第9.5話(9話大地side)

はぁ、今更聞きに行かなくてもなんでみんな集まってるのかわかるんじゃないのかな？ 
あんなに顔の整ったお金持ちが3人も集まってたんだよ？ 
見た目をどんなに気にしない人でもここにはお金持ちが沢山いて、婚約目当ての最低な奴が居るんだろうし… 
だからお金持ちの奴らは嫌いなんだよな… 
「おーい！大地、何でか分かったか？」 
「いや、聞かなくてもわかると思うよ？」 
「どういうことだ？」 
「それはね…」 
「何故、君が話し始めるんだ？」 
え？ 
今のって蒼空の声？ 
結構怒ってるような感じがしたんだけど？ 
蒼空って今日会ったばかりだけど、俺のイメージでは温厚でめったに怒らないような感じだったんだけど？ 
俺のイメージが違うだけ？ 
「あの、海斗くん。蒼空って結構怒ったりするの？」 
「いや、怒ることはあるけどそんなに頻繁には怒らないよ？」 
「じゃあ、怒ると凄く怖いとかは？」 
「怖くはないけど、すごく怖くもないかな…」 
「あ、それと僕のことは陸斗でいいよ」 
「え？あ、うん。わかったよ」 
「多分、兄さんのことも呼び捨てでいいと思うよ」 
「わかった」 
え、じゃあなんで？ 
海斗も知らないとなると陸斗は知るわけがないだろうし… 
話してる内容を聞いてたら分かるかな？ 
「海斗、なんで蒼空が怒ってるか気にならない？」 
「それは僕も気になるなぁ」 
「お前達！俺を無視して話してるなよ！俺も入れてくれよ！」 
よし、海斗も気になるって言ってるし聞いてもいいよね？ 
陸斗？陸斗は、まぁ海斗が無視してるし無視していいよね！ 
「ごめんって兄さん」 
「お前、絶対悪いと思ってないだろ！」 
「まあまあ二人とも、それより早く聞いてみようよ」 
俺は早く聞きたいんだけどなぁ 
「あぁ、そうだね」 
「俺も行く！」 
「しっー」 
そんな大きな声を出されちゃ周りの人が多いから上手く聞こえないよ… 
蒼空じゃない方の俺が嫌いなタイプの女子の声は何もしなくても聞こえるんだけどね… 
あ、蒼空の声が聞こえてきた 
「だから、何故君が勝手に話し始めたり、僕が話しかけた子を勝手に立ち去らせたり、決めるのは僕だ。君に決められたくない」 
「わたくしは、あんな者とは違っているのですよ？蒼空様はわたくしもあのような者と同じだというのですか？」 
「あのような者ってあの子は何もしていないじゃないか？それと違って君は人を馬鹿にしましてや、自分だけが特別だと思っているのか？とても僕としては不愉快だと思うよ」 
「わたくしは、特別だと思っているのではありません！わたくしは本当に特別なのです！わたくしは他のものとは地位が違います！蒼空様もわたくしと同じであのような者下賎な庶民なんかと同じでは無いでしょう？わたくしはあのような者とは違うので話しかける権利があります！そして、お父様に頼んで蒼空様を婚約者にしていただくので、どのような者でもわたくしの許可をとるのは当たり前でしょう？」 
俺でも分かる 
こいつはお金持ちの中でも特に頭がおかしい！ 
何言ってんだ？これは蒼空が怒っても仕方ないな 
「言いたいことはそれだけ？」 
「え？どういうことですか？」 
「そのままの意味だけど？僕は君と今日、初めて会ったし名前も知らないししかも、こんなに上から目線で話す人は嫌いなんだ」 
「ですが、わたくしは蒼空様の婚約者になるのですよ？」 
「そんなのお断りするよ。そろそろ行かないと陸斗が怒りそうだから行くね」 
「待って下さい！蒼空様！」 
よく言った！ 
あれは普通に気持ち悪い 
お金持ちでもあんな感じで頭おかしい奴とか蒼空みたいな良い奴も居るんだな… 
「蒼空って凄いんだね…」 
「え？なんでですか？」 
「いや、今の見てたら誰でも思うと思うよ…」 
「蒼空、かっこよかったぞ！怒ると怖そうだけどな！」 
「『怖そう』じゃないと思うよ、兄さん…」 
それは同感だな… 
怖そうじゃなくて怖いんだと思う 
まぁ、陸斗には関係無いな… 
「それじゃあ行こうか？」 
「わかった」 
「おい！ちょっと待ってくれよ！」 
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更新が遅れてしまってすみません…