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東方疑心録

にんじん

剣と魔理沙の秘密

「世話になったんだぜアリス。」

「アリスさん、ありがとうございました。」

「いいのよ、気をつけてね。」

僕と魔理沙はその日はアリスさんの家にいた。今、僕達は魔理沙の体調が回復したため、帰ることになった。

「じゃあね、魔理沙、きのこには気を付けなさいよ。」

「わかってるんだぜ!」

こうして僕達は改めて魔理沙の家に向かうのだった。

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「やっとついたんだぜ。剣、ここが私の家だぜ。」

「おお、これは、なんとも…」

やっとついた魔理沙の家は正直かなりボロかった。家の壁には蔦がはびこっており、窓も何ヵ所か割れていて、庭にはごみが捨ててあった。

「まあ、魔理沙のことだからこんなことだろうとはおもったけど。」

「なんだよその言い方は。まるで私の家が汚いみたいに言うなよ。」

「いや、実際汚いだろ。」

「汚いって言うなだぜ!」

「まあまあ、さて、これからどうするかな…」

本来は魔理沙を送るのが剣の目的だっため、剣はもう帰ってもいいのだが、

「(この家を見るとそうもいかないよな…)」

こう見えて剣はかなりのきれい好きである。博麗神社での生活で、掃除や洗濯をさせられたが、それが塵一つ残さないほどの徹底ぶりだったので霊夢に好評だった。それに、魔理沙が毎日この家で生活していると思うと無性にこの家を綺麗にしたくなる。

「よっしゃ!魔理沙、掃除しよう!」

「い、いきなりどうしたんだぜ、剣!?」

何かを考え込んでいるとおもったら、急に大声を上げて掃除をしようと言ってくる剣に少し引く魔理沙。

「魔理沙だって女の子なんだからこんなに家を汚くしたままじゃだめだ!それになんだかすごいやる気が出てきたぜーーー!」

こうなると剣は止まらない。剣が一人で燃え上がっている一方、魔理沙はというと、

「剣が私のことを女の子って…/// いや、だから剣のことは霊夢が…」

一人ニヤニヤしながら自分に何かを言い聞かせていた。

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「うおらぁぁぁぁぁ!!!」

「これはすごいな…」

魔理沙の目の前では剣がすごい勢いで掃除をしていた。ちなみに途中までは魔理沙もやっていたのだが剣の勢いについていけず、今は休憩中である。

「にしても意外だな。剣がまさかここまでのきれい好きだったなんて。」

魔理沙が抱く剣のイメージはどちらかというと大雑把で、どことなく自分に似ていると思っていたのだがこうして見ると全然違う。
そんなことを考えている間にも剣は窓を拭き、ごみを拾い、雑巾がけする。本当なら何時間もかかるはずの作業をどんどん終わらせていく。そして、

「これで、ラスト!」

剣が最後のごみ袋を外に出して掃除が終了した。掃除が終わった後の魔理沙の家はとても綺麗で、あれだけごみが散らばっていた庭も今ではごみが見当たらない。埃だらけだった床や棚もピカピカになっていた。

「すごいな剣!ありがとだぜ!」

「いいよいいよ、僕もなんだか落ち着かなかったし。あ、落ち着くといえば。」

「?」

「魔理沙、すごいもの見せてあげようか?」

「なに?なんだぜ?」

すごいものと聞いた瞬間、魔理沙の目が輝く。

「じゃあちょっとついてきて。」

「わかったんだぜ。」

僕と魔理沙は再び森に足を踏み入れた。

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「剣ー、すごいものってものはまだかぜ?」

「もーちょっと奥かな。」

剣と魔理沙は剣の言うすごいものを見るため、森を歩いていた。ちなみに今回は迷子にならないよう、きちんと目印をつけているので迷子の心配はない。

「お、着いたかな。」

「ほんとか!?どこだぜ!?」

「この茂みを越えたらわかるよ。」

そう言って茂みの奥へ進む剣。それを追って茂みを越えた魔理沙の目に飛び込んでこたのは、

「うおぉぉぉぉ!!!」

視界いっぱいに広がる紅葉だった。剣が案内したのは崖で視界が開けているため、森の自然が一望できた。しかも今は秋で紅葉がどこまでも広がっていた。

「な?すごいでしょ?」

「本当にすごいんだぜ!いつ見つけたんだ?こんな場所。」

「魔理沙が寝てる時だよ。散歩してたら偶然ね。」

剣がアリスの家で飯を食べた後、魔理沙がまだ寝ていたので近くを散歩していたら見つけたのだ。

「なんだかここに来ると落ち着くんだよね。心が落ち着くというかなんというか。」

「こんな所知らなかったんだぜ。」

「たぶん僕と魔理沙だけじゃないかな。そうだ、魔理沙、ここ二人だけの秘密にしようよ。」

「二人だけの秘密?」

「うん。」

にひひと悪戯っぽく笑う剣に対し、魔理沙も、

「二人だけの秘密か…。いいなそれ!」

笑っていてその笑顔はどことなく嬉しそうだった。

「それじゃあそろそろ帰ろうか。」

「ああ。」

僕達は魔理沙の家に戻るのだった。

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「僕はそろそろ帰るよ。」

「わかったぜ、じゃあな!」

結局その日は魔理沙の家に泊まらせてもらった。意外にも魔理沙が料理ができ、魔理沙の作ったきのこシチューがふつうに美味しかったのに驚いた。

「結構迷惑かけたね魔理沙。」

「いや、私も楽しかったんだぜ。博麗神社まで送ろうか?」

「いや、大丈夫だよ。自分で帰れるから。」

「そうか、じゃあまたなだぜ!」

「またな、魔理沙!」

魔理沙と挨拶を交わすと走って帰る剣。その後ろ姿を見て魔理沙は、

「(なんだかわからないけど剣といると胸が苦しくて顔が熱くなるんだぜ。どうしちまったんだろ、私。)」

「今度、永遠亭に行ってみるか…」

その後博麗神社に帰った剣は霊夢に三日も帰ってこなかったことについて質問という名の尋問をされたのだった。



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