不器用プラトニックラブ

風吹雪華

17話 病の果実

私は、毎日欠かさず、結生の御見舞に行っていた。

だけど、目を覚ますこともなく、まるで死んでいるかのようだった。

担当の穢星那依えぼしなよ先生に呼び出された。



診察室-

「急に呼び出してごめんね。」

「いえ…。」

「辛いだろうけど、伝えなくちゃいけないことがあるんだ。」

「えっ?」

「結生君は、深刻な病気を抱えているんだ。」

「な、何言ってるんですか!?
   …病気って、何なんですか!?」

「ストレスが原因なんだ。
  特に脳に関わってくるのだが、記憶をめちゃくちゃにするんだ。
  分かりやすく言うと、楽しかった思い出も、友達も、大切な人も、全部自ら黒くするんだ。
  自分でコントロールが出来ないんだ。
  エスカレートしていったら、自殺に至る可能性もある。
  だから、普通の生活に戻れないんだ。」

「そんな…じゃあ、好きなことも出来ないんですか…?」

「あぁ、全般はもう出来ないだろう。」

「その病気は、治るんですか…?」

「ごく稀で、難しい病気なので、治るかどうかは」

「私は…私は、結生を死んで欲しくありません…!
  手術は可能なんですか!?」

「可能は可能だけど、生存率がとても低いんだ。
  小数点に達する。
  だから、手術を失敗して亡くなった患者や、成功しても早死にした患者も存在していたんだ。」

「そう、ですか…。
  じゃあ、これから結生は、どうなるんですか…?」

「ここで入院するしかないだろう。
  今のところは、激しい状態ではないから、安心しなさい。
   …学校に行くことも、部活をやることも出来ないなんて、とても辛いね。」



このことを皆に伝えるのは、心苦しい。

もう、どうしたらいいんだろ…。

結生と共に過ごす事が出来ないなんて… 

私はこの時、ある決断を胸に秘めたのだ。

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