死ねば死ぬほど最強に?〜それは死ねってことですか?〜
第22話〜引っ越し〜
司は泣き止んだ後、死んでしまった兵士の墓を作った。ルギス達を殺しに来て、しかたがなかったとしても、やはり人間が死ぬのは悲しい。だから墓を作った。司はそれが人間としてやるべきことだと感じたのだ。
その後は数体のサイクロプスに協力してもらい、司自身のステータスについて研究をした。
自身のステータスを確認すると
体力:B-
攻撃:C+
耐性:B-
魔力:B-
魔法攻撃:C+
魔法耐性:B-
俊敏性:B-
能力:不死(強化・奪取)・鬼人化
となっていた。
鬼人化や奪取のような新しい能力。そして恐ろしく上がっていたステータスに司は驚愕した。その後、実験のためにアランからもらっていたステータスプレートを、数体に配って試してもらう。その結果、鬼人化という能力を持つのはルギスとオルドだけだった。
司は奪取がどのようなものか、だいたいの予想がついた。そして、唯一残った疑問をオルドに質問する。
「鬼人化とはなんなんですか? 同じ鬼人化でもルギスさんと俺の物は性能が違うように感じたんですが」
ほぼ同じステータスで同じ能力なのだから、自分と比べてルギスさんがあそこまで弱いわけがない。司はそう思ったのだ。
「鬼人化とは自身のステータスを飛躍的に上昇させる能力じゃ。それは使うものによって性能が異なると言われておる。人によってステータスの上昇値が違うんじゃよ。より強い上昇には、より強い副作用が来ることになる。司君が長いこと眠っていたのはそのせいじゃろうな」
「なるほど」
結果的に司はサイクロプスという種族を越えたのだ。初めて遭遇した時は、勝てるなんて微塵も思えなかった。たとえ時間制限つきで副作用があったとしても、自分が強くなったという事実は、司にとって何物にも代えがたい喜びとなった。
このままいけばもっともっと強くなれる。いつか、何者にも負けないぐらい強く。大切なものをすべて守れるぐらい強く。花音を守れるぐらいに強く! 司は初めて、自分の授かった能力に感謝した。死ぬこともできない苦痛を与えてきたのもこの能力だが、救ってくれるのもこの能力だ。神よ、ありがとう。いつか、魔王を殺してみせる!
次の日の朝。いよいよ引っ越しの日となる。
「よし! 準備ができたなら出発だ!」
ルギスの合図でサイクロプスの群れが移動を始める。司は昨日作った墓に手を合わせ、ルギス達についていく。
「そういえば司君。君は遠い国で追われている身じゃったよな?」
「そうですけど。何か?」
改めてオルドに確認をとられ、何かまずいことでもあるのかと思い司に緊張が走る。
「本名は伏せておいた方がいい。途中で魔物と共存している国や村に行くかもしれんのじゃが、人間同士のつながりもある分、本名では何かと不便かもしれん」
「魔物と共存している国があるんですか!」
司は忠告よりもそのことが気になって仕方がなかった。
「あるよ。ごく一部だがね。その国と敵対している国は多いが、君が逃げてきた国が敵対であるという保証はできないからな」
「なるほど」
何かいい名前はないかな~。ふと司の頭に大好物が浮かんでくる。
「では、名前はモンブランにします!」
「モンブランか。いい名前だな。みんな聞いてくれ! 司君は今日この時からモンブランじゃ! 分かったな?」
「「はーい!」」
司たちの旅は始まった。この場所に変わる新たな場所を目指して。その旅が司にとってどれほど厳しく辛いものになるのか、今の司は知る由もないだろう。
その後は数体のサイクロプスに協力してもらい、司自身のステータスについて研究をした。
自身のステータスを確認すると
体力:B-
攻撃:C+
耐性:B-
魔力:B-
魔法攻撃:C+
魔法耐性:B-
俊敏性:B-
能力:不死(強化・奪取)・鬼人化
となっていた。
鬼人化や奪取のような新しい能力。そして恐ろしく上がっていたステータスに司は驚愕した。その後、実験のためにアランからもらっていたステータスプレートを、数体に配って試してもらう。その結果、鬼人化という能力を持つのはルギスとオルドだけだった。
司は奪取がどのようなものか、だいたいの予想がついた。そして、唯一残った疑問をオルドに質問する。
「鬼人化とはなんなんですか? 同じ鬼人化でもルギスさんと俺の物は性能が違うように感じたんですが」
ほぼ同じステータスで同じ能力なのだから、自分と比べてルギスさんがあそこまで弱いわけがない。司はそう思ったのだ。
「鬼人化とは自身のステータスを飛躍的に上昇させる能力じゃ。それは使うものによって性能が異なると言われておる。人によってステータスの上昇値が違うんじゃよ。より強い上昇には、より強い副作用が来ることになる。司君が長いこと眠っていたのはそのせいじゃろうな」
「なるほど」
結果的に司はサイクロプスという種族を越えたのだ。初めて遭遇した時は、勝てるなんて微塵も思えなかった。たとえ時間制限つきで副作用があったとしても、自分が強くなったという事実は、司にとって何物にも代えがたい喜びとなった。
このままいけばもっともっと強くなれる。いつか、何者にも負けないぐらい強く。大切なものをすべて守れるぐらい強く。花音を守れるぐらいに強く! 司は初めて、自分の授かった能力に感謝した。死ぬこともできない苦痛を与えてきたのもこの能力だが、救ってくれるのもこの能力だ。神よ、ありがとう。いつか、魔王を殺してみせる!
次の日の朝。いよいよ引っ越しの日となる。
「よし! 準備ができたなら出発だ!」
ルギスの合図でサイクロプスの群れが移動を始める。司は昨日作った墓に手を合わせ、ルギス達についていく。
「そういえば司君。君は遠い国で追われている身じゃったよな?」
「そうですけど。何か?」
改めてオルドに確認をとられ、何かまずいことでもあるのかと思い司に緊張が走る。
「本名は伏せておいた方がいい。途中で魔物と共存している国や村に行くかもしれんのじゃが、人間同士のつながりもある分、本名では何かと不便かもしれん」
「魔物と共存している国があるんですか!」
司は忠告よりもそのことが気になって仕方がなかった。
「あるよ。ごく一部だがね。その国と敵対している国は多いが、君が逃げてきた国が敵対であるという保証はできないからな」
「なるほど」
何かいい名前はないかな~。ふと司の頭に大好物が浮かんでくる。
「では、名前はモンブランにします!」
「モンブランか。いい名前だな。みんな聞いてくれ! 司君は今日この時からモンブランじゃ! 分かったな?」
「「はーい!」」
司たちの旅は始まった。この場所に変わる新たな場所を目指して。その旅が司にとってどれほど厳しく辛いものになるのか、今の司は知る由もないだろう。
コメント
くあ
モン、ブラン、、だと!?
hera
かわいい名前でふふってなりました笑
なり
最高すぎる作品