ガチャで爆死したら異世界転移しました
調査④ 話の通じないバカ
数分ほど歩いただろうか、その間に僕は気持ちを落ち着けることが出来た。そしてソイツを見つけた。僕は改めてやつを観察する。
振るだけで人が吹き飛ぶだろうだろうかという立派で長い尻尾。高さで三階建ての建物に匹敵する程の巨体。そこから人の男の身長程の太さの屈強な首が生え、強大な力を感じさせる左右二対のツノを持つ頭部を支えている。そして全身が、光の加減では紫にすら見える程に真っ黒の鱗で覆われている。
「(こいつもEOWと同じだな)・・・おい」
深い青色の瞳が僕に向けられる。
「なんだ、人間よ。貴様は先程の小虫共とは違うようだが、何の用だ?仇討ちか?」
仇討ち?何を言っているんだコイツは。
「生憎、そんなものには興味がないよ。ただ、ちょっと聞きたいことがあってね」
黒竜は、こいつは何を言っているんだ?という目を向けてくる。
「では、聞きたいこととはな…」
「お前は…何を思って、なぜこれをやった?」
黒竜の言葉を遮って僕は言う。
「何を思って、なぜだと?特にないな。ただそういう気分だったというだけだが?」
・・・気分、か
「そう・・・じゃあ。僕は今殺したい気分だから、お前を殺すね?」
自分でも不思議なくらい綺麗な笑顔で、綺麗な声が出た気がした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「クックックック  クハハハハッ!!殺す?貴様が?この黒竜を?笑わせるなよ人間風情が!!」
瞬間体の大きさに見合わないほどの速度で巨大な尻尾を振り下ろしてくる。僕はそれを横に1歩歩いて避ける。
大量の砂埃が舞ったので僕が動いたのに気づいてないのか、黒竜は勝ちを確信したように嘲笑い、尻尾を叩きつける。
「クハハ。この程度の攻撃も避けれぬとは、拍子抜けだな」
「ホント。拍子抜けだよね。自分の攻撃が相手に当たっていないことにすら気づかないなんてさ」
「なっ!!」
黒竜はすぐに尻尾をあげ、僕を探す。
「どこ見てんの?戦闘中によそ見なんて、余裕だね?」
僕は今スキルを使用して僕自身を黒竜から【秘匿】している。
「クソっ!姿を表せ!!」
「確か竜族って、翼が命よりも大事なんだっけ?」
ゲーム時代の竜族の説明文にそんなことが書いてあった。
「なっ!!」
今ので何か気がついたのか、黒竜は身を捩らせて、背中に乗っているかもしれない僕を振り落とそうとする。
「何やってるの?急に変な行動しないでくれる?」
僕は黒竜が急に身を捩らせるので、びっくりして聞く。
「ならばそこから降りるがいいっ!!」
「は?降りる?どこから?」
「背中からだ!!!」
「・・・ひとつ言っておくけど、僕はお前の背中になんか乗ってないよ?」
「ふんっ!!でまかせを!!」
信じてくれないので、少しだけ【秘匿】を解除する。これで信じてもらえるだろう。
「何っ!!」
いや、何っ!!とか言われても僕はずっと元いた場所、黒竜が尻尾を振り落とした場所にいたのだから。
「ずっとここにいたんだけどね?いやーなかなか面白かったよ?変顔ならぬ変体」
「人間がぁ!!先の小虫のように焼き尽くしてくれるわ!!」
黒竜は羞恥と激情を目に宿しながら大きな口を開け、真っ黒な炎を吐き出してくる。
「ほう!そっちが黒い炎なら、僕は【黒炎】で迎え撃とうか・・・【黒炎】!!」
黒竜の吐き出した灼熱の黒炎と、僕の魔法の【黒炎】がぶつかり合う。今回は少し魔力を込めたので二重の魔法陣が浮かび上がった。そしてその勝敗は一瞬で付く。
「なっ!ぐああぁ!!!」
僕の【黒炎】は黒竜の黒炎を飲み込み、そのまま黒竜をも焼いたのだ。
「いくら最下位種でも、このくらいじゃ死なないよね?」
「最…下位種だと?」
「あれ?知らなかったんだ。黒竜は竜族でも1番弱い種なんだよ?」
「な…に……?」
まぁこの世界では竜族自体が規格外らしいから、その中の格付けなんて必要ないのかな?
「なんかショック受けてるところ悪いんだけど、そろそろ終わりにするね?」
やはりまだ完全には感情が制御しきれていないのか、魔力が乱れる感覚が強くなってきている。
「・・・ふ、ふんっ!はったりを!!竜族で最下位種だからどうした!この黒竜が人間如きに殺されるわけがないだろうが!!」
「あーあと、最後に教えてあげるけど。僕は人間じゃないからね?」
「なにを言っている。どう見てもお前は人間ではないか!」
はぁ。ホント、話の通じないバカを相手にするのって疲れるなぁ。
「はぁ・・・じゃ、無知なお前に教えてあげるよ、僕は精霊種だ。今の姿は人間に似てるけど、性も寿命も無ければ身体能力なんて雲泥の差だよ。そしてさようなら、僕を怒らせたことを後悔し、死ね。複合魔法【混沌の膨大なる崩壊】」
その日、ズノワ大森林が消えた。
振るだけで人が吹き飛ぶだろうだろうかという立派で長い尻尾。高さで三階建ての建物に匹敵する程の巨体。そこから人の男の身長程の太さの屈強な首が生え、強大な力を感じさせる左右二対のツノを持つ頭部を支えている。そして全身が、光の加減では紫にすら見える程に真っ黒の鱗で覆われている。
「(こいつもEOWと同じだな)・・・おい」
深い青色の瞳が僕に向けられる。
「なんだ、人間よ。貴様は先程の小虫共とは違うようだが、何の用だ?仇討ちか?」
仇討ち?何を言っているんだコイツは。
「生憎、そんなものには興味がないよ。ただ、ちょっと聞きたいことがあってね」
黒竜は、こいつは何を言っているんだ?という目を向けてくる。
「では、聞きたいこととはな…」
「お前は…何を思って、なぜこれをやった?」
黒竜の言葉を遮って僕は言う。
「何を思って、なぜだと?特にないな。ただそういう気分だったというだけだが?」
・・・気分、か
「そう・・・じゃあ。僕は今殺したい気分だから、お前を殺すね?」
自分でも不思議なくらい綺麗な笑顔で、綺麗な声が出た気がした。
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「クックックック  クハハハハッ!!殺す?貴様が?この黒竜を?笑わせるなよ人間風情が!!」
瞬間体の大きさに見合わないほどの速度で巨大な尻尾を振り下ろしてくる。僕はそれを横に1歩歩いて避ける。
大量の砂埃が舞ったので僕が動いたのに気づいてないのか、黒竜は勝ちを確信したように嘲笑い、尻尾を叩きつける。
「クハハ。この程度の攻撃も避けれぬとは、拍子抜けだな」
「ホント。拍子抜けだよね。自分の攻撃が相手に当たっていないことにすら気づかないなんてさ」
「なっ!!」
黒竜はすぐに尻尾をあげ、僕を探す。
「どこ見てんの?戦闘中によそ見なんて、余裕だね?」
僕は今スキルを使用して僕自身を黒竜から【秘匿】している。
「クソっ!姿を表せ!!」
「確か竜族って、翼が命よりも大事なんだっけ?」
ゲーム時代の竜族の説明文にそんなことが書いてあった。
「なっ!!」
今ので何か気がついたのか、黒竜は身を捩らせて、背中に乗っているかもしれない僕を振り落とそうとする。
「何やってるの?急に変な行動しないでくれる?」
僕は黒竜が急に身を捩らせるので、びっくりして聞く。
「ならばそこから降りるがいいっ!!」
「は?降りる?どこから?」
「背中からだ!!!」
「・・・ひとつ言っておくけど、僕はお前の背中になんか乗ってないよ?」
「ふんっ!!でまかせを!!」
信じてくれないので、少しだけ【秘匿】を解除する。これで信じてもらえるだろう。
「何っ!!」
いや、何っ!!とか言われても僕はずっと元いた場所、黒竜が尻尾を振り落とした場所にいたのだから。
「ずっとここにいたんだけどね?いやーなかなか面白かったよ?変顔ならぬ変体」
「人間がぁ!!先の小虫のように焼き尽くしてくれるわ!!」
黒竜は羞恥と激情を目に宿しながら大きな口を開け、真っ黒な炎を吐き出してくる。
「ほう!そっちが黒い炎なら、僕は【黒炎】で迎え撃とうか・・・【黒炎】!!」
黒竜の吐き出した灼熱の黒炎と、僕の魔法の【黒炎】がぶつかり合う。今回は少し魔力を込めたので二重の魔法陣が浮かび上がった。そしてその勝敗は一瞬で付く。
「なっ!ぐああぁ!!!」
僕の【黒炎】は黒竜の黒炎を飲み込み、そのまま黒竜をも焼いたのだ。
「いくら最下位種でも、このくらいじゃ死なないよね?」
「最…下位種だと?」
「あれ?知らなかったんだ。黒竜は竜族でも1番弱い種なんだよ?」
「な…に……?」
まぁこの世界では竜族自体が規格外らしいから、その中の格付けなんて必要ないのかな?
「なんかショック受けてるところ悪いんだけど、そろそろ終わりにするね?」
やはりまだ完全には感情が制御しきれていないのか、魔力が乱れる感覚が強くなってきている。
「・・・ふ、ふんっ!はったりを!!竜族で最下位種だからどうした!この黒竜が人間如きに殺されるわけがないだろうが!!」
「あーあと、最後に教えてあげるけど。僕は人間じゃないからね?」
「なにを言っている。どう見てもお前は人間ではないか!」
はぁ。ホント、話の通じないバカを相手にするのって疲れるなぁ。
「はぁ・・・じゃ、無知なお前に教えてあげるよ、僕は精霊種だ。今の姿は人間に似てるけど、性も寿命も無ければ身体能力なんて雲泥の差だよ。そしてさようなら、僕を怒らせたことを後悔し、死ね。複合魔法【混沌の膨大なる崩壊】」
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