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東方疑心録

にんじん

複数の甘さ

「ん~~美味しい~~!」

剣は今、店主からのお礼の抹茶あんみつを食べていた。
お礼ということもあり、店主が腕によりをかけて作ったあんみつは、抹茶の香りと苦手、そこにあんみつの甘さがマッチしていていい部分を消し合うことなくより引き立てていた。

「美味しそうね……」

横から霊夢がそう言ってくる。霊夢の目からは羨ましい、食べたい、などが伝わってくる。

「………一口いる?」

剣がそう聞くと、

「いいの?!」

霊夢が目を輝かせる。相当食べたかったらしい。

「うん、はい」

そんな霊夢に食べかけのあんみつとスプーンを渡すと、
霊夢は

「やったー!!いただきます!」

と、とても喜び、嬉々としてあんみつを口に運ぶ。その横顔は無邪気でどこか子供のようだった。
そんな霊夢をゆったりと眺めていた剣はあることに気づく。

「………って!?どんだけ食べるの!?」

「あっ…ごめんごめん、あまりにも美味しくってつい」

見ればあんみつは渡したときの半分以下になっていた。
てへ、と笑う霊夢。そんな姿も様になっているため、なんだかどうでもよくなった。

「まったくもう……」

剣は霊夢からあんみつとスプーンを取り返し、残ったあんみつを食べる。

「あっ……」

剣があんみつを口に運んだ瞬間、霊夢がそんな声をあげる。

「ん?どうしたの?」

「い、いや……何でもないわ///」

「そう?ならいいけど………」

剣は何事もなかったかのようにあんみつを食べ続ける。
そして、霊夢はというと…

「(これって、間接キスじゃ…///、本当にキスしたわけじゃないのにすごくドキドキする…///。これじゃ、本当にキスした時はもっと………///って?!なんでキスする前提なのよ私は?!)」

と妄想を繰り返しながら悶絶している。そんなことをしていると、

「霊夢?」

「ひゃいっ!?」
 
後ろから剣が声を掛けてくる。自分の世界に入っていた霊夢は驚きのあまり、声が裏返ってしまう。

「もう行くよ。もっと情報を集めないと」

どうやら、あんみつを食べ終わった剣が店を出るために霊夢に声を掛けたらしい。

「え、ええ……///」

霊夢は妄想のことと、声が裏返ったことに対して顔を赤くしながらも、剣と共に店を後にする。
尚、あんみつはこの店の看板商品だったが、お礼ということもあり、タダだったようだ。





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