ガチャで爆死したら異世界転移しました
会いに来ました(おまけ)
「・・・じゃ、早くギルドに戻ってクエスト受けてこようか」
先程の部屋をあとにしたレイン達は王城の廊下を、紅華が先頭に玄関まで歩いていた。
「はい」
「分かりました」
「は、はい」
「・・・」
(・・・うーん、困ったな。部屋を出た後から紅華がずっと俯いて何も答えてくれない。多分僕が曲がりなりにも国王に協力することになってしまった事に責任を感じているのかもしれないな・・・)
レインとしては別に協力すること自体には抵抗はないし、王国は僕に依頼を出来て僕は報酬(金)で儲かる。寧ろお金に困らなくなるだろうと、気分がよかったりしていた。
「・・・なぁ紅華?今回のことで別に僕は損をしたわけでもないんだ。だからお前を責めるつもりも無い。お前が気にする必要も無いからな?」
「ですが・・・」
何とか紅華を慰めてあげたいが、この状況は日本では女の人と話すことすら希だったレイン…慎也にはちょっとハードルが高過ぎる。
(自分で立ち直るのを待つしかないのかな)
「紅華。責任を感じるのは分かるけど、主様もこう仰ってくれているのよ?いつまでもクヨクヨしない!」
「そ、そうですよ。紅華さんは悪くありません!」
「それに、これから主様には高報酬のクエストが依頼されるでしょう。結果的には良いことをした、とも言えますね」
メア達が見かねて紅華を慰める。それを紅華は俯きながら聞く。
そして少ししてから顔を上げ、
「皆・・・分かった・・・主殿」
「ん?」
メア、サラ、ルーナの言葉によって元気が出たのか、憂いの消えた瞳で真っ直ぐにレインを見る。・・・身長差で少しばかり…そう、少しばかり上からだが。
「主殿、此度は私の独断で主様に不快な思いをさせてしまいました。この罪は到底許されるものではないと承知しています。しかし、今回は主様のご好意に甘えさせていただきます」
「おう。これからもよろしくな、紅華?」
「はい!よろしくお願い致します!」
(別に不快な思いなんてしていないが、言ってもややこしくなるだけだな。それに、紅華もいつもの調子に戻ったみたいだし、早速ギルドに行こうか)
もう昼の時間もすぎている。早くクエストを受けて完了しないと、今日は野宿になってしまうだろう。
「突然だが、ギルドまで競走だ。僕より早くギルドについた奴には、【僕のあーんで一食権】をあげよう。じゃ、よーいドン!」
「え!え!?主様ほんとですか!?ちょっとまって!?ルーナ!私に支援魔法を!」
「主殿のあーん権・・・こんなチャンスは二度とないだろう、これは頂かなくては!では皆、ギルドで会おう!」
「あ!ちょっと紅華!抜け駆けはだめよ!!」
「・・・はぁ、やれやれ、ですね」
「あ、あはは…」
そうしてレイン一行は、ギルドへと向かっていくのだった。
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