死ねば死ぬほど最強に?〜それは死ねってことですか?〜
第67話〜終戦〜
モンブランは翼を広げて一気に飛翔する。
「俺の本気を見せてやる」
モンブランの手に、三メートルほどの巨大な槍が創造される。巨大な翼は太陽を隠す。その後ろの赤黒いリングは広がりながら、内側にさらなるリングを作っていく。リングが四重に達したところで、リングの広がりは止まった。
モンブランの持っている槍は禍々しさを増していく。
「喰らえ! 無念と怒り」
「死ね! 死を与える槍」
巨大な紅蓮の雷と禍々しい槍が衝突する。瞬間的に付近の雲は裂け、地割れが発生する。
巨大な雷に飲み込まれモンブランの槍は消滅する。
「!?」
そのまま、雷は空を登りモンブランを飲み込む。雷が過ぎ去った後には、何も残っていなかった。
「やった。やったぞ! お前たちの仇をとったぞ」
その光景を見たニルベルは喜びの声を上げる。
「ああ………やった……ぞ」
ゆっくり閉じていくニルベルの瞳に最後に移ったもの。それは、絶望だった。赤黒い霧が発生し、徐々に塊になっていく。そして、人間の形に姿を変えていく。
「そん……な」
「デッド・ギフト」
再びモンブランから槍が投擲される。その槍は紅蓮の雷をまとっていた。容赦なく投擲されたその槍は、地面に到達するとともに巨大な爆発を発生させる。
爆風がはれた後には、もとの地形を思い出すこともできないほどの巨大なクレーターができていた。そのクレーターはケイネル魔法国さえも消飛ばしていた。
こうして、モンブランの逆鱗に触れたケイネル魔法国はただ一人の生き残りもなく、ものの小一時間で、地図の上から消滅した。
「終わったか」
モンブランはクレーターの中央に降り立ち、スッと姿を消した。
「ニルベルの奴はやっぱりしくじりましたね」
「そうね。まあ、期待はしていなかったけど。いいものが見れたわ。多少は役に立ったわね」
「厄介そうですか?」
「いいえ。あの程度敵ではないわ。でも、早々に片づけたほうがよさそうね。これ以上力をつける前に。それよりも気に掛けるべきなのは、ファリウスね」
モンブランはクラスメイト達を城に送り終わった後、再び戦場に向かっていた。モンブランが到着した時には、もう戦争は終わっていた。
ミナ王国の戦士たちは全員拘束され、ケイネル魔法国の戦士は全員死体となっていた。
「王よ! あちらは片付いたのですか? そして、そのお姿は?」
「終わった。姿? 何を言っている?」
モンブランは血によって鏡を作り出し、自分の姿を確認する。いつからそうなっていたのかは分からない。だが、モンブランにもわかる。
これは生物の姿を越えている。神か何かにでもなったのか?
そう思わずにはいられなかった。
「まあいいか。城に戻ってゆっくり確認すればいい。後は、ミナ王国との誤解を解くことだけだな」
「そうですが。それが一番難しいのでは?」
「策はある。ひとまずは拘束を解いて国に送り返してやれ。後日誤解を解くとしよう」
「了解です」
ヴァンパイアたちはミナ王国の戦士たちの縄をほどいていく。
「殺さないのか?」
意識を取り戻していたシーナが口にする。
「殺さない。後日誤解を解きに行く。それまでおとなしくしていろ。もし、次侵攻してくれば、国の歴史は途絶えることになると思えよ」
「分かった」
シーナはモンブランの忠告を聞き入れ、仲間を連れて引き上げていく。
「これでやっと一段落だな。あ…………れ?」
モンブランは急に体に力が入らなくなり、地面に倒れこむ。
「王よ! 大丈夫ですか? 王よ!」
イチルとその他のヴァンパイアの声が徐々に遠くなっていく。
俺は死ぬのか? これが、あの力の代償か。
モンブランはそのまま意識を手放す。
司は見たことのない場所に立っていた。
「ここは?」
「よく来たな。お前に目を付けたかいがあったぞ」
「なんの話だ?」
「ほら。俺の言葉が聞こえるのだろう。それだけで十分可能性はある」
「何を言っている。お前は誰だ? 姿を現せ!」
「こんなに近くにいるのに、まだ認識はできないのか。悲しいな。だが、もっともっと強くなればいずれ会える時が来るだろう。俺はその時を首を長くして待っているぞ」
「だから何を言っている! お前は」
「誰だ!」
「俺の本気を見せてやる」
モンブランの手に、三メートルほどの巨大な槍が創造される。巨大な翼は太陽を隠す。その後ろの赤黒いリングは広がりながら、内側にさらなるリングを作っていく。リングが四重に達したところで、リングの広がりは止まった。
モンブランの持っている槍は禍々しさを増していく。
「喰らえ! 無念と怒り」
「死ね! 死を与える槍」
巨大な紅蓮の雷と禍々しい槍が衝突する。瞬間的に付近の雲は裂け、地割れが発生する。
巨大な雷に飲み込まれモンブランの槍は消滅する。
「!?」
そのまま、雷は空を登りモンブランを飲み込む。雷が過ぎ去った後には、何も残っていなかった。
「やった。やったぞ! お前たちの仇をとったぞ」
その光景を見たニルベルは喜びの声を上げる。
「ああ………やった……ぞ」
ゆっくり閉じていくニルベルの瞳に最後に移ったもの。それは、絶望だった。赤黒い霧が発生し、徐々に塊になっていく。そして、人間の形に姿を変えていく。
「そん……な」
「デッド・ギフト」
再びモンブランから槍が投擲される。その槍は紅蓮の雷をまとっていた。容赦なく投擲されたその槍は、地面に到達するとともに巨大な爆発を発生させる。
爆風がはれた後には、もとの地形を思い出すこともできないほどの巨大なクレーターができていた。そのクレーターはケイネル魔法国さえも消飛ばしていた。
こうして、モンブランの逆鱗に触れたケイネル魔法国はただ一人の生き残りもなく、ものの小一時間で、地図の上から消滅した。
「終わったか」
モンブランはクレーターの中央に降り立ち、スッと姿を消した。
「ニルベルの奴はやっぱりしくじりましたね」
「そうね。まあ、期待はしていなかったけど。いいものが見れたわ。多少は役に立ったわね」
「厄介そうですか?」
「いいえ。あの程度敵ではないわ。でも、早々に片づけたほうがよさそうね。これ以上力をつける前に。それよりも気に掛けるべきなのは、ファリウスね」
モンブランはクラスメイト達を城に送り終わった後、再び戦場に向かっていた。モンブランが到着した時には、もう戦争は終わっていた。
ミナ王国の戦士たちは全員拘束され、ケイネル魔法国の戦士は全員死体となっていた。
「王よ! あちらは片付いたのですか? そして、そのお姿は?」
「終わった。姿? 何を言っている?」
モンブランは血によって鏡を作り出し、自分の姿を確認する。いつからそうなっていたのかは分からない。だが、モンブランにもわかる。
これは生物の姿を越えている。神か何かにでもなったのか?
そう思わずにはいられなかった。
「まあいいか。城に戻ってゆっくり確認すればいい。後は、ミナ王国との誤解を解くことだけだな」
「そうですが。それが一番難しいのでは?」
「策はある。ひとまずは拘束を解いて国に送り返してやれ。後日誤解を解くとしよう」
「了解です」
ヴァンパイアたちはミナ王国の戦士たちの縄をほどいていく。
「殺さないのか?」
意識を取り戻していたシーナが口にする。
「殺さない。後日誤解を解きに行く。それまでおとなしくしていろ。もし、次侵攻してくれば、国の歴史は途絶えることになると思えよ」
「分かった」
シーナはモンブランの忠告を聞き入れ、仲間を連れて引き上げていく。
「これでやっと一段落だな。あ…………れ?」
モンブランは急に体に力が入らなくなり、地面に倒れこむ。
「王よ! 大丈夫ですか? 王よ!」
イチルとその他のヴァンパイアの声が徐々に遠くなっていく。
俺は死ぬのか? これが、あの力の代償か。
モンブランはそのまま意識を手放す。
司は見たことのない場所に立っていた。
「ここは?」
「よく来たな。お前に目を付けたかいがあったぞ」
「なんの話だ?」
「ほら。俺の言葉が聞こえるのだろう。それだけで十分可能性はある」
「何を言っている。お前は誰だ? 姿を現せ!」
「こんなに近くにいるのに、まだ認識はできないのか。悲しいな。だが、もっともっと強くなればいずれ会える時が来るだろう。俺はその時を首を長くして待っているぞ」
「だから何を言っている! お前は」
「誰だ!」
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