Virtual World of WarⅢ・仮想世界の戦争
第11話
「ただいま」
「あっ、お帰りなさぁい」
まるで…そう!新妻のようにエプロンをかけた柚木が玄関前に立っていた……。いやちょっと待て?
「何で…。お前いるの?だって、今日父さんは海外に飛び立っていないはずなのに……」
俺は玄関の鍵を急いで確認する。
鍵にはテレビで見るピッキングのような跡はなく、指紋認証、DNA認証も共に正常に作動中だった。
「う~んとねぇ、私が丁度帰ってきた時、諭吉ちゃんのお父さんとあってねぇ~、『諭吉の面倒をいつも見てくれてありがとうね~柚木ちゃん。あっそうだ!これから諭吉の監視…監督責務のために柚木ちゃんの指紋とDNA取っておく?』って言われたから、取っておいたの~」
「ちょっと待て、それはつまりあれか?俺がいないときでもお前はこの家に入れるってか!?」
「そだよぉ」
うっそやろ、おい…。というかあの親父!何勝手にしてくれてんだ!それじゃあ指紋認証もDNA認証も全く持って意味がなくなるやないか…。
というか、それはたから見れば女子高生を家に誘い込むおじさんとも見えてしまうんじゃね?!親父も親父だが、柚木もちょっとは遠慮ってものをしろよ!
そう俺がそう嘆いていると…
「ダメ…だった?」
「うぐっ!」
俺の弱点を答えなさいと言われれば、俺は間違いなく、幼馴染!と答えてしまうだろう。もうね…、柚木を正面から説教できる人は国民勲章を授与してもいいと思う。それほど彼女の上目遣いは強烈だった。
俺の今の理性をMAX100で表すなら…。そう!―120今ので削られたことになる。
「……。はぁ、わかった、だがこれだけ言わせてくれ。俺の部屋に勝手に入るな。いいか?守れるか?」
「うん!」
満面の笑顔を見せた柚木は、それはそれは嬉しそうにリビングへと入っていった。
まぁ、それだけいておけば大丈夫だろう。通帳や貴重品はすべて実家に置いてきてあるし、食事の多くは柚木の家の残り物だったりするから…。
「あっ!諭吉ちゃん!お風呂ももう沸いているから先にはいってきて~!」
「へいヘい…。」
ここまで来ると、もうあれはお母さんだな…。
何故ここまでやってくれるのか?そんな柚木に対する疑問を抱きつつ、俺は寝間着を取りに行くために2階の自室へと上がっていった。
『続いてのニュースです。今日午前○○時○○分ごろ、東京都港区で都内の大学に通う19歳の男性の遺体が発見されました。警察関係者への調べによりますと、遺体で見つかった男性は仰向けになり首筋に噛み跡があったとのことです。発見時、男性はVRにログイン中だったこともあり、警察では殺人事件の可能性として捜査を続けております。さて、続いてはぺぺ……』
ピッ
俺はおもむろにテレビの電源を切る。続いてのニュースがそこそこ気になる内容だったが…
「怖い事件だね~」
「そうだな。遠く離れた東京であった事とはいえ恐ろし事件だな…。」
よく出汁の利いたみそ汁を啜る。
今日はずいぶんと顔ぶれのいい食卓だった。から揚げ、キャベツとブロッコリーのサラダ、豆腐の味噌汁…。
から揚げもジューシーで生焼け何足していないあたり、柚木のお母さんが作ったのだろう。もしこれが柚木の作ったものだとすると、俺は柚木への印象を180度変えなければならない。
「ああ!諭吉ちゃん、から揚げばっかり食べすぎだよぉ」
「ん?そうか?」
「そうだよ~…」
確かに、ご飯の上にはから揚げが2つ乗っているのだが。
「もっとお野菜もたべてあげてよ~!」
「はいはい。」
柚木の扱い方、逆らってはいけない。彼女に口喧嘩で挑もうとするな、彼女に負けを認めさせるのは10年かかるぞ!こういうときも、きちんと聞くこと。
扱い方に従い、俺はお茶碗を一回置き、サラダに手を付け始めた。
うん!美味い。
キャベツのシャキシャキ感、ポン酢の酸っぱさ、それを補うかのようなブロッコリーのうま味。これは手がやめられなくなりそうだ。
気が付けば、俺はから揚げそっちのけで、サラダばっかり食っていた。すると…
「諭吉ちゃん!」
「どうした?」
「サラダばっかり食べすぎ!男の子なんだからから揚げやご飯も食べないと~!」
「どっちだよ?!」
あれですか?ご飯ばっかり食っていればサラダを食えと言われて、サラダばっかり食っているとご飯を食えという事ですか?無限ループのパターンですか?
「つまりね、両方交互に食べてといいたいの~!」
柚木は頬を膨らませ、ぷんぷん怒っている。
っと、その膨らんでいた頬が縮まり
「ねぇ、諭吉ちゃん。所属希望国家決めた?」
そう聞いてきた。
「いや、まだ決めていないが…。」
「そ、それならさぁ、一緒に欧州・アフリカ連合体にはいろうよぉ!」
「そりゃまた何で?」
「う、ううん、特に意味はないんだけど、バランスとかから見たんだけど…だめ?」
「いや、いいけど」
特にこれといって決まってたわけじゃないし、まあ柚木がそういうなら欧州・アフリカ連合体でもいいか。
「やったぁ、ありがと~。じゃあ、今日の8時くらい、ログインできる?」
「8時…。ああ、できるぞ」
「じゃあじゃあ、陣営都市の初期リスポーン地点の広場で待ち合わせだよ~。諭吉ちゃん、アカウント名はなんていうの?」
「1万円先生」
「1万円先生だね、ありがと~、私はユズだよ~。じゃあ後でねぇ~」
そういって、柚木は家を飛び出していった。
一人寂しく残った俺は、早々に食事を終え、8時までの時間をつぶすことにした。…アカウント名が1万円先生の件に柚木はツッコまずに行っちゃったよ…。
「あっ、お帰りなさぁい」
まるで…そう!新妻のようにエプロンをかけた柚木が玄関前に立っていた……。いやちょっと待て?
「何で…。お前いるの?だって、今日父さんは海外に飛び立っていないはずなのに……」
俺は玄関の鍵を急いで確認する。
鍵にはテレビで見るピッキングのような跡はなく、指紋認証、DNA認証も共に正常に作動中だった。
「う~んとねぇ、私が丁度帰ってきた時、諭吉ちゃんのお父さんとあってねぇ~、『諭吉の面倒をいつも見てくれてありがとうね~柚木ちゃん。あっそうだ!これから諭吉の監視…監督責務のために柚木ちゃんの指紋とDNA取っておく?』って言われたから、取っておいたの~」
「ちょっと待て、それはつまりあれか?俺がいないときでもお前はこの家に入れるってか!?」
「そだよぉ」
うっそやろ、おい…。というかあの親父!何勝手にしてくれてんだ!それじゃあ指紋認証もDNA認証も全く持って意味がなくなるやないか…。
というか、それはたから見れば女子高生を家に誘い込むおじさんとも見えてしまうんじゃね?!親父も親父だが、柚木もちょっとは遠慮ってものをしろよ!
そう俺がそう嘆いていると…
「ダメ…だった?」
「うぐっ!」
俺の弱点を答えなさいと言われれば、俺は間違いなく、幼馴染!と答えてしまうだろう。もうね…、柚木を正面から説教できる人は国民勲章を授与してもいいと思う。それほど彼女の上目遣いは強烈だった。
俺の今の理性をMAX100で表すなら…。そう!―120今ので削られたことになる。
「……。はぁ、わかった、だがこれだけ言わせてくれ。俺の部屋に勝手に入るな。いいか?守れるか?」
「うん!」
満面の笑顔を見せた柚木は、それはそれは嬉しそうにリビングへと入っていった。
まぁ、それだけいておけば大丈夫だろう。通帳や貴重品はすべて実家に置いてきてあるし、食事の多くは柚木の家の残り物だったりするから…。
「あっ!諭吉ちゃん!お風呂ももう沸いているから先にはいってきて~!」
「へいヘい…。」
ここまで来ると、もうあれはお母さんだな…。
何故ここまでやってくれるのか?そんな柚木に対する疑問を抱きつつ、俺は寝間着を取りに行くために2階の自室へと上がっていった。
『続いてのニュースです。今日午前○○時○○分ごろ、東京都港区で都内の大学に通う19歳の男性の遺体が発見されました。警察関係者への調べによりますと、遺体で見つかった男性は仰向けになり首筋に噛み跡があったとのことです。発見時、男性はVRにログイン中だったこともあり、警察では殺人事件の可能性として捜査を続けております。さて、続いてはぺぺ……』
ピッ
俺はおもむろにテレビの電源を切る。続いてのニュースがそこそこ気になる内容だったが…
「怖い事件だね~」
「そうだな。遠く離れた東京であった事とはいえ恐ろし事件だな…。」
よく出汁の利いたみそ汁を啜る。
今日はずいぶんと顔ぶれのいい食卓だった。から揚げ、キャベツとブロッコリーのサラダ、豆腐の味噌汁…。
から揚げもジューシーで生焼け何足していないあたり、柚木のお母さんが作ったのだろう。もしこれが柚木の作ったものだとすると、俺は柚木への印象を180度変えなければならない。
「ああ!諭吉ちゃん、から揚げばっかり食べすぎだよぉ」
「ん?そうか?」
「そうだよ~…」
確かに、ご飯の上にはから揚げが2つ乗っているのだが。
「もっとお野菜もたべてあげてよ~!」
「はいはい。」
柚木の扱い方、逆らってはいけない。彼女に口喧嘩で挑もうとするな、彼女に負けを認めさせるのは10年かかるぞ!こういうときも、きちんと聞くこと。
扱い方に従い、俺はお茶碗を一回置き、サラダに手を付け始めた。
うん!美味い。
キャベツのシャキシャキ感、ポン酢の酸っぱさ、それを補うかのようなブロッコリーのうま味。これは手がやめられなくなりそうだ。
気が付けば、俺はから揚げそっちのけで、サラダばっかり食っていた。すると…
「諭吉ちゃん!」
「どうした?」
「サラダばっかり食べすぎ!男の子なんだからから揚げやご飯も食べないと~!」
「どっちだよ?!」
あれですか?ご飯ばっかり食っていればサラダを食えと言われて、サラダばっかり食っているとご飯を食えという事ですか?無限ループのパターンですか?
「つまりね、両方交互に食べてといいたいの~!」
柚木は頬を膨らませ、ぷんぷん怒っている。
っと、その膨らんでいた頬が縮まり
「ねぇ、諭吉ちゃん。所属希望国家決めた?」
そう聞いてきた。
「いや、まだ決めていないが…。」
「そ、それならさぁ、一緒に欧州・アフリカ連合体にはいろうよぉ!」
「そりゃまた何で?」
「う、ううん、特に意味はないんだけど、バランスとかから見たんだけど…だめ?」
「いや、いいけど」
特にこれといって決まってたわけじゃないし、まあ柚木がそういうなら欧州・アフリカ連合体でもいいか。
「やったぁ、ありがと~。じゃあ、今日の8時くらい、ログインできる?」
「8時…。ああ、できるぞ」
「じゃあじゃあ、陣営都市の初期リスポーン地点の広場で待ち合わせだよ~。諭吉ちゃん、アカウント名はなんていうの?」
「1万円先生」
「1万円先生だね、ありがと~、私はユズだよ~。じゃあ後でねぇ~」
そういって、柚木は家を飛び出していった。
一人寂しく残った俺は、早々に食事を終え、8時までの時間をつぶすことにした。…アカウント名が1万円先生の件に柚木はツッコまずに行っちゃったよ…。
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