人違いで異世界に召喚されたが、その後美少女ハーレム状態になった件

あまたつ

第9話 やっと1日が終わる件

 あれから俺達は多くのモンスターを倒していった。

 俺は今までこの世界にはスライムしかモンスターはいないもんだと思っていた。
 でも違った。ゴブリンを始め、数々のモンスターがこの世界にはいた。
 正直ビックリだ。森の茂みから全裸の男が飛び出してきたときは、さすがの俺も腰を抜かした。

 そもそもモンスターじゃないな、あいつは。

 俺達は今、ルイの部屋で、ちゃぶ台を真ん中に食事をしている。
 もちろん、小屋からアピアレンスボールで繋いでだ。

 俺の左隣に座っているシリアに、ちらと視線を向ける。

 ……そういえば、何であの時シリアは急いで小屋に入ってきたんだ?
 俺は気になったため、シリアに聞くことにした。

「なあシリア、何であの時急いで小屋に入ってきたんだ?」

 すると、シリアは笑顔で言ってきた。

「知りたいの?お兄ちゃん。あの時のこと」

「ああ、ちょっと気になってな」

 シリアは満面の笑みで言った。

「実はあの時、私追われてたんだ。全裸の男の大群に」

「うん、ごめん、食事中にする話じゃなかった」

 俺は即答でシリアの言葉を遮った。

 何だよ大群って!?地獄絵図だよ!あの時の全裸の男ってシリアのこと追ってたやつか!あれが大群で!?何でそんな満面の笑みで話せんの!?

 すると、シリアは俺の左腕を抱き、体を俺に寄せてきた。

「もしかして、お兄ちゃん私のこと心配してくれたの?嬉しい!」

 ぎゅっと俺の左腕を抱きながら、目をつむって笑顔になっている。

 と、俺はちゃぶ台を挟んで正面に座っているルイに視線を向けた。

「……どうしたんだ?ルイ」

「べ、別に何でもないです!」

 ルイは不機嫌そうにふいっと顔をそむけた。

 どうしたんだ?こいつ。

「とにかく、早くご飯食べ終わりましょう!ほら!シリアさんも早く離れてご飯食べてください!」

「やだよ~」

 シリアは、ルイに注意されたにも関わらず、俺から離れようとしない。というか、もっと強く抱いてきた。

「ほら、ルイに言われてんだから、早く食べちまえよ」

 俺がそう言うと、シリアは頬を膨らませた。

「うぅ~、お兄ちゃんが言うなら仕方ない」

 そう言って、シリアはご飯をムスッとした表情で食べ始めた。


 

 食事を終えた俺達は、ルイが持っていたアピアレンス球で、それぞれの部屋を作った。

「じゃあ、また明日」

「おやすみなさい」

「おやすみ!お兄ちゃん!」

 そう言って、俺達はそれぞれの部屋に入っていった。

 俺は部屋に入ると、あらかじめ敷いてあった布団に横になった。

「ふい~、何か疲れたな~」

 思い返せば、今日1日でたくさんの事があったな。
 理不尽に死んだこと、面倒くさい謎の女性に会ったこと、知らない人達との出会い。

 …………兄さん。

 死ぬ間際に見た走馬灯のようなものが、再び頭の中で再生される。

『……お前に足りないもの……。それは、協調性……仲間を思いやる心だ……』

「……今日はもう寝よう」

 忘れようとするかのように俺は立ち上がり、部屋の電気を消した。

 そして、布団に横になり、目をつむった。

 その時だった。

『ガチャリ』

「!?」

 急に部屋のドアが開き、驚いてドアに目線を向ける。
 そこには、パジャマ姿のシリアが立っていた。

 シリアは、笑顔で言ってきた。

「一緒に寝よ?お兄ちゃん」

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