人違いで異世界に召喚されたが、その後美少女ハーレム状態になった件

あまたつ

第23話 スライムな件

「これがスライムの住処……」

 俺は息を呑むように声を漏らした。
 俺たちは今、四人して固まって一つの岩に身を潜めている。

 何故かって?それはだな……。

「それにしても、すごい量のスライムですね……」

 そう、今俺たちの目の前には、スライムの住処があるのだ。

 シリアが持ってきたクエストを達成するため、スライムの住処にやってきたのである。

「おいおい、何匹いるんだ?これ」

 スライムの住処は、平たい地面にぽっかりとあいた穴の中で、洞窟のようだが、洞窟と言うよりは少し小さい感じだ。

 その穴から、とんでもない量のスライムがわっさわっさ出てくる。

 正直、この絵面は極めて気持ち悪い。

「ねえ、翔太。私もう帰っていい?」

 あぐらをかきながら気だるげに言ってくるリーナ。

 お前さっきからそれしか言ってねえな。

「おにいちゃん。私こわいよ〜」

 シリアがブルブルと体を震わせながら、震えた声で俺に言ってくる。

「大丈夫だよ、シリア。俺が守ってやるから」

「ありがとう!おにいちゃん!」

 そう言って、シリアが俺に抱きついてきた。

「うおっと」
 シリアの顔は赤く染まっていて、体の震えはなくなっていた。そして何より、何より………。

 胸でけえ!

 すげえ当たってんだけど!理性が保てん!

「ちょ!シ…シリア!」

 俺はもがこうとするが、あまり動くとスライム達にバレてしまう。

 そして俺が動くたびに、柔らかい感触が俺に押し付けられているように感じる。

 こ、これはマジでまずい!

 俺は明らかにテンパっていた。周りの誰が見ても分かるくらいに。

 俺とシリアの攻防の中……て言うか、テンパってんのは俺だけなんだけど。

 とにかく、俺がテンパっているのを見ていたルイが、いきなり俺に体を寄せてきた。

「ちょ!何してんだルイ!」

「い!いや!べ、別に、スライムにバレそうだったから、み、身を潜めただけです!」

 明らかに様子がおかしいルイ。どうしたこいつ。

 てか!俺みたいに彼女いたことない男が、二人の美少女に密着されたら、理性がマジで保てなくなるから!

 俺がルイの顔を見ると、何故かルイの顔も赤く染まっていた。こいつもどうした。

 ていうか、さっきから我慢してるけど、俺のエクスカリバー・・・・・・・もそろそろ限界よ?

 そんな俺たちを見ていたリーナが、何故か俺に密着してきた。

「お、おいリーナ!何してんだお前!?」

「いや、皆私から離れてくから、仲間外れみたいで嫌じゃない?」

 知るか!こっちが大変になるっつーの!

 三人の美少女に密着されている俺。もう何をすれば良いのか分からず、頭が真っ白になった。

 ……その時だった。

「ぬおあ!?」

『ズシン!』

 三人の体重を支えきれなくなった俺は、無様にも尻餅をついてしまった。

 ……身を潜めていた岩から見事に飛び出た状態で。

『キュウン』

 奇妙な鳴き声とともに、大量のスライムの視線がいっきに俺たちに集まる。

「あ………」

 ……………………。

 少しの沈黙があった。

 そして、その沈黙を破ったのが俺であった。

「ど、どーもー、初めましてスライムの皆さん……」

 俺の情けない声を聞いたスライム。

『キュウウウン!』

 咆哮とも言える鳴き声とともに、スライム達がいっせいに襲いかかってきた。

 それは、俺が終わりを悟った瞬間だった。

コメント

  • あまたつ

    89@189760さん
    ありがとうございます!
    楽しんで頂けているようで何よりです!
    ちなみに、つい最近まで風邪だったんですよね……。
    これからは気をつけます!笑

    1
  • かオース⤴︎

    【ボク わるいスライムじゃないよ。】



    ガン٩(ˊωˋ*)وバレ
    (~^∀^~)オモロイデスョ
    タイチョウニキオツケテくださいませ

    3
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