死ねば死ぬほど最強に?〜それは死ねってことですか?〜
第24話〜サイクロプス〜
ゴブリンの王といわれる個体が現れた瞬間、ゴブリン達の攻撃がやむ。いつの間にか大量のゴブリンに周囲を囲まれていた。さっきの比にならないほどの数で、軽く五百はいるように感じる。
「王ってどういうことですか! ゴブリンロードもあんなにたくさんいるし。ゴブリンロードが王ではないんですか!」
目の前にある光景に、司は理解が追い付かない。
「ゴブリンの中で力のあるものがロードに進化するんじゃ。それの更に上が王と呼ばれる個体になる。確かにゴブリンロードは群れを率いるがゴブリンの王ではない。リーダーのような存在じゃ。王は一つの種族に原則として一体存在する。あいつがゴブリン種族の王じゃ!」
オルドの目の前に、一瞬でゴブリンの王が現れる。
「あいつとは失礼ね。サイクロプス。私の名前はナーナ。その人間を渡せば危害は加えないわ。さっきまでのことは見逃すからさっさと立ち去りなさい」
「これは失礼。私の名前はオルド。訳合ってそちらにモンブランを引き渡すのは了承しかねます」
今までに見たことがないぐらいの真剣な表情のオルド。やはり、一種族の王が相手なればさすがに緊張するのだろう。
「それじゃあ戦闘ってことでいいの? そちらに勝ち目はないように思うけどね」
正直いってゴブリンが多くても負ける気はしなかった。ステータスも上がっているし、何より不死の能力がある。サイクロプスも強い。いくら束になったところで……というのが司の考えだった。
それをオルドに聞くと、驚愕の返事が返ってきた。
「ゴブリンの王は周りのゴブリンのステータスを無理やり引き上げる力がある。この数の一体一体が強くなれば相当な脅威になる。さらに連携を行い、ゴブリンロードもたくさんいるときた。絶望的じゃな」
司はその言葉で、今自分が置かれている状況を理解した。ルギス達ですら命が危ない状況にあるということを。
「そんな人間のために死ぬことはないわ。かわいがってたロードを殺した、そいつは絶対に殺すから。それだけは譲れない。」
「皆さん! 逃げてください!」
司が提案する。ゴブリンの王の狙いは自分自身。それなら自分が素直に出ていけば、ルギスさん達に危害が加わることはない。これで解決だ!
「ほら! その人間もそう言ってるんだし、さっさと逃げなさい!」
しばらくの沈黙の後、ルギスがゆっくりと口を開く。
「私たちがいるばかりに、つらい選択をさせてしまったのだろう。モンブランは本当に良くできた人間だな。本当なら逃げてしましたいだろうが、僕らのために。意見は固まったな」
「よし! じゃあさっさとどいてくれるかな? ロードの仇が打ちたくてしょうがないの」
「我々サイクロプスの考えは変わらない! たとえ我々の命に危険が及んだとしても、モンブランを渡しはしない!」
再び司は驚愕する。流石に自分たちの命が危険なら離れていくと思っていたのだ。意味が分からない。
「どうして? 死ぬかもしれないのに」
「そうかもしれない。だが、恩人を見捨てて逃げるようなら生きる価値がない。死んだ方がましだ。受けた恩は必ず返す! 命なんて関係ない。それが、僕達サイクロプスの誇りだ! 司君が傷つくのは見てられん!」
「………ありがとう」
ルギスの言葉に、司は涙がでそうになるが必死にこらえる。
「さあ来いゴブリン! サイクロプス全員で相手になってやる! 勝つのは俺達だ!」
「良い度胸ね。王の力見せつけてあげるわ」
「殺せ!」
ナーナの言葉でゴブリンの雰囲気が変化する。殺伐とし、血の気が多くなったように感じる。
「「さあ、戦闘開始だ(ね)!」」
「王ってどういうことですか! ゴブリンロードもあんなにたくさんいるし。ゴブリンロードが王ではないんですか!」
目の前にある光景に、司は理解が追い付かない。
「ゴブリンの中で力のあるものがロードに進化するんじゃ。それの更に上が王と呼ばれる個体になる。確かにゴブリンロードは群れを率いるがゴブリンの王ではない。リーダーのような存在じゃ。王は一つの種族に原則として一体存在する。あいつがゴブリン種族の王じゃ!」
オルドの目の前に、一瞬でゴブリンの王が現れる。
「あいつとは失礼ね。サイクロプス。私の名前はナーナ。その人間を渡せば危害は加えないわ。さっきまでのことは見逃すからさっさと立ち去りなさい」
「これは失礼。私の名前はオルド。訳合ってそちらにモンブランを引き渡すのは了承しかねます」
今までに見たことがないぐらいの真剣な表情のオルド。やはり、一種族の王が相手なればさすがに緊張するのだろう。
「それじゃあ戦闘ってことでいいの? そちらに勝ち目はないように思うけどね」
正直いってゴブリンが多くても負ける気はしなかった。ステータスも上がっているし、何より不死の能力がある。サイクロプスも強い。いくら束になったところで……というのが司の考えだった。
それをオルドに聞くと、驚愕の返事が返ってきた。
「ゴブリンの王は周りのゴブリンのステータスを無理やり引き上げる力がある。この数の一体一体が強くなれば相当な脅威になる。さらに連携を行い、ゴブリンロードもたくさんいるときた。絶望的じゃな」
司はその言葉で、今自分が置かれている状況を理解した。ルギス達ですら命が危ない状況にあるということを。
「そんな人間のために死ぬことはないわ。かわいがってたロードを殺した、そいつは絶対に殺すから。それだけは譲れない。」
「皆さん! 逃げてください!」
司が提案する。ゴブリンの王の狙いは自分自身。それなら自分が素直に出ていけば、ルギスさん達に危害が加わることはない。これで解決だ!
「ほら! その人間もそう言ってるんだし、さっさと逃げなさい!」
しばらくの沈黙の後、ルギスがゆっくりと口を開く。
「私たちがいるばかりに、つらい選択をさせてしまったのだろう。モンブランは本当に良くできた人間だな。本当なら逃げてしましたいだろうが、僕らのために。意見は固まったな」
「よし! じゃあさっさとどいてくれるかな? ロードの仇が打ちたくてしょうがないの」
「我々サイクロプスの考えは変わらない! たとえ我々の命に危険が及んだとしても、モンブランを渡しはしない!」
再び司は驚愕する。流石に自分たちの命が危険なら離れていくと思っていたのだ。意味が分からない。
「どうして? 死ぬかもしれないのに」
「そうかもしれない。だが、恩人を見捨てて逃げるようなら生きる価値がない。死んだ方がましだ。受けた恩は必ず返す! 命なんて関係ない。それが、僕達サイクロプスの誇りだ! 司君が傷つくのは見てられん!」
「………ありがとう」
ルギスの言葉に、司は涙がでそうになるが必死にこらえる。
「さあ来いゴブリン! サイクロプス全員で相手になってやる! 勝つのは俺達だ!」
「良い度胸ね。王の力見せつけてあげるわ」
「殺せ!」
ナーナの言葉でゴブリンの雰囲気が変化する。殺伐とし、血の気が多くなったように感じる。
「「さあ、戦闘開始だ(ね)!」」
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