魔王の息子に転生!?温室育ちの異世界チートライフ!!

老獪なプリン

転生編 5話

ふぁぁ〜、、、、ん、ん〜
優しい日差しが窓から覗く。そろそろ明け方だろう。
体をグニグニと動しながらそんなことを考える。しかし、、、、フムフム。基本的に体はまだ赤子なせいか体の動きの自由度はそう高くないな。慣れないとな。
自分の体を確認し終えた俺は昨日の出来事を思い出す。
正直な話をすると、転生直後に何となく進行中「これは!?」とは思ったさ。
俺はよくラノベとかも読んでたし、角が生えたオッサンにあった瞬間、「もしかしてこれは有名な異世界転生では!?」とも思ったんだよ。けど、その事実を飲み込みたくなかった俺は「コスプレしたオッサン」って位置づける事で現状に安心したんだ。転生もアレだが、異世界となると話は変わってくる。
そしたら完全に先生とは逢えないからな。はぁぁ〜⤵
考えすぎたら鬱りそうだからやめよう。
まぁ、それは今はどう仕様もないから一回おいておくことにする。
セラさん。いや、母さんはたまに失敗はあれど俺をしっかり世話をしてくれている。
だが、あの父親はなぁ、、、。
思い返しても特に、う〜ん?何してたっけ?
そう言えば俺、母さんと一緒にいることが長いのもあるけどあいつが何してるか全然知らないんだけど。
たまに俺に会いに来るぐらいだからな。
というか自分の姿は見たことがないがぶっちゃけ、俺は人間なんだろうか?
オッサンはガッツリ角生えちゃってるしな、それにしても魔法がある時点で異世界だってことはわかったんだが、それ以外の情報がまるでない。角がデフォルトなのか??けど、イメージ的にはそれは魔族なんだが、、。
そう考えると魔族ってのもイメージだけなのかも知れないな。うん。ワカンナイや。
情報がたりなさ過ぎてもはやどうしようもない。仕方ないから俺が知る事実を少し。
ここの家の驚きなのは使用人がいるということだろう。まじかブルジョワなのか!
それ以外にもココの家はどれくらいの位なんだ?家の作りはしっかりとしてるようだし(この部屋以外見たことはありません)、母さんの髪には艶もあってしっかりと手入れされている様子だしな。
考えてもわかんないこと考えても不毛だ。情報がほしい!歩きたい!部屋出たい!
けど、こればっかりは時の流れに任せるしかないか、、、トホホ。
にしても天井見つめてるだけのこの時間は一体何をしてたら良いのか。
世の赤子は日頃何をしているのか、、、。あ、食っちゃ寝してんのか。
けどなぁ、眠くないからなぁ。仕方ない、ベタに羊でも数えるか。
羊が1匹、羊が2匹、羊が3匹、羊が4匹、羊が5匹、羊が6匹、羊が7匹、羊が8匹、羊g
ガタガタッ
ん?なんの音だ?
突然頭上から聞こえた物音に俺は顔をしかめる。聞こえたのは天井の、、、上?
気にはなったがそれからは何もなかったかのように静かになったし俺の空耳か?
確かに聞こえんたんだけどなぁ、あれ?俺、今何回まで数えたっけ??
羊数えんのはヤメにしよう。もう一回数えんのは正直めんどくさいしな、、、。
母さんが起きてきてくれれば相手してもらえるんだが。、、、もはやしっかりと赤子だな、俺。

ガチャ

ん?母さんか?

「チュカ様ダメですって!」

「良いじゃん、ちょっとくらい!!私だってお世継ぎ様に会いたいんだってば!カイナだけ知ってるなんてズルいじゃん!!」

「ズルいって、、、そんな事言われましても私達使用人は許可は出せません!」

な、なんだなんだ。
どうやら、誰かが来てるみたいだが片方は使用人の声だけどもう片方の声は聞いたことがない声だな。

「いいじゃんさ〜!!」

「旦那様に許可をもらわないとなんとも、、、」

「ちょっとだけだからさぁ〜」

「そうは言っても、、、、」

「ん?チュカどうしたのだ?何かようでもあったか。」

ん?オッサン登場か。

「あ、旦那様!チュカ様が突然来て困ってたところだったんです!」

「げっ。アルバス様じゃないですかー。、、、ボソ、、朝のいなそうな時間を狙ったのに。」

アルバス様?オッサンってアルバスって名前なの?
初めて知ったんだけど。

「げっ。って、お前なぁ、、、。」

「いや、用ってわけでもないんですけど、その、なんというか、その、、、」

なんか、様子がおかしいぞ(まだ、姿は見れてません)
どうやら、使用人と押し問答をして騒いでいたのはチュカと言う少女でそれがオッサンの知り合いだと。
しかも、その関係は対等な友人といった感じでもなさそうだな。
友人だとしてもあれだがな。だって、オッサンに少女の友人とか、もう字面ですでに犯罪臭がするもん。
今の状況は、うーん、、、。
もう、よくわかんないや(放棄)

「もしかして、せがれに会いに来たのか?」

「ファッ!?なんでわかったんですか!」

驚いた様子でチュカは声を上げた。

「フフフ、、何を隠そう目的は私も同じだからだ!」

いや。お前もかよ!っていうか何でチュカちゃん(勝手に命名)は俺に会いに来てんの?
まぁ、赤ちゃんって基本的に人気者だよね。なら納得。
赤ちゃんの周りには人だかりとか出来てるイメージあるもん。(あくまでも想像です)

「おぉぉぉ〜!、、、、お?あれ、そういえばアルバス様。朝のお仕事はどうしたんです?」

は?仕事?おい、おっさん・・・

「い、いや。言ってもまだ朝方だからな。そう焦らなくても仕事など直にするさ。言うなれば、せがれとのふれあいが仕事に移る前の我の癒やしなのだよ。忙しくてなかなか会えんしな。」

まぁ、ツッコまなくてもいいか。結構な頻度であなた会いに来てますよね?何ていうのは無粋だよな。
どうしたってこのオッサンは俺の親で、俺はそのオッサンの息子なんだからな。
そりゃ心配ではあるんだろ。会いに来るぐらいは許してあげないと可哀相か。
それはそれ、これはこれだ。
なんか動揺してた点に関しては父親としての評価をマイナスしておこう。

「なんならチュカもせがれに会っていくか?」

「いいんですかアルバス様!」

「お、おぉ、いいぞ別に。って、お前は色んな意味で正直だな。一応の部下なんだから、へりくだれとは言わないがもう少し上の者への配慮を覚えろ。わかったか?」

「わかりましたって、アルバス様!で、お世継ぎ様はまだですか〜!」

何だろう、この微妙な上下関係。
話の内容から察するにオッサンのほうが立場は上なんだろう。多分?
俺は高校生だったから、会社のこととかはわからないけど、これはなぁ、どうなんだろう、、。
上下関係ゆるゆる過ぎない?え、いやまぁオッサンも気にしてないみたいだし良いけどさぁ。
社会ってこんな関係図だったの?まぁ、異世界だから基準がわからんがな。
それ以上にオッサンに対する様付は異端だけどな。

「はぁ〜。まぁ、いい。それよりも来るんだったらせがれと遊んでやってってくれ。我は仕事があるし、セラも手を離せない時がある。せがれはいつも暇を持て余してしまっているだろう。」

「え?来てよかったんですか!なら言ってくださいよ〜!!」

「そうか?別にダメと言ったつもりはなかったんだが、確かに許可を出したわけでもなかったな。奴らにも伝えてやっといてくれ。その気があるならいつでも来いとな。、、、、といってもお前は今聞いてないようだし、先にせがれと会わせてやるから伝えてやっといてくれ。わかったか?」

「わかったから早くしてくださいよう〜!アルバス様!」

「はぁ、もういい。ほら、奥のベットにいるのがせがれだ。」

ダダダッ

「お世継ぎ様!」

あうっ。
ビックリした、、。

「お〜!!可愛いです!なんだかちっちゃくて、守ってあげたくなる感じですねアルバス様!」

ありがとう?
やっと、視界に映ったが予想通りの見た目だな。
前世の同級生ぐらいか?

「ん?どうしたせがれ。はじめての相手にビックリしてるのか?」

いや、まぁ少しね。だって俺の知ってる人(?)っておっさんと母さんぐらいだからね。
それにしてもチュカちゃんね。
顔の造形は整っているし、相当かわいい部類に入るけどやっぱり角はあると。
けど、少し小さいかな?

「お世継ぎ様?私の顔になんかついてますか?」

やはり、俺も魔族の可能性が高いな。

「お世継ぎ様〜?」

魔族か、それはそれで案外悪くないかもな。
問題は人間と敵対しているかどうかだな。正直悪い人には見えないしなぁ。
まぁ、そもそも人ではないのだろうがな。

「そうかせがれよ。わかったぞ......」

何がわかったんだ?いきなりどうしたんだ...

「チュカ。せがれのことは名前で呼んでやってくれ。いつまでもお世継ぎ様じゃ、せがれが少し不憫だ。公式の場や、わきまえるときはたしかにそれでもいいが、積極的に接していくつもりなのだとしたらラウムとよんでやってほしい。自分のことを名前ではなく私の息子であることばかりを表に出され、無意識のうちにないがしろにされているように感じてしまっているのだろう。」

いや全然そんなこと思ってないんだけど。おっさんの観察眼はどうもビー玉のようだ。
まぁ、これでもおっさんは俺のことを考えてくれてるんだな。いっつも災害みたいなやつだと思ってたけど少し考えを変えてもいいかも...って、ちょい待てお前。一瞬いい話じゃないけど、なんかまとまりかけたがよく考えたらそれお前自身に対するブーメランじゃねーか。
おっさんこそ俺のことせがれとしか呼ばねーじゃん。
はぁ、危ない危ない。一瞬高感度上がるとこだったわ。あれ?案外俺ってチョロいの?

「アルバス様...わかりました。これから職務外ではラウム様と呼ばせていただきます!ラウム様のことを感がいてこれからも頑張ります。って、それは一度おいておいて。アルバス様自身にも言えることなんじゃないですかね?だって、アルバス様はラウム様の父親であるのにかかわらず、せがれとしか呼ばないじゃないですか?」

うん。それは俺も思った。よく言ったチュカちゃん!

「むっ。確かに言われてみれば私はせがれのことを名前で呼ぶことが少ないな。親父殿はわれのことをせがれとしか呼ばなかったものでな。確かに幼少期の私は少し切ないような、誇らしいような微妙な気持ちだったのを覚えている。そうか、あれは名を呼んでほしかったのだな。」

おっさん?表情が暗く影を落としたように感じた俺は目を見開いたが今はいつもと同じひょうひょうとした顔をしている。俺の見間違えか?

「よし、私もこれからはラウムと呼ぶことにしよう!」

なんかしらんがおっさんは俺のことをラウムと呼ぶようになったらしい。

「それにしてもさっきから表情が硬いぞ?そうかそうか。ラウムもきっと緊張しているのかもしれないな・・・ほら、チュカみてみろ。我相手ならこんなにも笑ってくれるぞ?ほら〜父だぞ〜いないいない...ばぁ〜。」

何やってんだこのおっさん...

「その、アルバス様...すっごい目で睨んでるんですけど。」

「・・・・そういう時もあるのだろう。いつもならせがれの笑顔が見れるんだが今日は初めての相手もいて緊張してるんだ。そうだな!で、ではそういうことだチュカ。我々はそろそろ仕事にとりかかろう。」

「え〜、そんな!来たばっかじゃないですかぁ!!」

「ほ、ほら行くぞ(泣)」

「それ半分以上が八つ当たりじゃないですか!?もうっ。ラウム様〜、また来ますからね〜!」

チュカはおっさんを追うように、どたどたと足音をたてて部屋を飛び出していった。
何だったのだろう。すげぇ嵐みたいに一瞬で来て、一瞬で去っていったな...。
おっさんは仕事でいなくなって、チュカも仕事。あれ?仕事してないの俺だけなの?しかたない、不本意だが赤子は食っちゃ寝が仕事らしいし俺も赤子らしく仕事に取り掛かることにしますかね。
暇を持て余した俺は再度眠りにつくのだった。






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