不器用プラトニックラブ

風吹雪華

12話 諦めた恋

夏休みに入ってから、どのくらい経ったんだろ…?

課題も部活もやってない中で、皆は必死こいてるんだろうな…。

あの日、俺は本気で遼雅に嫉妬した。

あいつが、まさか本気になってたとは思わなかった。

俺は、本当に永のことが好きなんだ…

好きって自覚してから、顔を合わすことなんて出来ない。

だって…

「結生、御飯どうする…?」

「いらない。
  ごめん…。」

「そう…食べたい時は言ってちょうだい。」

父さん、母さん、姉ちゃん、部活の仲間にも迷惑かけてるって分かってても、やっぱり立ち直れない…。



次の朝-

あれ、俺…いつの間に寝てたんだ?

「結生!
  起きてるー?」

「(姉ちゃん…)
   うん…。」

「私、学校に行ってくるねー!
  あんたも、早く部活に行きな!」

姉ちゃんになら言ってもいいかとも思った。

でも、話してるうちに辛くなるかもしれない。

俺って、こんなに気弱な人間だったっけ…

自分が惨めに思えてしまって、鏡の俺を、無心に眺めていた。



夕方-

チャイムの音が微かに聞こえた。

こんな時間に誰だろ…

母さんの声だ。

家に客を入れたのか、話し声が聞こえる。

階段を上る足音が、俺の部屋の前に止まった。

「結生ー、お友達が来てるわよー。」

「結生ー、起きてるかー。
  莉世だけどー。
  溯先輩も来てるぜー。」 

「結生君ー、御見舞に来たよー。」

「(莉世に、溯先輩…?
   何で…)」

「開けてくれよー。
  俺、久し振りに顔見たいんだけど。」

「流石の輝陽君でも無理みたいね…。
  また改めて来てちょうだい。
  今日はありがとね。」

返す言葉もなければ、度胸もない。

誰かに、溜め込んでたこの想いを伝えて、勇気づけられたかった。

でも、もう出来ない。

この恋は、諦めるしかないんだ。

やっと、やっと気付き始めたのに…

自分で無駄にするしかないんだ…。

だって、遼雅と永は、本当の姉弟じゃないんだから…

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