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東方疑心録

にんじん

姉妹

「禁弾『スターボウブレイク』!」
フランのスペカが僕に迫る。僕はそれを転がってかわす。起き上がった矢先にまた弾幕が撃たれる。
「お兄さん、さっきまでの威勢はどうしたの?逃げてばかりじゃつまらないよ。」
「そんなこといわれても…。」
僕は自分の能力を理解しているが、
「(くっそ、この能力自分を守ることくらいの使い道しか思いつかない!)」
「どうすればいい…、考えろ、考えるんだ!」
「(このまま逃げ続ければ、僕は負けないけど、いつフランが飽きて霊夢達を攻撃しないとは限らない。焦るな、落ち着け…)」
「まずは深呼吸だ。」
剣は溜めていた息をはきだした。そして大きく吸う。
「(よし、ひとまず落ち着けた。思い出せ、能力を使ったとき、フランから霊夢を護った時僕だけでは霊夢に攻撃の余波が当るため、霊夢に僕の能力を付与した…)」
そこまで考えて剣は思い付く。
「(もしこの能力が人だけでなく、物にも付与できるとしたら?)」
僕は足元に落ちていた木の破片を見る。それは、フランの弾幕によって破壊された本棚のものだった。僕はそれを拾い上げる。
「そんな木でなにができるっていうの?」
フランは半ば呆れ声だった。
「もういいや、お兄さんさっきから逃げてばっかでつまんない。」
フランが弾幕を展開する。それに対し僕は木の破片を構えた。
「剣!?そんなんじゃ…」
焦りの声を上げる魔理沙に霊夢が肩を叩いて首を横に振る。
「いいのかぜ!?霊夢、あのままじゃ剣が!」
「いいのよ魔理沙。それに、」
霊夢はフランに立ち向かう剣の顔を思い出し、
「剣なら大丈夫よ。」
霊夢の顔には自信の表情が浮かんでいた。
「消えちゃえ!」
フランが弾幕を撃つ。僕はそれを見ながら、
「まったく、今日は一か八かが多すぎる。全部命かかってるし。まあ、」
剣は後ろをちらりと見ると、
「今回は僕の命だけじゃないけどな。」
視線をフランに戻すと弾幕が迫っていた、しかし僕にはそれがとても遅く感じられた。そして、弾幕が僕を吹き飛ばすその刹那、
「何が起こったんだぜ?」
それは魔理沙の声だった。その先では依然としてたっている剣の姿があった。気のせいか、弾幕が彼にあたる直前、剣は木の破片で弾幕を斬ったようにみえた。
「なんで、どうやって…」
フランが呟く。
「本当に賭けだったけどうまくいってよかった。」
剣は安心した顔でそう言う。
「剣、どうやって?」
魔理沙が僕に尋ねる。
「魔理沙は見えなかったかい?」
「いや、剣が弾幕にその木を振ったのは見えたけど…」
僕は逆に魔理沙に尋ねた。
「そうだよ、僕は弾幕を斬ったんだよ。この木で。」
「そんなの嘘だ!」
フランが叫ぶ。
「そんな木で私の弾幕が斬れるわけない!」
「なら、試してみる?」
そう言った瞬間、僕はフランとの距離を一瞬で詰めた。
「速い!?」
僕は木を振り上げる。フランは危険を感じ取ったのか横に飛び退く。僕は躊躇なく木を振り下ろす。振り下ろした先にあった本棚が真っ二つになる。
「そんな?!」
僕はフランを追いかける。その間にも弾幕を撃つフランだったが僕はそれをことごとく斬り伏せる。そしてフランが壁際まで追い詰められて逃げ場を無くす。僕はフランの顔のすぐ横に木の破片を突き刺した。
「チェックメイトだ。」
「うう…」
フランの目にはうっすら涙が浮かんでいた。僕は木を振り上げる、フランがぎゅっと目をつぶる。

<ポンポン>

「え…」
僕は木を振り下ろさなかった。そして今フランの頭を撫でている。
「どうして…」
フランが僕に聞いてくる。
「どうしてって、別に殺す気ないし、それが目的じゃないしな。」
そう言うと僕は座りこむフランに視線を合わすようにしゃがみ、
「フラン、レミリアのことは嫌い?」
「え…」
フランが絶句する。だがすぐに表情を改めて、
「嫌い。」
と、答える。僕はまた、
「なんで嫌いなんだ?」
と聞く。それに対しフランは、
「だって、私のことずっと閉じ込めて自分だけ皆とあそんでるもん。そんなお姉様なんか大っ嫌い!」
フランが声を上げて答える。僕は、
「僕はそうは思わないけどな。」
「え…」
フランが三度目の絶句。それに苦笑いしながらも、
「だって、レミリアがやっていることは全部フランのためなんだよ?」
と言う。
「どういうこと?」
フランの問いに僕は答える。
「だってフランは、自分の力をコントロールできていないんだろ?そんな状態だと皆と遊んでいてもし力が暴走して友達を傷つけることがあったらフランが傷つくし、なにより悲しいだろ?」
僕の言葉に驚くフランは、
「じゃあまさか、お姉様が私を閉じ込めていたのは…」
「そう、フランが悲しまないためだよ。やり方はちょっとどうかと思うけど、不器用な姉の愛ってことだよ。」
「そんな…」
フランが唖然とする。
「それにレミリア、さっき自分を攻撃したフランを傷つけないでって言ってたんだよ?本当に嫌ってる人がそんなこと言うとは僕は思わないよ。」
僕の言葉にフランはレミリアの方を向き、
「お姉様………」
「ごめんなさいねフラン。私が不器用なばっかりにあなたを傷つけてしまって。」
レミリアが涙を流しながら謝る。
「私こそごめんなさいお姉様、お姉様の気持ちなんか考えずに私、」
フランもレミリアに謝る。
「いいのよ。でももし、こんなお姉ちゃんでいいなら、これからも私の妹でいてくれる?」
レミリアがそう言うとフランはレミリアに抱きついて、
「ごめんなさいお姉様!嫌いなんか言っちゃって…うわ~~ん!」
泣いた。レミリアはそんなフランを黙って撫でていた。
「ひとまず一件落着ってことでいいのかしら?」
横から霊夢が聞いてくる。
「ああ。」
僕は短く答える。すると、ひとしきり泣き終えたのか、フランがレミリアの胸から顔を上げて、こちらを向く。
「みんな、傷つけてしまってごめんなさい。」
フランが頭を下げる。
「いいのよ、べつに大怪我したわけじゃないし。」
「そうだぜ、そこまで気にやむ必要はないんだぜ。」
「で、でも…」
霊夢達の言葉にフランがうろたえる。
「みんなもこう言ってるんだしいいんじゃないか?」
僕はフランに声をかける。フランは少し戸惑ったあと、
「うん!」
と、明るい笑顔で笑った。僕はその笑顔を見て、
「(なんだ、そんな顔も出来るじゃん。)」
と思った。
「さて、こういう時はみんなで飯を食べるのが一番だ!」
「わかったわよ、咲夜。」
「わかりました、すぐに準備します。」
そう言って咲夜は消えた。
「今日はたくさん飲んで食うぞー!」
「「「「おーー!」」」」
図書館に僕の叫びとみんなの声が響き渡った。

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コメント

  • にんじん

    すみません東方のことをあまり知らないにわかなので温かい目で見てもらえると幸いです。私ももっと勉強しますので。

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