」
「本当に?」
「だから、俺は藤井司です」
「全員戦闘体勢! これはもう王ではありません。兵士以外は城に退避するように」
「どうだんでずか? ごんなごどひどぃでず」
司は人間とは思えない不気味な声で言葉すらしっかり話せていない。
「全員攻撃」
それぞれが魔法攻撃を放つが、司の周囲にある黒いオーラに吸収される。黒いオーラが弾けとぶと、そこには異形となった司がいた。全身赤黒く変色し、両目からは血が流れている。
「ヴァンパイア以外は退避して下さい。ここからは人間やサイクロプスでは足手纏いです。城をお願いします」
「分かった」
「分かりました」
オルドとミナの指示で兵が城に移動を開始する。
「あなた方にも避難をお願いしたつもりなんですが。あなた方は人間ではないんですか?」
アイネルの後ろにはクラスメイト六人が残っていた。
「私達も戦います」
「そうです。私達だって役に立てる」
「戦力は多い方がいいように思いますが」
アイネルは嬉しそうに微笑み、魔法を発動する。
「パラライズ」
その電撃は六人を行動不能にする。
「この六人を運んでください」
「分かりました」
六人は最後の兵士達に担がれて運ばれる。
「どう・・・して?」
「これは私達の責任です。王になるように力を与えました。それが全ての元凶だったのです。なので、私達だけで解決します。さようなら。王のお友達。あなた方では無駄死にです」
「さいきますよ。王を取り戻す為に」
「「はい」」
アイネル達も異形のものへと変貌する。殴り合い、潰し合い。お互いに傷を修復する。アイネルの目的は司を弱らせることだった。そうすることにより、元に戻るのではないかと思っていた。
しばらく経つと、司の体が膨らみ始める。体が弾けとぶと、その中に人が現れた。
「やっとか。久々だな。地上は」
アイネル達は恐怖で体が動かない。今までに感じたことのない寒気。この世のものではない異様な空気が戦場に漂い始める。
「俺は魔神。この世界に災いをもたらすものだ」
それはアイネルの目に見ても明らかだった。背中には黒いリングがあり、額に三つ目の瞳がある。世界に伝わる魔神の姿そのものだった。
「さあ、準備運動だ」
一番近かったシアンは魔神の一撃でバラバラに砕けちる。
「ふん。弱いな」
一瞬で数体のヴァンパイアが同様の姿へと変わる。
「だが、そういうわけでもないらしいな。誘い出されたというわけか」
地面が急に暗くなる。アイネルが見上げると無数の何かが降りてきていた。
「ヴァンパイアよ。ここは我等にお任せ下さい」
「貴方達は?」
「我等は天使。神の使いである。魔神を完全に滅ぼす為に舞い降りた」
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