死ねば死ぬほど最強に?〜それは死ねってことですか?〜
第86話〜息子〜
オルは攻めあぐねていた。クラスメイト達の攻撃はとるに足らないもの。だが、攻撃がシールドに弾かれる。相手にダメージを与えることができていないのだ。
「守ることしかできない雑魚が」
進展しない攻防に、オルは怒りをため込んでいく。
「お前らごときに使うのは癪だが、正義のためだ。太陽の化身たる俺の力を見せてやる」
オルは超巨大な火球を上空に打ち出す。国中を覆うような巨大なものだ。その中に大剣を投げ込むと、大剣がどんどん炎を吸収していく。
「さあ、行くぞ。真の正義の執行者の顕現だ」
落ちてきた大剣をオルは自らの心臓に突き刺す。オルの体は赤く燃え上がり、巨大な炎を纏う。周りにある建物はあまりの熱さに少し溶け始めている。
再び安藤に近くオルだが、今までの比ではない速度に上がっている。
「砕けちれ」
一撃で拳はシールドを砕く。だが、安藤には届かない。その下に更に層になってシールドが展開されていた。
「ならば、全て砕く」
超高速の連打は次々とシールドを砕いていく。その隙にクラスメイトが放った魔法はオルの纏う炎に触れた瞬間消滅する。
数百発に及ぶ連打だが、安藤には届いていなかった。
「何故だ。この俺の拳がこんな亡霊の力ごときに。何故だ!」
俺は負けられない。ここにいる皆を守る責任がある。
オルは困惑していた。拳を打つ度に頭に呼びかけてくる。ここは危険だと。
「俺はこの力を知っているのか?」
オルの頭の中に何かが蘇る。身体中が痺れるような咆哮。立ち入るものを全て殺すという。意思のついた咆哮を。
「早く終わらせなくてわ」
オルは再び上空に飛翔する。
「この一撃で全てを焼き尽くす。亡霊もろとも死ね」
「罪を犯すものに復讐あり。復讐果たすものに正義あり。正義なすものに太陽の加護あり。太陽の加護あるものに勝利あり」
「灰となれ。ドラゴン・バスター」
生み出された巨大な炎の龍が城に向かっていく。魔法を必死に放つが効くわけもない。投擲した武器も一瞬で灰に変わる。
「まだ、こいつらは育てた甲斐があるな。ギン」
グラァァァァ
巨大な方向と共に龍の正面に青い狼が現れる。その狼は龍と同じ大きさをしており、真正面から激突する。
爆風が街を次々と溶かし、破壊していく。
「最悪だ」
地面に降り立ったオルが一番初めに口にしたのは怒りだった。
「そうだな。俺も最悪だ」
「孤高の王シン」
もう良さそうだ。皆んな、あとは父にお願いするよ。
輝きが失われ、クラスメイトは元の姿に戻る。そして目にする。理屈ではない。本能が告げた。今まで見たどんな生物よりも強い人を。
「俺は言ったよな? この場所で戦闘をするものは許さない。魔王シンの全力で叩き潰すと。それなのに、そこまでの用がここにあるのか? 息子が眠るこの場所に」
オルは何も答えない。
「その人は多分魔王ベラの記憶操作にかかっていて」
安藤はシンに向けて状況を説明する。
「なので、その記憶操作が解けれ・・・・」
シンは安藤の話を最後まで聞かない。
「それがどうした。これは俺の問題だ。全て叩き潰す」
「でも、あの人も被害書で」
シンは安藤の方に向き、そっと告げる。
「君たちは俺の息子が守った大事な存在だ。だから、城の中に戻って結界を張って休んでいてくれ」
それはどこにでもいる父のような優しい笑顔だった。そして、逆らうことは許さない。強い意思のこもった言葉だった。
「守ることしかできない雑魚が」
進展しない攻防に、オルは怒りをため込んでいく。
「お前らごときに使うのは癪だが、正義のためだ。太陽の化身たる俺の力を見せてやる」
オルは超巨大な火球を上空に打ち出す。国中を覆うような巨大なものだ。その中に大剣を投げ込むと、大剣がどんどん炎を吸収していく。
「さあ、行くぞ。真の正義の執行者の顕現だ」
落ちてきた大剣をオルは自らの心臓に突き刺す。オルの体は赤く燃え上がり、巨大な炎を纏う。周りにある建物はあまりの熱さに少し溶け始めている。
再び安藤に近くオルだが、今までの比ではない速度に上がっている。
「砕けちれ」
一撃で拳はシールドを砕く。だが、安藤には届かない。その下に更に層になってシールドが展開されていた。
「ならば、全て砕く」
超高速の連打は次々とシールドを砕いていく。その隙にクラスメイトが放った魔法はオルの纏う炎に触れた瞬間消滅する。
数百発に及ぶ連打だが、安藤には届いていなかった。
「何故だ。この俺の拳がこんな亡霊の力ごときに。何故だ!」
俺は負けられない。ここにいる皆を守る責任がある。
オルは困惑していた。拳を打つ度に頭に呼びかけてくる。ここは危険だと。
「俺はこの力を知っているのか?」
オルの頭の中に何かが蘇る。身体中が痺れるような咆哮。立ち入るものを全て殺すという。意思のついた咆哮を。
「早く終わらせなくてわ」
オルは再び上空に飛翔する。
「この一撃で全てを焼き尽くす。亡霊もろとも死ね」
「罪を犯すものに復讐あり。復讐果たすものに正義あり。正義なすものに太陽の加護あり。太陽の加護あるものに勝利あり」
「灰となれ。ドラゴン・バスター」
生み出された巨大な炎の龍が城に向かっていく。魔法を必死に放つが効くわけもない。投擲した武器も一瞬で灰に変わる。
「まだ、こいつらは育てた甲斐があるな。ギン」
グラァァァァ
巨大な方向と共に龍の正面に青い狼が現れる。その狼は龍と同じ大きさをしており、真正面から激突する。
爆風が街を次々と溶かし、破壊していく。
「最悪だ」
地面に降り立ったオルが一番初めに口にしたのは怒りだった。
「そうだな。俺も最悪だ」
「孤高の王シン」
もう良さそうだ。皆んな、あとは父にお願いするよ。
輝きが失われ、クラスメイトは元の姿に戻る。そして目にする。理屈ではない。本能が告げた。今まで見たどんな生物よりも強い人を。
「俺は言ったよな? この場所で戦闘をするものは許さない。魔王シンの全力で叩き潰すと。それなのに、そこまでの用がここにあるのか? 息子が眠るこの場所に」
オルは何も答えない。
「その人は多分魔王ベラの記憶操作にかかっていて」
安藤はシンに向けて状況を説明する。
「なので、その記憶操作が解けれ・・・・」
シンは安藤の話を最後まで聞かない。
「それがどうした。これは俺の問題だ。全て叩き潰す」
「でも、あの人も被害書で」
シンは安藤の方に向き、そっと告げる。
「君たちは俺の息子が守った大事な存在だ。だから、城の中に戻って結界を張って休んでいてくれ」
それはどこにでもいる父のような優しい笑顔だった。そして、逆らうことは許さない。強い意思のこもった言葉だった。
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