選ばれし100年の最弱剣士~100年前まで最強でしたが今や最弱採取係です~
第2話 採取係は戦闘中は暇です。
「これで、280層目か。しんどいな。」
「採取係が何言ってんのよ。アタシらの方がしんどいっつーの。」
ライは少々ご機嫌ナナメのようだ。
ここは地底ダンジョン「地中の塔」。この地上の街「イギア」が保有権を持っており、発見から約10年の新しいダンジョンである。イールたちのパーティーがイギアの町長に頼まれて攻略を始めたのは3年前のことだ。彼らの活躍で、このダンジョンの特徴が解明されていった。
まず、10層ごとにボスが出現する。
そして、各層にワープ装置が置かれており、ダンジョン入り口までワープできる。
また、層が下がっていくにつれて敵のレベルも上がる。
言ってしまえば他のダンジョンと変わり無いものだが、今のところ隠しフロアが無いため単調なダンジョンと考えられている。
今回のボス層はほの暗い大きな一部屋であるようだ。その中に蠢く大きな影がある。その影は少しずつ近付いてくる。そしてその姿が露になった。
「今回はリザード攻めなのですね…。」
は虫類が少々苦手なハルは苦笑いで落胆している。彼らの目の前には体長20mはあるであろうリザードがいる。と言っても、長い爪、鋭い牙、隆起した筋肉、そして帯電された尻尾。どれも普通のリザードには無いような特徴だ。
「ハル。ビビってないで、指揮よろしく。リーダーなんだから。」
レイに励まされ、ハルは深呼吸して指揮を執る。
「じゃあ、いつも通りライは私と前衛。レイとユキは後ろから魔法援護。狙えるときは双子アタックお願いします。行きますよ!」
「よっしゃー!」
ハルとライは剣を抜き、高速移動しながら剣術スキルでリザードの脚を攻撃する。バランスを崩したリザードが倒れると、逃さず二人は身体へ跳び移る。その後、尻尾の方へ高速移動をし、尻尾切断を狙う。
「ユキ、尻尾固定できる?」
「任せてレイ。…。メデュース!」
ユキは一定時間相手の動きを完全に止める魔法「メデュース」を発動させた。
「ありがとうございます!ユキ!せっかく帯電してたのに、すみませんね!」
ハルは剣術スキルを使いながら尻尾に思いっきり剣を振り下ろした。
直後尻尾は切断されたが、まだメデュースの効果が切れないため、ライは容赦なく尻尾の切り口に剣を刺した。悲鳴すら上げられないリザード。一方的な攻撃だ。
「アイツも可哀想だなぁ。悪いことしたんじゃねえのに。まぁ、アイツからなら碧い水晶体出そうだし、早く終わらねえかなぁ。」
イールはただ愚痴を言うか、実況するか、剥ぎ取りの妄想をするくらいしか、ボス戦ではすることがないのだ。
「そろそろメデュースの効果が切れるようだが、どうする?おや、ハルとライはレイとユキの方へ戻っていくようだ。ということは、まさか!あの双子のコンビネーションが見られるのか!?」
ハルとライが戻ると、メデュースの効果が切れ、リザードは動き出した。その瞬間、
「ルークス!」
リザードの顔の前に小さな光の玉が現れ、一気に膨らんだ。
「出たあああ!レイのルークス!これではリザードは何も見えない!動くことすらできなーい!」
イールの実況にも拍車がかかる。
リザードの目の前の光が止んで、やっとリザードが視界を取り戻した瞬間、ライがリザードの頭に剣を振り下ろした。
「決まったああああ!これぞ双子のコンビネーション!」
リザードは結局1度も攻撃を仕掛けられずに倒された。
「さあ、採取係くん。出番だよ。」
 レイは笑顔で言ってくれた。
「おう!」
「採取係が何言ってんのよ。アタシらの方がしんどいっつーの。」
ライは少々ご機嫌ナナメのようだ。
ここは地底ダンジョン「地中の塔」。この地上の街「イギア」が保有権を持っており、発見から約10年の新しいダンジョンである。イールたちのパーティーがイギアの町長に頼まれて攻略を始めたのは3年前のことだ。彼らの活躍で、このダンジョンの特徴が解明されていった。
まず、10層ごとにボスが出現する。
そして、各層にワープ装置が置かれており、ダンジョン入り口までワープできる。
また、層が下がっていくにつれて敵のレベルも上がる。
言ってしまえば他のダンジョンと変わり無いものだが、今のところ隠しフロアが無いため単調なダンジョンと考えられている。
今回のボス層はほの暗い大きな一部屋であるようだ。その中に蠢く大きな影がある。その影は少しずつ近付いてくる。そしてその姿が露になった。
「今回はリザード攻めなのですね…。」
は虫類が少々苦手なハルは苦笑いで落胆している。彼らの目の前には体長20mはあるであろうリザードがいる。と言っても、長い爪、鋭い牙、隆起した筋肉、そして帯電された尻尾。どれも普通のリザードには無いような特徴だ。
「ハル。ビビってないで、指揮よろしく。リーダーなんだから。」
レイに励まされ、ハルは深呼吸して指揮を執る。
「じゃあ、いつも通りライは私と前衛。レイとユキは後ろから魔法援護。狙えるときは双子アタックお願いします。行きますよ!」
「よっしゃー!」
ハルとライは剣を抜き、高速移動しながら剣術スキルでリザードの脚を攻撃する。バランスを崩したリザードが倒れると、逃さず二人は身体へ跳び移る。その後、尻尾の方へ高速移動をし、尻尾切断を狙う。
「ユキ、尻尾固定できる?」
「任せてレイ。…。メデュース!」
ユキは一定時間相手の動きを完全に止める魔法「メデュース」を発動させた。
「ありがとうございます!ユキ!せっかく帯電してたのに、すみませんね!」
ハルは剣術スキルを使いながら尻尾に思いっきり剣を振り下ろした。
直後尻尾は切断されたが、まだメデュースの効果が切れないため、ライは容赦なく尻尾の切り口に剣を刺した。悲鳴すら上げられないリザード。一方的な攻撃だ。
「アイツも可哀想だなぁ。悪いことしたんじゃねえのに。まぁ、アイツからなら碧い水晶体出そうだし、早く終わらねえかなぁ。」
イールはただ愚痴を言うか、実況するか、剥ぎ取りの妄想をするくらいしか、ボス戦ではすることがないのだ。
「そろそろメデュースの効果が切れるようだが、どうする?おや、ハルとライはレイとユキの方へ戻っていくようだ。ということは、まさか!あの双子のコンビネーションが見られるのか!?」
ハルとライが戻ると、メデュースの効果が切れ、リザードは動き出した。その瞬間、
「ルークス!」
リザードの顔の前に小さな光の玉が現れ、一気に膨らんだ。
「出たあああ!レイのルークス!これではリザードは何も見えない!動くことすらできなーい!」
イールの実況にも拍車がかかる。
リザードの目の前の光が止んで、やっとリザードが視界を取り戻した瞬間、ライがリザードの頭に剣を振り下ろした。
「決まったああああ!これぞ双子のコンビネーション!」
リザードは結局1度も攻撃を仕掛けられずに倒された。
「さあ、採取係くん。出番だよ。」
 レイは笑顔で言ってくれた。
「おう!」
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