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東方疑心録

にんじん

戦闘から茶番へ

「うえっ…ぐすっ……咲夜ぁ……」

霊夢との勝負に負けたレミリアは咲夜に泣きついていた。

「やっぱそうなるよなぁ…だって霊夢相手だし。そして、この光景前にもあったよな…」

剣がぶつぶつと呟いている。

「そういえば剣はいつからいたのよ?」

レミリアを負かしてご機嫌な霊夢は神社でも見たことがないくらいの笑顔でスッキリしたような顔だ。

「(霊夢のこんな顔見たことない…)霊夢が戦ってる途中だよ。戻ってみればなんでこんなことになってるんだよ?」

「レミリアが挑発してきたのが悪いのよ」

あくまでもレミリアから吹っ掛けてきたと主張する霊夢。

「そ、そうだったんだ…(なんだその子供の言い訳みたいなのは、小学生かお前は)」

などと口にしようものなら自分もレミリアと同じ目に遭わされるので心にとどめておくことにした。

「それでもちょっとやりすぎじゃない?」

「それは……」

剣は横目でレミリアを見る。先程からずっと咲夜に泣きついている。

「はぁ…まったく……」

そうため息をついた剣はレミリアの元に近づき、レミリアの目線に合わせてしゃがむと、

「大丈夫かレミリア?」

そう声を掛けて頭を撫でる。レミリアはそれにビクッとしたものの素直に受け入れている。

「剣~~~!!!」

そうしていると次は咲夜から剣に抱きつく相手をシフトチェンジした。

「うお!?」

剣は突然抱きついてきたレミリアに驚くが、はねのけるようなことはしなかった。
レミリアは剣に抱きつきながら泣いている。そこにカリスマ(笑)の面影は無かった。剣は撫でながらそんなことを考えていた。

「………ロリコン」

霊夢から冷たい視線と言葉が向けられる。

「誤解だからね?!」

どうやら無意識に少し笑っていたらしい。
すると、凄まじい殺気が剣に向けられていることに気づく。殺気の源に目を向ければそこには軽蔑と殺気が入り混ざった目でこちらを見ながらナイフを構える咲夜の姿があった。

「剣…あなたロリコンだったのね…。つまり、お嬢様をいつもそういう風に見ていたのね。」

「あの、えっと、咲夜さん?」

咲夜は俯いたままウフフと笑っている。正直に言ってめちゃくちゃ怖い。
そして、いきなり顔を上げると

「なら、お嬢様に毒牙がかかる前に…お嬢様に近づこうとする虫は殺さないとね…」

と、めちゃ物騒なことを言っている。

「待って!?それは霊夢が言ったデタラメだから!嘘だよ!?」

必死に弁明する剣。咲夜は全く聞こえていないのかぶつぶつと呟きながらこちらに近づいてくる。
そんな時、さらに事態を悪化させることが起こる。

「みんな何してるのー?フランも混ぜてー!」

レミリアの妹、フランの登場である。ただでさえロリコン疑惑がかけられている所にフランまで出てきてしまった。

「いけません!妹様!そいつはロリコンで鬼畜でドSの変態野郎です!近づいてはいけません!!!」

「事実じゃない上にさらに悪化してる!?」

さらに汚名が増えた剣は頭を抱える。

「ねぇねぇー?ロリコンってー?」

そこにフランが咲夜に気になったことをぶつける。やはりとても純粋なようだ。しかし、今はその純粋さが剣をさらに苦しめた。

「それは、小さな…って、何を妹様に教えようとしてるのよ!許せないわ!」

「それは流石に理不尽過ぎるよ!冷静になろう?ね!?」

「何を言ってるのかしら?私はこの上なく冷静よ。あなたを消すことしか考えていないわよ。」

「それ冷静じゃないから!!むしろヤバいよ!?」

咲夜は全く聞く耳をもたず、剣にナイフを投げる。それを剣がなんとかよける。

「ちょっと!?今完全に顔狙っただろ!?」

「それが何か?」

「それが何か?じゃないだろ!危ないよ!当たったら死んじゃうよ!?」

「わかってるわよ。だから投げてるんじゃない」

「ソウイエバソウダッター…」

尚も投げ続けられるナイフをことごとくかわす剣。

「ねぇってばー!ロリコンって何ー?」

「うえっ…ぐすっ…」

フランはまだロリコンのことが気になるのか何度も聞いているし、レミリアに関してはまだ泣いている。
そんな光景を見ながら一人蚊帳の外の霊夢は、

「今日も幻想郷は平和ねぇ」

と、呑気なことを呟いていた。

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