不器用プラトニックラブ

風吹雪華

30話 憫然

じゃあ、誰がしたって言うんだろう。

過ぎたものは過ぎたでいいけど、やっぱり気になる。

まぁ、知ったこっちゃないけどね。



琴嶺家-

「ただいま。」

「母さん、帰って来た!」

「永!
  早く来てちょうだい!」

「…?
 (何かあったのかな?)」



「これなんだけどね…」

「何、これ?」

「山のような手紙を読んでみて。」

「う、うん…。」

開けてみると、そこには、脅迫まがいの文章が書かれていた。

結生の命を落としたくないなら、今すぐ治療費を払え。

結生が死亡した。

目覚めないのは、お前のせいだ。…

「これ、何時の…」

「今日よ。」

「…!?」

「永…学校で何かしたの?」

「してない!
   …!」

そうだ。
してしまったんだ。

弁論大会で、結生のことを話したんだった。

脅迫まがいの手紙が来たとしたら、私自身がきっかけを生んだことになる。

結生も巻き込んでどうするのよ!

馬鹿だ、私…

「これからは、結生君に触れないことね。
  ずっと…」

「お母さん、何でそんなこと言うの!?
  私は」

「永の為に言ってるのよ!
  お母さん達ならともかく、永まで巻き込んでしまったら、娘の人生を台無しにしてしまうのは、全部お母さんのせいなんだから…。」

「お母さん…」

「お母さんはね、永が大切にしている人がいたら、お母さんも守ろうと思ってる。
  だから、何処にも行かないで…。」

お母さんは、私を離さないように抱き締めた。

抱き締める手は、震えていて、子供みたいに泣きじゃくっていた。



翌日-

「はるちゃん!
  おはよ…」

「穂架、もう私に近づかない方がいいよ。」

「何言ってるの、はるちゃん…」

「そのままの意味だよ。」

「だから、何でそういうことに」

「私が言ってるんだから、近づかないでよ!
   …!」

「…はるちゃんなんて大嫌い!」

言ってしまった。
でも、これでいいんだ。
でも、やっぱり…

穂架の為でもあるし、巻き込むことは無い。

自分のした行為は、最低だと思っている。

人の為と言ってるけど、全部自分の為にやっている。

どれだけ愚かなんだろ…。

可笑しくなっている自分に腹ただしくなったのか、不気味に笑っていた。

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