新しい武器とブーシュヤンスター

何分間して、鈴華が戻って来た。

「お待たせ、これが新しい武器よ！」

鈴華は武器をデスクの上に置いた。見たところボクサーのグローブのようなものとライトセーバーのような機械とヘルメットであった。

「見たところ武器っぽくないですけど、本当に役立つんですか？」
訝しげに匠は尋ねた。 それに対して鈴華は自信を持って答える。

「もちろんよ。 この武器は全て協力してくれた国際機関の研究者たちが総力を上げて作ってくれたものよ。 なるべく低コストで。」

最後の一文、気になったがまぁいいか。鈴華は匠たちに説明を続けた。

「これはライジングブレード。 ダエーワの身体に反応して、電撃のダメージを与えるの。 中々強力な武器よ。多分、紗江ちゃんにぴったりの武器だと思う。」

みたところ、ラ○トセーバーのような見た目である。 今度はボクサーのグローブのような武器について説明した。

「これはカウンターグローブと言って、ダエーワに攻撃すると、炎を発生させて攻撃できるわ。 これは浩也くんに会う武器だと思う。」

「いいっすね！ これ！」
嬉しそうに浩也は言う。 確かに元プロボクサー志望の彼にはちょうどいい武器だろう。

「これが最後の武器よ。 これは匠くん、あなたにぴったりだと思うわ！ ボディグレードアッパーっていう機械なんだけど、このヘルメットをかぶって、このブレスレット型のリモコンを起動させると身体能力を2倍にできるわ！」

匠は気になったことについて聞く。
「時間制限とかはあるんですか？」
「ええ、最大10分までよ。 それ以上経つと強制解除されて30分間使えなくなるわ。」

10分か… 結構厳しい気がする。
「あと、倍率は最大10倍までできるけど、2倍を超えると反動で体を痛めるから基本的に2倍以上は使わない方がいいわね。」

最大10倍まで使えるのは確かに良いが反動が厄介だと感じた。

「とりあえず、国際機関から渡された武器はこれで全部。 みんな、この武器を駆使してダエーワを倒してね！」

簡単に言ってくれる。 しかも武器の中で匠は自分のが一番使えないと感じた。 実質素手で、自身の挌闘技で倒せと言うことだ。

紗江が鈴華に質問した。
「このライジングブレードとかいうのはダエーワにしか反応しないんですか？」
「ええ、そうね。 人間が触れても電撃は発生しない。 ちなみにカウンターグローブも同じで人間が触れても炎は発生しないわ。」

安全面も高いと匠は思った。

「それから最近、よくこの辺で活動してるダエーワについて知らせておくわ。 こいつよ。」

鈴華はタブレットを取り出し匠たちに写真画像を見せてくる。 姿は褐色肌のゴスロリをきた170くらいの美人であった。 ダエーワは特徴として、人間の姿をした女性という特徴がある。しかし、これはダエーワが擬態した姿で身体の作りは人間とはまったく異なっている。匠も詳しくはわからないが鈴華はいつもある方法でダエーワを特定してるらしかった。

「こいつの名前はブーシュヤンスター。人々を怠惰にするという能力があるわ。 半径 1kmの人間を怠惰にしちゃうの。」

匠は大した悪さしてないんじゃないかと感じた。

「こいつの能力でたくさんの会社が何時間か経営をやめて赤字を出しまくったらしいわ。 日本経済の敵ね！」

日本人は真面目すぎるからもっと怠惰なほうがいいとも匠は思ったが。

鈴華のスマホから着信音が流れた。 鈴華はスマホをとり、誰かと話した。
「それで、今からみんなこの場所に向かって頂戴。 今、ブーシュヤンスターはここにいる可能性が高いわ。」

指定された場所は、たくさんオフィスビルが並ぶところの近くの公園だった。 鈴華がいうにはここにブーシュヤンスターがいるといる。

鈴華の指定をうけ、匠、浩也、紗江の3人は出動の準備をした。