東方疑心録

にんじん

魔理沙とのデート(中編)

「じゃあこれからどうする?」

僕達は昼飯を食べ終わって次の行動について考える。ちなみに魔理沙が案内してくれた和食屋はとてもおいしかった。特にあのサクサクの天ぷらが、なんていい始めたらきりがないのでやめておく。

「うーん、じゃあ寺子屋にでもいってみるか。」

「寺子屋?なにそれ?」

聞き慣れない言葉に疑問が浮かぶ。

「寺子屋っていうのは、勉強をする所なんだぜ。」

魔理沙がとても簡単な説明をしてくれる。

「わかった。それじゃあその寺子屋に行こうか。」

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「おーい!慧音!いるかー?」

魔理沙が寺子屋に着くなり叫ぶ。それは近所迷惑になるかもと、止めようとしたら奥から、

「なんだ?」

青髪の女性が出てくる。

「おー慧音、いたのか!」

「いや、おまえが呼んだんだろ…そして、そちらの人は?」

「ああ、忘れてた、こいつは最近幻想入りした、」

「剣 優介といいます。」

魔理沙の言葉を引き継いで自己紹介する。

「そうか、私はこの寺子屋の先生をしている上白沢 慧音だ。よろしくな。」

「あ、はい、こちらこそよろしくおねがいします。」

「そんなに堅くならなくていい。」

いや、でも先生ってけっこう立場が上な気がするんですが…。

「それで慧音、今日は授業はなかったのか?」

魔理沙が慧音に尋ねる。

「授業ならさっき終わったところさ。」

と、慧音が答えたそのとき、

「先生~あたいと遊んでよ~」

「ちょっと待ってよーチルノちゃんー。」

奥から今度は二人の女の子がでてくる。一人は慧音と同じ青髪の女の子でなんとなくだが少し馬鹿っぽい。もう一人は緑髪のおとなしそうな少女だ。

「こら、チルノ、いま私は話しをしていてな…」

「あれ、魔理沙だ!と、そこの人はだれ?」

すごいマイペースだなと思いながら、

「僕は剣 優介だ。よろしくな。」

「あたいはチルノだ!」

「私は大妖精といいます。」

チルノはやっぱり馬鹿なんじゃないか?そう考えていると、

「よし決めた!剣!あたいと勝負しろ!」

いきなり勝負を挑まれた。

「ちょっとチルノちゃん…」

「おいチルノ………」

大妖精と慧音が止めようとするが、

「いいんじゃないか?」

魔理沙が勝手に承諾する。

「ちょっと魔理沙!?」

「いいじゃねえかちょっとくらい。それに剣、体動かしたかっだろ?」

まあ、それは事実なんだが。

「剣、私からもお願いできないか?あいつは一度やると言ったら聞かないから。」

慧音にも頼まれる。まあでもさっき言った通り体を動かしたいので引き受けることにする。

「わかりました、じゃあどこでやる?」

「それならそこの庭でやってくれて構わない。」

そういわれて僕とチルノは庭に出る。

「おーい剣、やり過ぎるなよ。」

魔理沙が僕に注意してくる。

「わかってるって。」

「それじゃあいくぞ!凍符『パーフェクトフリーズ』!!!」

チルノが氷の弾幕を撃ってくる。それを僕は避けるでも
迎え撃つのでもなく受け止めた。

「剣!?」

慧音が驚きと焦りの入り交じった声で叫ぶ。

「大丈夫だぜ慧音。」

魔理沙が慧音に声を掛ける。

「しかし、剣が…」

そこまで言いかけて慧音は目を見開く。彼女の目の前ではチルノのスペカを受けたはずの剣が立っていた。

「彼は、何者なんだ…?」

「んー、ちょっと特殊な能力持ちの人間かな?」

慧音の疑問に魔理沙が答える。

「彼も能力を持っているのか?」

「ああ、それは後で本人に聞けばいいさ。」

二人の前ではチルノのスペカが剣を襲っていた。


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「く~や~し~い~!」

そんな声を上げるのは庭でじたばたしているチルノだ。
勝負は僕の勝ちだが、僕は一度も攻撃はしていない。
僕は能力のおかげで攻撃が効かないのでチルノを組伏せて喉元に手を突きつけることで勝ったのだ。

「剣、君の能力はいったい?」

慧音がストレートに聞いてくる。別に隠すようなものでもないので僕は、

「僕の能力は『拒絶する程度の能力』です。」

あっさりと言う。慧音はそれだけで理解したのか、

「なるほどそうだったのか…」

と呟いている。やはりこの人頭いいな。

「剣~暇なんだぜ~」

見れば魔理沙は縁側でゆったりとしている。まあ、それもそうか。僕とチルノが戦っている間はやることがなかっただろうからな。

「わかったよ。そろそろ行こうか。慧音さんお邪魔しました。」

僕は慧音に挨拶をして立ち去ろうとする。

「ああ、時間をとらせて悪かったね。またいつでもくるといい。」

「剣!次会ったらもっかい勝負だ!」

「さようなら剣さん。」

慧音とチルノと大妖精の挨拶を受けて僕と魔理沙は寺子屋を後にした。

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