砂鯨が月に昇る夜に

小葉 紀佐人

砂の街バルウ 2-2


途中民家から香ばしい良い匂いがして見てみると、5歳くらいの女の子がお母さんに頼まれたんだろう、チョリとゆう30センチほどの砂魚を玄関先で焼いていて、目が合ったカザに「ナイショだよ?」と一本くれた
ちょっと離れた所で洗濯物を干していたお母さんは笑顔でどうぞとしてくれたので、「ありがとう」と女の子の頭を撫でた
照れ臭そうにした彼女はまたパタパタと焼いてるチョリに風を送った

良い塩加減のチョリをかじりながら路地を歩いていく

砂の街バルウは巨大な岩の上にあるため腐者は入ってこれない。そうゆう街はいくつかあり、そこから行商人が来て物流が行われている

今その行商人と肉屋のおじさんが何やら価格についてもめているのを魚屋のおばさんが間に入る
またはじまったよと呆れてほっておく魚屋の主人が砂鮫の皮をなめしたものを綺麗に並べて干している

少し離れた二階の屋根から怒鳴り声が聞こえ、せかされながら7歳くらいの少年が屋根の修理を手伝っている

子供達はある程度大きくなれば家の家事や仕事を手伝う

俺は猟師に育てられたので猟師をしているように、それぞれの家の役割がその子供に受け継がれていく

親父は「狩猟銃は生きる為に使う道具だ…だから決して人に向けちゃあならねぇし、ましてや撃つのは絶対に駄目だ。命を頂くことに感謝し、無駄な殺生はしねぇ。人と人が争う時は、喧嘩でおしめぇ。これが出来て始めて一人前だ!ガッハッハ!!」

と、9つの時まで親父にくっついて狩りをしてた俺は良く言い聞かされた

こないだ10歳になった時もう独り立ちしていいと言われ、今日の狩りで4回目
ゲグ族に見つかり腐者に襲われたと親父に言ったら笑われるだろうな
どうせ「ゲグ族は何でも食うが、そこにお前も入ってたか!!ガッハッハ!!」とか言われそうだ

何より内心本気で心配させてしまうのが嫌だから今日のことは黙っておこう

街の中心部より少し外れた所に、外観からごちゃごちゃしていてよくわからないもので溢れている家がある
シグと同じで同い年のアズーの家だが窓やら煙突やら色んな穴とゆう穴から煙が出ている

「お前がこっちに置けっつったから!!」

「リンクさせてる間を通るシグがいけないんでしょう??常識的に考えれば分かる筈ですけど!!」

「お前の常識なんてわからねーし知らねー」

「シグはいつもわからないとか言いますけどね」

シグとアズーが爆発した部屋から出て来て真っ黒になり、髪の毛チリチリになり、アズーのメガネは真っ黒でサングラスのようになってても構わず口喧嘩している

「どうしたんさ2人とも」

2人はカザ来るなりお互いに指差しあい
「アズーが」「シグが」と言ってまた睨み合う

「もう吹っ飛んじまったもんはしょうがないよ」

となだめようとするが

「しょーがなく無いですよ!!明後日のレースに使おうと思ってた新しいジャイロシステムのテストしてたんですよ!?」

そうアズーに言われ、少し頭の冷えたシグはばつが悪そうにしている

「とりあえずガレージにジャリハートしまうよ」

「mk-2ですよ!」

細かいなと思いながらも何も言わずにカザはシャッターを開けて正式名称ジャリハートmk-2(マークツー)を中へ押し入れていく

シグとアズーと2人っきりに戻ると

「…悪かったよ」

と吹き飛んだ破片を拾いながら謝るシグ

「僕の方こそ、すみません。」

と同じように破片を拾いながら謝るアズー


シグ、アズーと今はいないバサロは同い年の幼馴染みでずっと仲良しだ

シグは家が街の守護隊をずっとしているため、見張りや防壁の修理、たまに来る砂鮫や怪鳥デモデモを追っ払ったりして街を守っている

アズーは研究者の家に生まれ、小さい頃からずっと本を片手に遊んでたっけ。サンドシップやサンドバギー、農園で使える薬品から風邪薬まで幅広い知識と技術を日々磨いている

バサロはとにかく力持ちで、砂魚の漁師の家のはずだけど鉱山に行ったり大工をしたりと力仕事担当といった感じだ。前に、マッサモッサとゆう普通3メートル程の砂魚がいて、大の大人でも数人で釣り上げるんだけど、それの5メートル越えを1人で釣り上げてしまったことは砂の街バルウの伝説の1つだ
俺はトト狩りだけじゃなく砂魚の漁を手伝いに行ったりもするからバサロと一緒の時もある

ちなみに今しまい込んでるジャリハートmk-2はこの砂漠で最速の逃げ足をもつジャジャリとゆう動物から取っていて、mk-1は不慮の事故によりアジャリナジャリとゆう巨大な蟻地獄に引きずり込まれてしまった


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