ガチャで爆死したら異世界転移しました

ひやし

賢者の食卓


「ここか」

【賢者の食卓】、看板にそう書いてある。

「こんばんわー」

ドアの前で突っ立っていてもどうにもならないので、中に入った。

「あら、こんばんわ。いらっしゃいませ」

ドアを入ってすぐの受付には、優しそうなおばさんが立っていた。

「あの、今晩止まりたいんですが。いくらかかります?」

「1人でだったら、朝夜と翌朝の3食付きの1泊で銀貨3枚よ。今日はもう遅いから2食でいいだろうし、夜ご飯と明日の朝食付きで銀貨1枚でいいわ」

おばさんはやはり優しいようで、いきなりおまけしてくれるという。
ちなみにこの世界の貨幣は、銅貨、銀貨、金貨、純金貨である。それぞれ1000枚で次のものと同価値になる。

「取り敢えず2泊お願いします」

「2泊ね、じゃあ銀貨4枚よ。はい、これが部屋の鍵ね。部屋は階段を上がって右の部屋よ」

「分かりました」

「夜ご飯、すぐに作れるけれど食べる?」

「んー、食べようかな」

「じゃあ。すぐ準備するから、そこに座って待っていて」

「了解です」

こちらの世界に転移してから2日ほど経つが、不思議なことに今まで何も食べていない。リーナ達といた時も、何度も勧められたが結局何も食べなかった。まぁあの時は、借りっ放しでは嫌だなという気持ちもあったが。

「はい、お代わりはいくらでもあるから、どんどん食べてね!」

考え事をしていると、おばさんが大量の料理を持ってきた。いや、多くね?僕が待っていた時間でこの量を作るとは、どんな調理法を駆使しているのだろうか。それ以前に、食べ切れるかな?

「いただきます」

僕は目の前にあった唐揚げのようなものをとり、食べた。

「…美味い」

「でしょ?」

美味い、ものすごく美味い。衣はカリッとして中はジューシーな柔らかい肉、噛むたびに肉汁が溢れてくる。

他にも、野菜のスープや炒め物、品目は決して派手ではないが、その味は一級品だ。


「…ご馳走様でした」

あんなにいっぱいあった晩御飯が、すべて綺麗に平らげられていた。
日本では父親は僕が赤ん坊の時に出ていってしまい、母親も早くに亡くなった。仕方なく、唯一面識があった少し裕福な親戚に毎月の最低限の仕送りと学費を貰って生活していた。そんなものだから朝ごはんは無く、昼は高校の購買、夜は大体がカップ麺だったのだ。そんな僕がこんなに美味しいご飯が食べられる時が来るとは・・・

「うふふ。あんなに美味しそうに食べてもらえるなんて、頑張って作った甲斐があったわ」

「いや、ほんと美味しかったです。毎日食べたいですよ」

「ありがとうね」

そう言っておばさんは食器と片付けに、調理場へと戻って行った。

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「階段を上がって右の部屋…ここか」

ご飯を食べ終わった僕は、教えられた部屋へ向かった。

「結構広いな」

僕は勝手に4畳くらいの部屋を想像していたが、これは8~9畳ほどだろうか。

早速僕はベットに倒れこみ、
「よし。じゃあ、現状を整理しよう」
これが一番重要なことだ。

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