無能魔術師の武器 ~Weapon Construction~
第2話 グランドクラス
「なんだ、沢口?」
今、俺は階段で絡まれている。相手は沢口駿俺のクラスメイトだ。まぁ、特に仲いいわけなく相手も、
「俺さ、今日ゲーセン行きてぇんだけどよ、金貸せよ。」
俺のことなんて財布くらいにしか思ってないだろう。
「悪い持っていない。」
「ああ、嘘ついてんじゃねぇぞ!」
「生憎だが本当に持ってない。諦めてくれ。」
「ったくよ、使えねえな!」
そして、俺は頬を殴られ階段から転げ落ちる。受け身をとったから問題はない。階段の上からはクスクス声が聞こえる。
「あとよ、お前と一緒の空気吸ってんの辛いんだわ。分かるか?おい。」
 
次は腹を蹴られた。鈍い痛みが体を走る。そして、踏みつけた。
「どうせお前の居場所なんてここには無いんだからよ、学校来んじゃねえよ。「第一階級無魔法 吹き飛ばし」」
そして、当て付けのように撃たれた魔法は思いっきり俺は吹き飛ばされた。壁にぶつけられ背が痛い。
「はぁすっきりした。」
そして、俺は解放された。軋み痛む骨を我慢しながらまた階段を登る。耳にさわるクスクス声を無視しながら。手すりをたよりに一段ずつ。
そして、やっと最後の一段を上りドアノブを掴む。さて、景色を見ながら菓子パンを味わうか。
「誰?」
俺の特等席に女が座っていた。銀の長髪で蒼眼の女。可愛いと思ったが、どうせ俺が無能と知ったら余裕で蔑むだろう。
「人に名前を聞くときは自分が先に名乗れって教えられなかった?」
「それもそうね。今日グランドクラスに転校してきた1年の氷崎 零華よ。よろしくね。」
「グランド……化身持ちか……」
この高校は実力でクラス分けされている。普通はA、B、C、Dと分かれているがその中で化身……圧倒的魔力のため魔力そのものが意思を持ち自律し実体化した姿を持つ並外れた能力を持った人がグランドクラスの生徒となる。
「そう、あなたは?」
「黒宮 優、あんたと同じ1年、クラスはD。」
「ねぇ、何系統の魔法が得意?」
「使えねぇ。俺は無能だよ。」
俺は菓子パンを口に頬張った。甘味が口の中に広がるのと裏腹に心は虚無感が広がった。鳥の鳴き声が妙に大きく聞こえた。
「そうか、ごめんね辛いこと聞いて。」
「別にいいよ。もう慣れた。」
「その痛みにも?」
すると、彼女は俺のさっき殴られた頬を撫でた。
「第二階級光魔法 治癒」
体は光に包まれ傷が治り痛みがひいていく。手のひらの温もりに俺は懐かしさを覚えた。すると、チャイムが屋上に鳴り響く。
「あ、そろそろ行かないと、じゃあね優くん。」
彼女はドアノブを握りドアの向こう側に行く。太陽に透けた銀色の髪が一番眩しく見えた。
「いきなり名前呼びかよ。」
もう痛くない頬を撫でながら呟いた。
今、俺は階段で絡まれている。相手は沢口駿俺のクラスメイトだ。まぁ、特に仲いいわけなく相手も、
「俺さ、今日ゲーセン行きてぇんだけどよ、金貸せよ。」
俺のことなんて財布くらいにしか思ってないだろう。
「悪い持っていない。」
「ああ、嘘ついてんじゃねぇぞ!」
「生憎だが本当に持ってない。諦めてくれ。」
「ったくよ、使えねえな!」
そして、俺は頬を殴られ階段から転げ落ちる。受け身をとったから問題はない。階段の上からはクスクス声が聞こえる。
「あとよ、お前と一緒の空気吸ってんの辛いんだわ。分かるか?おい。」
 
次は腹を蹴られた。鈍い痛みが体を走る。そして、踏みつけた。
「どうせお前の居場所なんてここには無いんだからよ、学校来んじゃねえよ。「第一階級無魔法 吹き飛ばし」」
そして、当て付けのように撃たれた魔法は思いっきり俺は吹き飛ばされた。壁にぶつけられ背が痛い。
「はぁすっきりした。」
そして、俺は解放された。軋み痛む骨を我慢しながらまた階段を登る。耳にさわるクスクス声を無視しながら。手すりをたよりに一段ずつ。
そして、やっと最後の一段を上りドアノブを掴む。さて、景色を見ながら菓子パンを味わうか。
「誰?」
俺の特等席に女が座っていた。銀の長髪で蒼眼の女。可愛いと思ったが、どうせ俺が無能と知ったら余裕で蔑むだろう。
「人に名前を聞くときは自分が先に名乗れって教えられなかった?」
「それもそうね。今日グランドクラスに転校してきた1年の氷崎 零華よ。よろしくね。」
「グランド……化身持ちか……」
この高校は実力でクラス分けされている。普通はA、B、C、Dと分かれているがその中で化身……圧倒的魔力のため魔力そのものが意思を持ち自律し実体化した姿を持つ並外れた能力を持った人がグランドクラスの生徒となる。
「そう、あなたは?」
「黒宮 優、あんたと同じ1年、クラスはD。」
「ねぇ、何系統の魔法が得意?」
「使えねぇ。俺は無能だよ。」
俺は菓子パンを口に頬張った。甘味が口の中に広がるのと裏腹に心は虚無感が広がった。鳥の鳴き声が妙に大きく聞こえた。
「そうか、ごめんね辛いこと聞いて。」
「別にいいよ。もう慣れた。」
「その痛みにも?」
すると、彼女は俺のさっき殴られた頬を撫でた。
「第二階級光魔法 治癒」
体は光に包まれ傷が治り痛みがひいていく。手のひらの温もりに俺は懐かしさを覚えた。すると、チャイムが屋上に鳴り響く。
「あ、そろそろ行かないと、じゃあね優くん。」
彼女はドアノブを握りドアの向こう側に行く。太陽に透けた銀色の髪が一番眩しく見えた。
「いきなり名前呼びかよ。」
もう痛くない頬を撫でながら呟いた。
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