サイク屋

チャンドラ

河童捕獲作戦

工は、河童の捕獲する作戦について考えていた。あの河童を捕まえるには情報を集める必要がある。工はある人物に電話をかけた。

「もしもし、久しぶり次郎。今時間いいか?」
「工か。なんだ?」
以前、一緒に河童を撮影しに行った田中次郎に電話をかけた。 恐らく次郎ならあの河童の居場所など色々知ってるのではないかと思ったからだ。 源にも河童について情報をもらおうとしたが、あんまり有益な情報を得ることができなかった。

「前にさ、お前と一緒に河童を撮影しにいったじゃん? あの河童って今も同じところにいるのかな?」
それとなく次郎に河童の居場所を聞いてみる。

「う~ん、いや多分いないと思うぞ。 なんかのスレで見たんだけど千葉県の某所で河童の目撃情報が書かれてたな。 詳しい場所は俺も分からないが。 ってかお前あの河童捕まえる気なのか? 危ないから辞めたほうがいいぞ。」

次郎から警告をするのも無理はない。 なにせあの河童を常人よりはるかに強い。 前に戦ったときも身体能力倍増装置がなかったら危なかったであろう。

「そうだな。 まぁ、気になったからちょっと聞いてみただけだ! ごめんな忙しいのに。」
「いや、ならいいけど。工、あんまり無茶なことはするなよ!」

次郎との電話を切り、再び河童の捕獲作戦を考え出した。 まず、あの河童を捕まえるにはどこにいるのかを調べる必要がある。 工はPCを起動させた。
「河童 目撃情報と...」
インターネットを使って河童の居場所を調べてみることにした。 できるだけ最新のページから探していく。 割と目撃情報が出てきた。 どうやら次郎の言うとおり、千葉県のとある湖に生息しているらしい。 

「... やつと戦うには武器を作る必要があるな」
工は作業場へ移動し、河童対策の武器を発明することにした。身体能力倍増装置だけでは恐らくは対抗できないであろう。 さらに、RSFラボはやつの生け捕りを望んでいる。 奴を捕獲するための道具も必要である。

二週間ほど工は武器の発明に専念した。 RSFラボの協力で発明品にかかる部品を負担してくれるというので、驚くほど高性能の武器を開発することができた。3つの発明品を工は作り上げた。

マジカライズセイバー
これは外見は見た目がライトセーバーのようになっている。刃にあたる部分を河童が触れると電撃を与えることができる。 さらに、人間が触れても害がないという優れものである。

レデュース・カプセル  
縦型直径1mほどの強固ガラス性のカプセルである。ちょっとやそっとでは破ることはできない。このカプセルは特殊なビームを放ち、ビームに触れると生体に反応し、体を小さくしてカプセルの中に吸い込んでしまう。ポ●モンのモンスターボールをイメージしてもらえば分かりやすいであろう。 さらに中には催眠ガスが充満しており、河童を眠らせることができる。

身体能力倍増装置・改
RSFラボの部品を使用したことで身体能力倍増装置をグレードアップさせることに成功した。2倍の身体能力倍増までなら体に負担をかけることなく使用することができる。デメリットあるだが5倍まで身体能力を倍増させることが可能である。 使用時間は5分までで、使用時間が経過すると1時間使用することができない。

工はこれで河童を捕まえられると考えていたが、この発明品をもって千葉まで行くのは厳しいと思った。発明品をもって千葉まで行くには車を使う必要がある。 しかし、工は車を持っていない。加えて工は運転免許も持っていない。

工はある人物との会話を思い出し、その人物に電話をかけた。

「お疲れ様です。 麗美さん、今お時間よろしいですか?」
「工さん、お久しぶりです。 どうしたんですか?」

工は麗美が車を持っていたことを思い出した。 以前、一緒に居酒屋に行った時に車を持っていることを言っていた。ちなみに居酒屋にいったいこうは何度かLINEでやりとりをしている。

「かくかくしかじかで.... 悪いでんすけどお願いできませんか?」
かんたんに事情を麗美に説明することにした。 ちなみに河童のことは他の人に言ってはいけないとは言われてない。割とすでにもうたくさんの人に目撃されているというのが理由であろう。 麗美には河童を撮影しにあわよくば捕まえたいと説明した。

「千葉ですか... 随分遠くですね。 工さんそんなオカルト的なものに興味があるんですね。今度の土曜日ならいいですよ。」
「ありがとうございます、助かります。」

土曜日はサイク屋の営業日であるが、その日は店を閉めることにした。 そして、土曜日に備えて工は準備を進めていった。

果たして工は合成生物キメラ、河童を捕まえられるのか!?



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