Virtual World of WarⅢ・仮想世界の戦争
新第4話
「ねぇ、諭吉ちゃんは陣営どうするのぉ~?」
十条といつもの横断歩道で別れた諭吉と柚木は二人の家がだいぶ近くなってきた時、突然ではないが柚木の方から口を開いた。
帰り道ともあって疲れがたまっている二人は、先ほどまで無言で歩くことが多かったのに…。
「いや…まだ決めてないんだよなぁ…。柚木は?」
「うーん、攻略本を見る限りバランスがいいのはアメリカ合衆国連合かなぁ…でも~…」
諭吉は、柚木がぽきゅ?と小さく首を傾げた時、不覚にも可愛いと思ってしまった。理性が持ってよかったものの、人によれば一発で理性が消え去る人がいるかもしれない。
「新陣営とかは作れないのか?」
「うーん。利用規約には今そんなことはぁ書いてないよぉ」
噂ではあったが、彼は新陣営の設立方法がある…。という話をうっすらだが聞いたことがあった。だが、もちろんそれは噂である。
っと、柚木が急に財布を取り出し…
「あっ、諭吉ちゃんごめんねぇ~、私買い物があるんだぁ…。持ってくれてありがと~、もう大丈夫だよ」
「おっ、おう。気をつけて帰ろよ」
自転車のかごの一番上にでかでかと乗ってあったVR機を持ち、一足先に家の方へと走って帰っていった。
諭吉はその柚木の姿を静かに静かに見送りながら、自宅の駐車場に自転車を止め家へと戻っていった。
「ただいま」
「お、お帰り!」
家の中、リビングから、ひょいっと珍しい人が顔を出した。
「父さん…」
「よっ、久しぶりだな」
木津川 諭吉の実の父親、木津川 圭一の姿であった。
彼の父の経歴がとにかく凄くて、東京大学経済学部卒業後、国家公務員試験を合格し経産省に入省、だが数十年で退職、その後どこかの会社の役員を歴任、その後は海外勤務が基本の職へと就いた。現在43歳、立派な髭と髪を持ち、英国紳士のようだっと、近隣住民から言われている。
出身は愛知県。圭一の父は様々な業界に顔が利くという、国際的にも謎な人たちであった。
まぁ、諭吉も相当変わりものなので、CIAからは、『彼ケイイチの一族は変だ。有能ではあるが、変態的だ』とまで言われている。
なおケイイチの秘密性格の一つで、反抗主義でもあり人に縛られるのを極端に嫌う人だった。
おっと、何故CIAの名が出てきたかは伏せておかねば。
「帰ってたんなら、連絡してくれよ…」
「いやぁ、すまん。ん?何だお前、買い物に行っていたのか?」
「ああ、友人と柚木とVRを買いに…。」
「おっ!VRかぁ、懐かしいな…。父さん昔ゲームを作っていたことがあってな…。皇天堂の役員もやっていたぞ!」
「マジで!」
諭吉は絶句した。ついでに関係ない小説家も絶句した。
父親の職業の一つであった、どこかの会社の役員だったがまさか大手ゲーム会社だったとは…。諭吉はそう率直に感じた。
そして、彼には新たな疑問も生まれる。
「えっ?っていう事は、父さん今の職業何なの?」
「……」
圭一の現在の職業である。今も会社の役員だ。諭吉は父親からそう聞かされていた。母親も同じことを聞かされていただろう。だが、役員が何故海外に勤務するのか。彼はそこが気になり、次第にそれが嘘なのだろう…と感じ始めていた。
だが、それをいくら問い詰めても、目をそらされ、口笛を吹きながら誤魔化されるばっかりだった。今も…
諭吉は怪訝な顔で父親を見ていたが、おそらく圭一は墓場まで持っていきそうなので、もう聞くのを諦めた。
父親が元役員を務めていた会社の作ったVRを箱から中身を取り出し、ここで初めて生でVRを見た。VR機器はヘッドギアタイプで、最高充電で22日は持つ大容量バッテリー付きでもあった。
「ん?早速遊ぶのか?」
「そうだけど…?」
「そうか…。しかし弱ったな、晩ご飯の時間を知らせることが出来んな…。」
「ああ、それなら安心して。付属の小型端末のメッセージ機能で内部と外部を通信できるらしいから、ご飯が出来たらそれで呼んで」
諭吉はACアダプターを本体としっかりと接続し、充電マークが充電中のオレンジ色に変わる。
そして、本体に付属のWWⅢのソフトを挿入し、ヘッドギアご頭から装着した。
そして首あたりに位置する電源ボタンを一回押す。
『製造番号11922960、N型VR機すべての維持能力が正常化されました。ただいま身体スキャン中です。ただいま身体スキャン中です…。しばらくお待ちください』
彼の耳元で機械合成音声が流れてくる。だが、そこ声は不思議なことにまるで人間が話しているかのような喋りであった。
ああ、そうそう。いくらフルダイブ型とはいえ、5感の一つ聴覚は脳へのダイレクトではなく、高性能ヘッドフォンでの音声になった。
爆音で聴覚機能がやられたら元も子もないしな。
『スキャンが完了しました。更新プログラム、ウイルス対策プログラムのアップデート中です…………。完了しました、メインホールへのアクセスが可能です。アクセスしますか?YES?NO?』
「イエス」
彼はそれだけを告げた。
『YESを選択されました………。アカウントの作成が必要です。政策画面へ移行します』
メインホール行けるんじゃないんかぁい!そう盛大に彼はツッコんだ。心の中でだが…
まぁ、そのツッコミはどこかの変人的小説家以外には特に伝わっておらず、泣く泣く彼は自分のアカウントを新規で制作した。
そしてメインホールへ移動したその時、
ピロン
外部からのメールが来た。
『飯、戻ってこい!』
彼の父親からの連絡である。
ご飯は温かいうちに食べたい派の諭吉は、ログアウトを自身のウィンドウから探し出し、ログアウトした。
十条といつもの横断歩道で別れた諭吉と柚木は二人の家がだいぶ近くなってきた時、突然ではないが柚木の方から口を開いた。
帰り道ともあって疲れがたまっている二人は、先ほどまで無言で歩くことが多かったのに…。
「いや…まだ決めてないんだよなぁ…。柚木は?」
「うーん、攻略本を見る限りバランスがいいのはアメリカ合衆国連合かなぁ…でも~…」
諭吉は、柚木がぽきゅ?と小さく首を傾げた時、不覚にも可愛いと思ってしまった。理性が持ってよかったものの、人によれば一発で理性が消え去る人がいるかもしれない。
「新陣営とかは作れないのか?」
「うーん。利用規約には今そんなことはぁ書いてないよぉ」
噂ではあったが、彼は新陣営の設立方法がある…。という話をうっすらだが聞いたことがあった。だが、もちろんそれは噂である。
っと、柚木が急に財布を取り出し…
「あっ、諭吉ちゃんごめんねぇ~、私買い物があるんだぁ…。持ってくれてありがと~、もう大丈夫だよ」
「おっ、おう。気をつけて帰ろよ」
自転車のかごの一番上にでかでかと乗ってあったVR機を持ち、一足先に家の方へと走って帰っていった。
諭吉はその柚木の姿を静かに静かに見送りながら、自宅の駐車場に自転車を止め家へと戻っていった。
「ただいま」
「お、お帰り!」
家の中、リビングから、ひょいっと珍しい人が顔を出した。
「父さん…」
「よっ、久しぶりだな」
木津川 諭吉の実の父親、木津川 圭一の姿であった。
彼の父の経歴がとにかく凄くて、東京大学経済学部卒業後、国家公務員試験を合格し経産省に入省、だが数十年で退職、その後どこかの会社の役員を歴任、その後は海外勤務が基本の職へと就いた。現在43歳、立派な髭と髪を持ち、英国紳士のようだっと、近隣住民から言われている。
出身は愛知県。圭一の父は様々な業界に顔が利くという、国際的にも謎な人たちであった。
まぁ、諭吉も相当変わりものなので、CIAからは、『彼ケイイチの一族は変だ。有能ではあるが、変態的だ』とまで言われている。
なおケイイチの秘密性格の一つで、反抗主義でもあり人に縛られるのを極端に嫌う人だった。
おっと、何故CIAの名が出てきたかは伏せておかねば。
「帰ってたんなら、連絡してくれよ…」
「いやぁ、すまん。ん?何だお前、買い物に行っていたのか?」
「ああ、友人と柚木とVRを買いに…。」
「おっ!VRかぁ、懐かしいな…。父さん昔ゲームを作っていたことがあってな…。皇天堂の役員もやっていたぞ!」
「マジで!」
諭吉は絶句した。ついでに関係ない小説家も絶句した。
父親の職業の一つであった、どこかの会社の役員だったがまさか大手ゲーム会社だったとは…。諭吉はそう率直に感じた。
そして、彼には新たな疑問も生まれる。
「えっ?っていう事は、父さん今の職業何なの?」
「……」
圭一の現在の職業である。今も会社の役員だ。諭吉は父親からそう聞かされていた。母親も同じことを聞かされていただろう。だが、役員が何故海外に勤務するのか。彼はそこが気になり、次第にそれが嘘なのだろう…と感じ始めていた。
だが、それをいくら問い詰めても、目をそらされ、口笛を吹きながら誤魔化されるばっかりだった。今も…
諭吉は怪訝な顔で父親を見ていたが、おそらく圭一は墓場まで持っていきそうなので、もう聞くのを諦めた。
父親が元役員を務めていた会社の作ったVRを箱から中身を取り出し、ここで初めて生でVRを見た。VR機器はヘッドギアタイプで、最高充電で22日は持つ大容量バッテリー付きでもあった。
「ん?早速遊ぶのか?」
「そうだけど…?」
「そうか…。しかし弱ったな、晩ご飯の時間を知らせることが出来んな…。」
「ああ、それなら安心して。付属の小型端末のメッセージ機能で内部と外部を通信できるらしいから、ご飯が出来たらそれで呼んで」
諭吉はACアダプターを本体としっかりと接続し、充電マークが充電中のオレンジ色に変わる。
そして、本体に付属のWWⅢのソフトを挿入し、ヘッドギアご頭から装着した。
そして首あたりに位置する電源ボタンを一回押す。
『製造番号11922960、N型VR機すべての維持能力が正常化されました。ただいま身体スキャン中です。ただいま身体スキャン中です…。しばらくお待ちください』
彼の耳元で機械合成音声が流れてくる。だが、そこ声は不思議なことにまるで人間が話しているかのような喋りであった。
ああ、そうそう。いくらフルダイブ型とはいえ、5感の一つ聴覚は脳へのダイレクトではなく、高性能ヘッドフォンでの音声になった。
爆音で聴覚機能がやられたら元も子もないしな。
『スキャンが完了しました。更新プログラム、ウイルス対策プログラムのアップデート中です…………。完了しました、メインホールへのアクセスが可能です。アクセスしますか?YES?NO?』
「イエス」
彼はそれだけを告げた。
『YESを選択されました………。アカウントの作成が必要です。政策画面へ移行します』
メインホール行けるんじゃないんかぁい!そう盛大に彼はツッコんだ。心の中でだが…
まぁ、そのツッコミはどこかの変人的小説家以外には特に伝わっておらず、泣く泣く彼は自分のアカウントを新規で制作した。
そしてメインホールへ移動したその時、
ピロン
外部からのメールが来た。
『飯、戻ってこい!』
彼の父親からの連絡である。
ご飯は温かいうちに食べたい派の諭吉は、ログアウトを自身のウィンドウから探し出し、ログアウトした。
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