ガチャで爆死したら異世界転移しました

ひやし

1人って寂しいよね

「………なにこれ」

目の前に浮かぶ半透明な水色の板に向かって、僕はそう呟いた。

「どうしたの?」

リーナが心配そうに聞く。

「いや、えーっとーこの世界の人の能力値って平均的にどのくらいなのかなーってさ」

「この世界?」

「あぁ、いや何でもない。忘れてくれ」

「……?  分かった」



僕は全員の簡単な自己紹介を終え、リーナ達が乗ってきていたという馬車に近くの街まで乗せてもらっていた。元々大きい馬車ではなかったので、少し余裕がある御者台に乗せてもらっている(御者台以外は3人と荷物で限界だったので)。
そして少しの暇を潰そうと、自分のステータスを確認していたのだ。
そして気づいたのが、僕はなんと日本でハマりまくっていたゲームで僕が制作し使用していたキャラクターになっていたのだ。女の子になったのかと思ってたが僕が制作したキャラは精霊種、姓という概念がない種族だ。

まぁ、容姿的にはどこからどう見ても女の子寄りだけどね?

それもそのはず、一部界隈には【キャラクリ王】なんて呼ばれてた僕が全力でクリエイトしたのだ。それはもうクランの皆に羨ましがられ、教えを請われる程の美形になっている。
あ、因みにステータスはこんな感じだった。

【レイン・グレスティア】
物理攻撃力:32856
魔法攻撃力:62410
物理防御力:25630
魔法防御力:28093
素早さ:27580
体力:523990
魔力:999999
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【スキル・魔法】
秘匿Lv9
万物操作Lv9
魔力操作Lv9
察知Lv9
魔眼Lv9
身体強化Lv9
全能力強化Lv9
感覚強化Lv9
思考補助Lv9  
超広域化Lv9
スキル 魔法付与Lv9
ダメージ激減Lv9
全衝撃激減Lv9
最上位全属性魔法Lv9
上位全属性魔法Lv9
中位全属性魔法Lv9
下位魔法Lv9
etc…
ーーーーーーーーーーーーー 
【技巧】
武神の心得
魔神の心得

いやほんと、なにこれ、だわ。
各種能力値はゲームでの数値と同じ…じゃないな、なんだこの魔力の数値は。元は60万程で、それでも魔力が余るほどだったのが、これではほぼ無限に魔法が撃ててしまうのだが?それとスキル・魔法って何、まぁスキルと魔法なんだろうけど。スキルにはゲーム時代での【技】で習得していたものが含まれているから、【技】が【スキル】になったということなのか・・・それにしても

「多いなー」

僕は、他の誰にも聞こえないほど小さく呟いた。


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「乗せてもらってありがとう」

近くの街についたので、僕はそこで下ろしてもらうことにした。

「気にすんなって! 困った時はお互い様、だろ?」

「…サリアは特に何もしてない。ただ食べてただけ」

「は? あたしだってやったじゃない 色々と!」

「何を?」

「………」

確かに、サリアは何もやっていない。この街に来る途中で、何回かモンスターに遭遇したが。その全てが、カイルが盾となって引き付けているあいだにリーナとキリアが確実に仕留める。という戦法だった。皆は僕が戦えないと思っているらしく、戦いの最中は一応ということで馬車の荷台に隠れさせられていた。ちらっと見ただけだが、出会ったモンスターはすべて、EOWに登場するモンスターだった。

「そういえば、お金って持ってるの? 見たところ何も持ってないようだけど?」

そういえばそうだった、何も持ってない。

「あー、どうしよっかな」

「良かったらさっきのモンスターの素材、あげるよ。ギルドに売れば少しは足しになると思うし」

「いいのか? じゃあありがたく」

「…それじゃ、ここでお別れだね」

「あぁ、ありがとうな。でも、初対面の相手によくここまで良くしてくれるな」

「ん? 別に普通じゃない? さっきサリアも言ってたけど、困った時はお互い様、でしょ?」

なんという天使っぷりであろうか。

「あぁそ、そうだな。じゃあ僕は行くよ、じゃあな」

「バイバーイ」

「おう!じゃねー」

「お気をつけて」

「…またなー」


またなー、か。カイルの奴、ちょっと寂しそうだな。まぁそれもそうか、4人パーティで一人の男だもんな。
あいつらは小さい頃から仲良しだったらしいから、他の3人はあまり気にしないだろうけど、男一人はなにかと、ね。
それで馬車に乗せてもらっているわけだから、男としてなにかできないかと、カイルにだけは僕が女ではないと伝えたのだ。案の定色々と愚痴を聞かせられたが。

そんなことを考えながら、モンスターの素材が入った皮袋を片手に、歩いていた。

「…って言うか、ギルドに売ればって言ってたけど。どこにあんだよ…」

そんな呟きが、寂しそうに賑やかな街へ溶けていった。

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