ガチャで爆死したら異世界転移しました
冒険者学校 ①.5 一方その頃
「・・・?」
レイン達が王城での話し合いを終えた頃、イグラッドは宿屋『賢者の食卓』の一室で目を覚ました。
「・・・?ここは・・・どこだ?」
彼女は自身の寝ていたベットから上半身を起こし、窓から覗く日差しに目を細める。
「・・・そうだ、私は確か・・・戦場でグレスティアと話していて・・・それから・・・・・・だめだ・・・思い出せない・・・とにかく、ここがどこなのかを調べなければ」
コンコン
イグラッドがベットから降りようとした瞬間、突然扉がたたかれた。そしてそれに続き、女性の声が聞こえてくる。
「イグラッドさん、もう起きていらっしゃいますか?」
「!?」
呼ばれた本人は自分の知らない声が自身を読んでいることに警戒する。
(なぜこやつは私の名を知っている?声色からは敵意を感じないが・・・)
「・・・あ、あれ?おかしいわね、ティア君はこのくらいの時間には起きるだろうって言ってたんだけど・・・?」
(ティア・・・?)
「・・・そのティア君というのは、レイン・グレスティアのことか?」
扉の向こうにいる何者かが言っていることがイグラッドが知っている人物のことであったなら、自分の名を知っていても何も不思議ではない。そして同時に、イグラッドが警戒する必要もなくなるだろう。
「あら、やっぱりもう起きてたの。そう、ティア君とは、レイン・グレスティア君のことよ」
その言葉にイグラッドは身構えるのをやめる。
「そうか、ならよかった・・・で、なんのようだ?」
「いえ、大した用事ではないのだけれど。昨日ティア君達に運ばれてきてから何も食べてないじゃない?よかったら何か用意するけど、どう?」
確かに、イグラッドは今猛烈な空腹を感じていた。断る理由はないと言っていいだろう。
「うむ。そうだな、では頂くことにしよう」
「よかったわ。じゃあ私は先に行って用意しておくわね」
遠ざかる足の音を聞いたイグラッドは、何となく部屋にあった姿見で着崩れがないか確認する。
「・・・?」
そしてイグラッドは、なぜが自身の着る服の胸の真ん中当たりにこぶし大の穴が空いていることに気づいた。
「背中にも空いている・・・?」
後ろを向いて確認してみると、丁度反対側にも同じくらいの大きさの穴が空いている。
「ふむ、なぜだかはわからんが、このままでは外には出れぬな・・・この部屋になにか無いものか」
彼女が部屋を見渡すと、ベットの脇にあるサイドテーブルに白いマントが置いてあった。これを使えということなのだろう。
「・・・なにかとてつもなく良い物のように見えるが・・・まぁ、後でグレスティアに聞けば良いか」
イグラッドは純白のマントを羽織り、もう一度鏡で確認してから部屋を出ていった。
廊下に漂う食欲をそそられる良い匂いを追って進むと、テーブルが並ぶ広めの場所に辿り着いた。
「あら、おはようございます。もうご飯の用意はできてるわ、好きなところに座ってちょうだい」
「あぁ、おはよう。では、ここに座らさせて頂こう」
イグラッドが席に着くと、店の店主であろう女性がすぐに食事に運んできた。それも大量に。どうやって持っているのだろうか?
「す、少し多すぎではないか?」
少しも食べ切れる自信の湧かないイグラッドである。
「あら、ごめんなさいね・・・ティア君がお腹すいてるだろうからって言ってたから、少し張り切りすぎちゃったわ。でも大丈夫よ、余った分はこっちで処理しておくわ」
女性は申し訳なさそうに言う。
「ああいや、少し驚いてしまっただけだ。案ずるな、全て頂こう」
意気込むイグラッドはスプーンを取り、料理を口に運ぶ。
「・・・これは・・・美味しい」
一品だけで分かった。それは、王女であるイグラッドでさえ食べたこともない程の域の物であった。
十数分後、全て綺麗に食べられた皿たちを前に、イグラッドは手を合わる。
「ご馳走様でした・・・それにしても、これほど美味しいものは食べたことがない・・・」
「うふふ、ありがとうね。やっぱり、自分の作った料理をそう言われると嬉しいわ」
そう言って女性は食器を持ってキッチンであろう場所へと戻って行く。
「あぁ、ひとつ聞きたいんだが、グレスティアはいつここへ帰ってくるだろうか?」
そこをイグラッドが、呼び止める。
「んーどうかしら・・・ティア君はあまり掛からないって言ってたから、もうすぐ帰って来るんじゃないかしら」
「ふむ、そうか。では部屋で待っているとしよう」
「じゃあ、ティア君が帰ってきたら伝えておくわ」
「そうしてもらえると助かる」
そしてイグラッドは、自身が目覚めた部屋へと戻った。
レイン達が王城での話し合いを終えた頃、イグラッドは宿屋『賢者の食卓』の一室で目を覚ました。
「・・・?ここは・・・どこだ?」
彼女は自身の寝ていたベットから上半身を起こし、窓から覗く日差しに目を細める。
「・・・そうだ、私は確か・・・戦場でグレスティアと話していて・・・それから・・・・・・だめだ・・・思い出せない・・・とにかく、ここがどこなのかを調べなければ」
コンコン
イグラッドがベットから降りようとした瞬間、突然扉がたたかれた。そしてそれに続き、女性の声が聞こえてくる。
「イグラッドさん、もう起きていらっしゃいますか?」
「!?」
呼ばれた本人は自分の知らない声が自身を読んでいることに警戒する。
(なぜこやつは私の名を知っている?声色からは敵意を感じないが・・・)
「・・・あ、あれ?おかしいわね、ティア君はこのくらいの時間には起きるだろうって言ってたんだけど・・・?」
(ティア・・・?)
「・・・そのティア君というのは、レイン・グレスティアのことか?」
扉の向こうにいる何者かが言っていることがイグラッドが知っている人物のことであったなら、自分の名を知っていても何も不思議ではない。そして同時に、イグラッドが警戒する必要もなくなるだろう。
「あら、やっぱりもう起きてたの。そう、ティア君とは、レイン・グレスティア君のことよ」
その言葉にイグラッドは身構えるのをやめる。
「そうか、ならよかった・・・で、なんのようだ?」
「いえ、大した用事ではないのだけれど。昨日ティア君達に運ばれてきてから何も食べてないじゃない?よかったら何か用意するけど、どう?」
確かに、イグラッドは今猛烈な空腹を感じていた。断る理由はないと言っていいだろう。
「うむ。そうだな、では頂くことにしよう」
「よかったわ。じゃあ私は先に行って用意しておくわね」
遠ざかる足の音を聞いたイグラッドは、何となく部屋にあった姿見で着崩れがないか確認する。
「・・・?」
そしてイグラッドは、なぜが自身の着る服の胸の真ん中当たりにこぶし大の穴が空いていることに気づいた。
「背中にも空いている・・・?」
後ろを向いて確認してみると、丁度反対側にも同じくらいの大きさの穴が空いている。
「ふむ、なぜだかはわからんが、このままでは外には出れぬな・・・この部屋になにか無いものか」
彼女が部屋を見渡すと、ベットの脇にあるサイドテーブルに白いマントが置いてあった。これを使えということなのだろう。
「・・・なにかとてつもなく良い物のように見えるが・・・まぁ、後でグレスティアに聞けば良いか」
イグラッドは純白のマントを羽織り、もう一度鏡で確認してから部屋を出ていった。
廊下に漂う食欲をそそられる良い匂いを追って進むと、テーブルが並ぶ広めの場所に辿り着いた。
「あら、おはようございます。もうご飯の用意はできてるわ、好きなところに座ってちょうだい」
「あぁ、おはよう。では、ここに座らさせて頂こう」
イグラッドが席に着くと、店の店主であろう女性がすぐに食事に運んできた。それも大量に。どうやって持っているのだろうか?
「す、少し多すぎではないか?」
少しも食べ切れる自信の湧かないイグラッドである。
「あら、ごめんなさいね・・・ティア君がお腹すいてるだろうからって言ってたから、少し張り切りすぎちゃったわ。でも大丈夫よ、余った分はこっちで処理しておくわ」
女性は申し訳なさそうに言う。
「ああいや、少し驚いてしまっただけだ。案ずるな、全て頂こう」
意気込むイグラッドはスプーンを取り、料理を口に運ぶ。
「・・・これは・・・美味しい」
一品だけで分かった。それは、王女であるイグラッドでさえ食べたこともない程の域の物であった。
十数分後、全て綺麗に食べられた皿たちを前に、イグラッドは手を合わる。
「ご馳走様でした・・・それにしても、これほど美味しいものは食べたことがない・・・」
「うふふ、ありがとうね。やっぱり、自分の作った料理をそう言われると嬉しいわ」
そう言って女性は食器を持ってキッチンであろう場所へと戻って行く。
「あぁ、ひとつ聞きたいんだが、グレスティアはいつここへ帰ってくるだろうか?」
そこをイグラッドが、呼び止める。
「んーどうかしら・・・ティア君はあまり掛からないって言ってたから、もうすぐ帰って来るんじゃないかしら」
「ふむ、そうか。では部屋で待っているとしよう」
「じゃあ、ティア君が帰ってきたら伝えておくわ」
「そうしてもらえると助かる」
そしてイグラッドは、自身が目覚めた部屋へと戻った。
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