不器用プラトニックラブ

風吹雪華

29話 懐疑

どういうこと?

確かに秦先生は、羽瀬北って口にした。

私の聞き間違いとかじゃないよね…?

結生の家族は、夏休みに入ると、毎年恒例の家族旅行に行く。

帰ってきたら、課題もせず、部活に専念してしまうのがオチだ。

だから、今回の弁論大会は可笑しい。

気になるから、汐璃さんに聞いてみよう。



羽瀬北家-

久し振りに会うなぁ。

よし、聞けるだけ聞けば…

「あら?
  永ちゃん?」

私の背後に汐璃さんが立っていた。

「汐璃さん!?」

「久し振りねぇ。
  こんな所でどうしたの?」

「汐璃さんにお伺いしたいことがあって…」

「あがってちょうだい。」

「あれ?
  永ちゃん?
  久し振り!」

「芽吹ちゃん、久し振り。」

「どうしたの?
  こんな時間に…」

「汐璃さんに聞きたいことがあってね。」

「母さんに?
   …もしかして、結生のこと?」

「…まぁ、そんな感じかな。」

「ふーん。」



「お待たせ。
  話って何かしら?」

「単刀直入に聞きますけど、今回の弁論大会で、最優秀賞が決まったんです。
  その中に、結生の名前があったんです。
  どういうことなんですか?」

「結生の名前?
  結生は今、入院中で…」

「ですよね。
  可笑しいと思いませんか?」

「確かに可笑しいわね。
  誰かが結生になりすましてた、とか?」

「それはないんじゃないですか?
  そういう人は、流石にいないと思いますし。」

「うーん。
  じゃあ、何かしら?」

「何その話。
  詳しく聞きたいなぁ。」

「芽吹、面白い話じゃないのよ。」

「そんな事くらい分かってるよ。
   …何となく話は分かったけど、もしかしたら、1年の時に書いたのと間違えてたんじゃない?」 

「そんな事あるかな?」

「芽吹、またそんな適当なこと言って…」

「はいはい、すんませーん。
 (まぁ、あたしらの時はいくらでもあったけど…)」

「分かりました。
  わざわざ夜分にすみません。」

「ううん、まぁ、近所だから良かったけど、気をつけて帰ってね。」

「はい、お邪魔しました。」



「ねぇ、母さん。」

「何?」

「永ちゃんのこと、どう思ってる?」

「え?
  何よ急に…」

「結生のこと、相当気にしてるよね…」

「そう?
  お隣さん同士だから、当たり前なんじゃないの?」

「ふーん…」

「何かあったの?」 

「いや、大した事じゃないんだけど…あたし、前から思ってたんだけど、永ちゃんって…やっぱりいい。」

「そう?
  変な子ねぇ。」

 「(あの子…結生に執着してる。
    あたしの勘違いじゃなかったら、全て繋がるはず…)」

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