ガチャで爆死したら異世界転移しました
冒険者学校 ⑥ 決闘
「・・・おかしい」
授業が終わり、ダレンドが教室から出ていったのにも関わらず、レインの周りには誰も近づいてくる気配はない。
(普通こういう時って皆集まってくるものじゃないの?隣の人だって、なんか物凄く姿勢良いまま硬直してるし・・・)
日本では転校などしたことがないからか、はたまた本の読みすぎか、レインは、転校生=人が集まる、だと思っていた。
所謂、活発な子が居ればそうなったのかもしれないが、この教室にはそういう人間はいなかったようだ。
(・・・遠巻きにチラチラ見てくるんだったら普通に話しかけてこいっての)
結果この教室は、異様なほど静まり返っていた。
──そんな静寂は、だんだんと近づいてくる廊下からの複数の足音と、扉が勢いよく開く音によって破られた。
「私は、上級魔法科に所属しておられるアリサ・ディア・レクウェル様が配下、中級魔法科所属、レイ・ラ・キルア!」
「同じく配下、ネル・ナ・サージュ!このクラスに新しく加わったと言うレイン・グレスティアよ!我が主がお呼びだ!即刻ついてくるが良い!!」
足音の原因は、登場とともにこんなことを口走った。
(・・・は?)
足音からして騒がしい人が来るんだろうな、と思っていたレインも、これは想定外である。
「・・・」
「・・・」
面倒くさそうなので無視しようとするが、どうやら彼女らはレインが名乗り出るまで動く気は無いらしい。
「はぁ・・・ああいうのが来て欲しいわけじゃないんだけど」
いつの間にか、教室中の視線が集まっていた。何故か皆、可哀想なものを見るような、呆れのような感情が入り交じっていたのにレインは気付くが、その理由まではわからなかった。
「しょうがないか」
諦めたレインは、立ち上がって入口へと歩く。
「貴様がレイン・グレスティアだな。では、ついてこい」
「・・・はぁ。ここじゃだめな・・・んですかね?」
先程のやかましい自己紹介で、この二人は中級魔法科と言ったので、一応上級生であるし、敬語を使っておくべきだろう、と、レインはギリギリ思い付く。
「駄目だ。我が主は、貴様を連れてこいと命じられた。それゆえ、無理にでもついてきてもらう」
抵抗も虚しく一蹴された。
「はぁ・・・」
レインがいなくなった教室で、誰かがポツリと口を開く。
「・・・やっぱり今回も呼び出されれちゃったね・・・」
「・・・ああやって新入生が入るたびに呼び出して、お偉いさんは、何がしたいのかねぇ」
顔も髪型も瓜二つの二人は、机に肘をついて悪態をつく、他の誰しもが同じように感じているのか、目上の人物を憚らない言葉を咎める様子はなかった。
「う~ん・・・今まで呼び出された人に聞いてみはしたけど、みんなだんまりだしねぇ・・・今回も聞いてみる?」
「まぁ、聞かないよりかはいいんじゃないかな・・・望み薄だけどね」
「ここだ、入れ」
随分と歩き、やっとレインは「主」がいるであろう部屋に到着した。
二人がドアを開け、中に入るように促す。
「お邪魔します」
(なんとなくは想像がついていたけど・・・屋内闘技場、っていうのかな?)
広いグラウンドを4メートルほどの高さの壁が囲み、上には観客席がついている。
その中心、グラウンドの真ん中に、一人の少女が立っていた。
レインは彼女の前まで歩く。
「お初にお目にかかりますわね。すでにレイとネルから聞いているとは思いますが、改めて自己紹介を。アリサ・ディア・レクウェル、上級魔法科所属よ」
「・・・レイン・グレスティアです・・・それで、僕をここに呼んだ理由はなんです?」
(まぁ、場所的にもう何が目的かなんて、分かり切っているけど)
アリサは深く深呼吸をし、答える。
「率直に言うわ・・・レイン・グレスティアよ。アリサ・ディア・レクウェルの名において、ここに決闘を申し込むわっ!」
授業が終わり、ダレンドが教室から出ていったのにも関わらず、レインの周りには誰も近づいてくる気配はない。
(普通こういう時って皆集まってくるものじゃないの?隣の人だって、なんか物凄く姿勢良いまま硬直してるし・・・)
日本では転校などしたことがないからか、はたまた本の読みすぎか、レインは、転校生=人が集まる、だと思っていた。
所謂、活発な子が居ればそうなったのかもしれないが、この教室にはそういう人間はいなかったようだ。
(・・・遠巻きにチラチラ見てくるんだったら普通に話しかけてこいっての)
結果この教室は、異様なほど静まり返っていた。
──そんな静寂は、だんだんと近づいてくる廊下からの複数の足音と、扉が勢いよく開く音によって破られた。
「私は、上級魔法科に所属しておられるアリサ・ディア・レクウェル様が配下、中級魔法科所属、レイ・ラ・キルア!」
「同じく配下、ネル・ナ・サージュ!このクラスに新しく加わったと言うレイン・グレスティアよ!我が主がお呼びだ!即刻ついてくるが良い!!」
足音の原因は、登場とともにこんなことを口走った。
(・・・は?)
足音からして騒がしい人が来るんだろうな、と思っていたレインも、これは想定外である。
「・・・」
「・・・」
面倒くさそうなので無視しようとするが、どうやら彼女らはレインが名乗り出るまで動く気は無いらしい。
「はぁ・・・ああいうのが来て欲しいわけじゃないんだけど」
いつの間にか、教室中の視線が集まっていた。何故か皆、可哀想なものを見るような、呆れのような感情が入り交じっていたのにレインは気付くが、その理由まではわからなかった。
「しょうがないか」
諦めたレインは、立ち上がって入口へと歩く。
「貴様がレイン・グレスティアだな。では、ついてこい」
「・・・はぁ。ここじゃだめな・・・んですかね?」
先程のやかましい自己紹介で、この二人は中級魔法科と言ったので、一応上級生であるし、敬語を使っておくべきだろう、と、レインはギリギリ思い付く。
「駄目だ。我が主は、貴様を連れてこいと命じられた。それゆえ、無理にでもついてきてもらう」
抵抗も虚しく一蹴された。
「はぁ・・・」
レインがいなくなった教室で、誰かがポツリと口を開く。
「・・・やっぱり今回も呼び出されれちゃったね・・・」
「・・・ああやって新入生が入るたびに呼び出して、お偉いさんは、何がしたいのかねぇ」
顔も髪型も瓜二つの二人は、机に肘をついて悪態をつく、他の誰しもが同じように感じているのか、目上の人物を憚らない言葉を咎める様子はなかった。
「う~ん・・・今まで呼び出された人に聞いてみはしたけど、みんなだんまりだしねぇ・・・今回も聞いてみる?」
「まぁ、聞かないよりかはいいんじゃないかな・・・望み薄だけどね」
「ここだ、入れ」
随分と歩き、やっとレインは「主」がいるであろう部屋に到着した。
二人がドアを開け、中に入るように促す。
「お邪魔します」
(なんとなくは想像がついていたけど・・・屋内闘技場、っていうのかな?)
広いグラウンドを4メートルほどの高さの壁が囲み、上には観客席がついている。
その中心、グラウンドの真ん中に、一人の少女が立っていた。
レインは彼女の前まで歩く。
「お初にお目にかかりますわね。すでにレイとネルから聞いているとは思いますが、改めて自己紹介を。アリサ・ディア・レクウェル、上級魔法科所属よ」
「・・・レイン・グレスティアです・・・それで、僕をここに呼んだ理由はなんです?」
(まぁ、場所的にもう何が目的かなんて、分かり切っているけど)
アリサは深く深呼吸をし、答える。
「率直に言うわ・・・レイン・グレスティアよ。アリサ・ディア・レクウェルの名において、ここに決闘を申し込むわっ!」
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