朝起きたら、幼馴染が悪魔に取り憑かれていた件

そらちーヌ

#8 西田 徳馬の友達日記

『はぁ〜』
俺は、これから3年間お世話になる相棒の
机に膝をつき、ため息をつく。
西田 徳馬は重大なミスを犯していた。
それは、友達がいないこと。
高校生の友達作りのシナリオは
①中学時代の友達とお喋り→②そこに新キャラ
登場→③青春の始まり、始まりという感じだった。
これは「くーくる」で調べまくったから
間違いないだろう。
しかしー
『①をクリアしていない俺に、
どーしろと ︎』
別に友達が、いなかったという訳ではない。
仲良い奴らとはうまい具合に、離れ離れに
なってしまったのだ。
必死に対策を考えていると、ツンっ。
不意に後ろから背中を突かれ、
『ほわわ ︎』と、変な声を上げてしまう。
『ハハハハ ︎』後ろから盛大に笑われ、
少し頬が熱を帯びていることを感じた。
『な、何だよ…?』後ろから突いてきた
黒髪の健康的な小麦色の後ろの少年に問う。
『いや〜。何か頭かかえて悩んでたから
ちょっと、チョッカイかけようと思ったら…。』
先ほどのことを思い出したからなのか、
また腹を抱え笑いだした。
『いや〜。あんた面白いわ。
俺、新田  トウマ。あんたは?』
トウマと名乗った少年は涙を拭いながら
言うもんだから腹立たしい。
『に、西田…徳馬。』
アクアに発動しなかった不思議でたまらない
俺のコミュ症がトウマの前で盛大に発動する。
『徳馬か…。気に入った!今日から
よろしくな ︎』
そう言ってトウマは俺に握手を求める。
根は優しいんだなっと、勝手に解釈し、
俺は力強くトウマの手を握り返した。
「ネットの情報が全てではない。」
今日、学んだ教訓を心に刻みこんだ。

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