魔王の息子に転生!?温室育ちの異世界チートライフ!!

老獪なプリン

転生編 1話

眩しい。光が差し込むのが目を閉じていても分かる。薄い瞼を照らすその光は強く目を開けることがはばかられる。
しかし、どうしてこんなに明るいんだ?俺の部屋の窓、西向きだから朝日入ってこないはずだけどなあ。
けどなんか心地いいっていうかふわふわしてる。
もう朝かあ、学校いかないとなあ、、、、、、、学校?待て、何か忘れてる。忘れてはいけない。それしか分からないが
学校、、、教室、、、、、クラス、、担任、、、、はっ、、先生!
そうだ、俺は先生と帰ってたら悲鳴があがって、先生をかばって変な男に刺されたあと気をうしなって、、、じゃあここはどこなんだ。
そのこと気づきに俺は困惑した。まだ目はうまくあかないがここがどこか確かめなければ。
俺は体を起こした。しかし、寝起きのせいかわからないが体がうまく動かない、起き上がるのにいつも以上に時間かかった。やっとのことで体をおこした俺の視界に移ったのは見たことがない部屋だった。俺の部屋とはまるで景色違う。ベッドが二つにアンティーク調の机がある。
それになんというか家具とか全体的に大きい。俺の知っている家具の三倍はありそうだ。
いや違う、寸法を見るに特別大きなものはない。そのすべてが大きいのなら、もしそれが通常サイズであると仮定したならこの際考えられ答えはただ一つ
俺のほうが小さいということだ。
そんな馬鹿な話があるか!?いやけどここから考えられるのこれぐらいだしなあ。
忘れてたけど脇腹の傷は痛まないなあ、、、ん?俺は自分の身体を触ってみると傷はなかった、そしてそれと同時に俺は自分が小さくなっただけではないことも理解した。俺がただそのまま小さくなったんじゃあない。俺の手足は細く、か弱く、柔らかな透明感のあるもち肌はどう見ても赤子のものだった。そもそもの身体ごとが小さくなったんだあ!
これで現実では病室のベットの上ですとかはやだなあ、、、。
しかしホントに夢にしてはリアルすぎるなあ、、、。
試しに、えいっ。俺は自分のほほを強くつねってみた。痛ったあああああい!ってことは、、、、、、、
えええええええええええええええ!?
マジか!おれリアル転生したのか。
けど、だからといって純粋に喜ぶこともできやしないな。転生したってことは俺はやっぱり死んだってことだ。つまりもう先生とは会えないんだな、、、、。
いや、記憶はありがたいことに残ってる。たとえこここが日本じゃなくてアメリカとかだったとしても海を越えて絶対に会いにいってやるからな!
俺は決意したぞおおおおおおおおおお。
でもそれよりまず本当にここってどこなんだろうな。日本だったらいいけど、あのアンティーク調の家具は日本っぽくないしなあ。ニ〇リってあんなの売ってたっけ?
しかし、日本じゃないならここは処だろうなあ。今一つ状況の把握ができていない俺は頭をひねった。
ダッ ダッダ
思案が頭を廻るが、誰かの足音がそれをさえぎった。
さあ誰が出てくるか、、、。
ガチャッ、勢いよく開けられた扉の先に映ったのは、、、、、、、、、、、、
















頭に二つの立派な角を生やした男の姿だった。
えっ?角?えっ?ドユコト???

「おお、愛しの我がせがれよ。もう目が覚めたのか?そうかそうか、起きたら周りに誰もいないのではせがれもさみしかったろう。どおれ父が今そこへ行くぞ!」

角を生やしたおっさんはご機嫌な調子でこちらへにじり寄る。
まあ、おっさんってほど年は行ってないだろうが、顔からしてまず日本人じゃなさそうだし、ここが日本っていうのは希望薄かな、、、、、。

「恥ずかしがっておるのか?気にするな、我はお前の父ぞ。父なのだぞ!」

子供相手にムキになんなよ、、、、。分かったからそんな何回も言わなくたってお前が俺の父親だってことは、、、、、、って、え?お前が俺の父親なの??
嘘でしょ?こんなに痛いコスプレしてるおじさんが俺の親?
おいおいおい、それはさすがに笑えねえぞ。ただでさ記憶を持って転生するっていう、よくわかんない状況なのにお前の存在はもうキャパシティオーバーだ、、、、。
しかも喋り方にも難があるしなあ。一人称が我って何、、、。

「そんな渋い顔をしてなんだ!不満でもあるかのようじゃないか!!」

俺そんな顔に出てた?でもさあ、、、。
けど今は悩んでも仕方ないな、子供は親を選べないしなあ。自分が置かれている状況がわからない以上、俺がするべきなのは、親が痛いコスプレイヤーだって事実を嘆く事じゃない。この状況をより鮮明にするための情報収集だ。せめて、ここがどこの国にあるのかくらいは聞きたいもんだがな。あの〜

「だああだあ(ここはどこですか?)」

へ?自分の口から出たのは思い描いていた言葉ではなく、赤子の声だった。

「おお、そうかせがれは抱きかかえて欲しいのだな!」

ちっ、違ううう。何を勘違いしたのかおっさんは俺を抱きかかえた。
そうか、別に俺が話せるようになったわけではないのか、、、?あれ、じゃあ俺はなんで言葉がわかるんだろう?
そういえば、ずっとおっさんの話してる内容は理解ができた。
けど、明らかにおっさんは日本人じゃない。その子である俺だってそうだろう。
俺が生前日本人であったからということでは説明が付かない。
うううん?

「どうかしたのか?せがれ?」

わからん。ひとまずこれは置いておこう。言葉が理解できること自体は便利だしまあいいか。
まるで情報が足りない。
うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん、、、、

「せがれよ、本当にどうしたのだ、そんな頭を抱えて。まるで考え込んでいるようだが、お主はまだ赤子だというのに行動がいちいち大人のそれだな。なんというか、おまえホントに赤子なのか?」

それはおっさんの冗談だったのかもしれない。けど、俺にそれを判断する余裕がなかったのだ。
ギクッ、やべえな。ばれたらどうしよう研究室でモルモットとして実験とかされちゃうのか、、、、、。
嫌だ!!!!そんなの絶対ばれてたまるもんか。
俺は無心で首を横に振った。

「んんんぬううううううう(ちがいますううううううううううううう)」

少し引き気味な様子でおっさんはいう。

「な、、なんというか必死だな。、、、、、、、、、、、ボソ、、冗談のつもりだったが、もしや本当に理解して、、、、」

不審に思われてしまっただろうか。おっさんはすこし考え込むようにうつむく。
俺が心配になり顔をのぞき込むとさっきのことは何でもなかったかのようにもとの眩しい笑顔にもどった。

「いやあ、そんなことはないか。なあに、ただの親バカだろう。せがれが我にとって特別なのは当たり前だが、親の期待やら妄想までもを押し付けるのは酷ってもんだろうな。」

おっさんは静かに俺をベッドに下した。
(゜Д゜)ハッハッハと高笑いする姿から察するにばれずに済んだのだろう。
よかったあ、、、。けど、さっきの後半なんて言ってたんだろ?ぼそぼそ言ってなんて言ってるかわからなかったけどまあいっか!ばれなくてよかったああああああああ。
ホント緊張したなあ。
このときの俺は緊張から解放された安堵から気づけていなかった。
おっさんが俺のことを確かに値踏みするように見下ろしていたことに。

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