不器用プラトニックラブ

風吹雪華

20話 永の決意

進路相談室-

「琴嶺さん、羽瀬北君のことなんだけど…」

「はい…」

「最近、来てないのよ。何か知ってる?」

「いえ、何も…」

言えなかった。

これじゃあ、逃げてるようなものよ。

言わなくちゃ…!

「あっ、あの、先生!
   …やっぱり、何でもないです。」

「何か知ってたら言ってちょうだいね。」

また、言えなかった。



某日の昼休み-

「は〜るちゃん!
  一緒に食べ…はるちゃん?」

もう何も考えられない。

「…はるちゃん!」

「ほ、穂架!
  どうしたの?」

「最近元気ないよ?
  何かあったの?」

「ううん、何でもないよ。
  ありがとね。」

「…」



現国の授業-

「ではここを…琴嶺さん、お願い出来るかしら?
   …琴嶺さん?」

もう授業も聞いてられない。

「琴嶺さん!
   …じゃあ、富和君。」

「はい。」

「(はるちゃん…)」



部活-

やる気しないなぁ…。

何時もだったら、楽しくやってきていたのに…

「永!
  何しょんぼりしてんだよ!」

「梓舞先輩…」

「まだ結生は来ないのか?」

「はい、まだ…」

「そっか。」

「はるちゃん、こっち来て。」

「えっ、穂架!?」



屋上-

「はるちゃん、何があったの?」

「えっ、何って…何もないよ。」

「穂架、はるちゃんのそんな顔、もう見たくないの!」

「穂架…?」

「何で何も言ってくれないの!
  穂架が頼りないから?」

「違う、そうじゃなくて」

「…はるちゃんのバカ!」

「穂架!
  待っ…穂架!」

私、知らない間に、穂架に心配かけてたんだ。

嫌われただろうな…
                                      
もう、この世界から消えたい…。



琴嶺家-

「永、最近どうしたの?」

「…何でもないよ。」

「何かあったら言うのよ。
  お母さん、心配だから。」

「うん…」



「姉ちゃん、何かあったの?」

「…遼雅も居てたんだ。」

「姉ちゃんに輝きがないよ。
  もっと笑って?」

「うん、ありがとね。」



穢星病院-

「先生…」

「永さん、御見舞、何時も有難う。」

「あの、結生のこと、皆に言おうか迷ってるんです。
  友達にも心配かけてるから。」

「…何時かは言った方がいいかもね。
 タイミングがあるから。
 担任の先生には、ちゃんと言うんだよ。」

「分かりました…。」



結生の病室-

「結生、今、どんな夢を見てるの?
   …もうね、秋になったんだよ。
  早いでしょ。
   …ねぇ、ずっと眠ったままってホント?
  何時か、起きてくれるんだよね。
  私は、信じてるから。
  だから結生も、生きて…!
  私、もうくじけないから!」



自室-

今日配られた進路調査。

私の進みたい道、もう決めたから。



学校-

「琴嶺さん。
  進路相談室に来てちょうだい。」

「はい。」



進路相談室-

「琴嶺さんは、どんな夢にしたいの?」

「私は…」

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