不器用プラトニックラブ

風吹雪華

19話 暗闇の夢

「先生、どんな手術をするんですか?」

「…言っていいのかい?」

「はい。覚悟は出来てますから。」

「もし、結生君の容態が悪化した場合、脳を移植しないと生きられないんだ。」

「え…」

そこまで考えてなかった。

てっきり、入院生活するのかと…

「だから、もう時間はないんだ…。」

「時間が、ない…?
   …どういうことですか?」

そこに、看護師が勢いよく走って来た。

「先生!
  結生君の容態がっ!」

「分かった!
  急ごう!」

「…私も行きます!」

「君は此処に居てくれ。」

私は1人残された。

「何で、何で行けないの…!」



結生の病室-

「はっ!?
  これは…!」



診察室-

私も行きたい…!

でも…

そう考えている内に、穢星先生が帰って来た。

「先生!
  結生は、結生は大丈夫なんですか!?」

「あぁ、今のところはね。」

「(今のところ…?)
   そうですか。」

「もう結生君のところに行ってきてもいいよ。」

私は急いで病室に向かった。



結生の病室-

「結生、何があったの?
  ねぇ、何時、起きてくれるの…」

「結生君はもう、一生目を覚まさないだろう。」

「…先生!
 どういうことですか?」

「さっき、結生君は夢を見てたんだ。」

「夢…?」

「あぁ。
  急いで夢の中を覗いて見たんだ、この装置で。」

「…これは?」

「Dream Of Sleep。
 通称DOSだ。」

「眠りの夢、ですか?」

「そう。
  そろそろ結生君に被せようと思ってたが、まさかこんな早くになるなんて…
  今からDOSについて説明するよ。
  結生君がうなされている時、直ぐに被せてくれ。
  そうすると、夢を見ることが出来る。」

「結生は、どんな夢を見てたんですか?」

「…大切な宝物を失った夢だよ。」

「…っ」

「結生君の頭の中は、1人ぼっちの世界になってしまったんだ。
  だから私は、一生目を覚まさないだろうと言ったんだ。
 …現実でも、夢と同じようになるかもしれないと思っているからね。」

「あの、私!
  結生を助けたいんです!
  だから」

「もう、手遅れなんだよ。」

「…っ!
 何で!
 患者を助けるのが医者の務めじゃないんですか!?
 どうして、諦めるんですか…!」

「私も助けてやりたい。
  でも、仕方がないんだ…。」

私は、穢星先生の胸で泣いた。

他の方法はないんだろうか。

もう夏休みが終わる。

明日が怖い。



そして、2学期-

進路を決める時期。

もう時期、進路面談が始まる。

結生のこと、担任に言ってもいいのかな…。

「琴嶺さん。」

「あっ…旭緋あさひ先生!」

「時間はあるかしら?」

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