不器用プラトニックラブ

風吹雪華

15話 醜い自分

某日の昼-

もう8月か…。

早いなぁ。

そろそろ立ち直らないと…。

たとえそうなったとしても、どうやって永や皆と顔を合わせばいいんだよ…。

…取り敢えず、食べるか。



皆外出しててよかった…。

もう何日も食べてなかったから飢えていた。

食べ終わったら、シャワーでも浴びるか…。

何もかもスッキリにしねぇと。



夕方-

あ、また客か…。

何でもかんでも上がらせたら、どんな災難が訪れるか…。

この声…もしかして、あの3人か!?

特徴的でよく透き通る声と言えば、思い付く人物はあいつらしかいない。

何を話してるんだ?

俺は、忍び足で階段を降りた。

微かに聞こえる会話。

「結生先輩は部屋に?」

「えぇ…」

そういえば、莉世も溯先輩も、俺のことを心配して来てくれたんだよな…。

だったら、こいつらも…

「…あの子って弱音を吐かないから何も言ってくれないのよ。
  親として情けないわ。」

母さん…俺のことを分かってて、何も言ってくれなかったんだ。

何時か俺から言ってくれるだろうって、信じてるんだ…。

俺は、母さんの期待を裏切るかもしれないのに…

何時だって母さんは、俺のこと見守ってくれてたよな。

ずっと、変わらない笑顔で…。 

その笑顔は今、俺が壊してるんだ。 

壊し続けてるんだ。

逃げて、逃げて、誰にも見つけてもらえない居場所に居るんだ。

自分のことを捨てて欲しいように…。



俺はこの場から去った。

自室に戻り、醜い自分に文句を言い負かした。

何故逃げてるんだ、何故泣くんだ、何故口から出せない、何故、何故、何故、何故…!

自分じゃない、もう一人の羽瀬北結生が生まれたようだった…。

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